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漫画家アシスタント物語  第9章 〈2〉 ラジオ出演は、花道か地獄か?

 
《 写真上: 地下鉄の赤坂見附駅ホーム。ここから地上へ出て、一ツ木通りを通って、TBSの放送局へ‥‥ 30年前と同じつもりで。2008年7月撮影 》
               < この9章〈2〉は、文庫本約11ページ分 >

 
 
「第9章」は、独立した「章」ですので、「第8章」の続きではありません。ほとんど短いショートストーリーですので、「第9章〈1〉」(無料)より、お楽しみいただけます! 

ただし‥‥ この「第9章」は、各節続きものになっているケースがありますので、「第9章〈1〉」から順番にお読みいただいた方が良いと思います。
 
それから‥‥
はじめての方は、
「マガジン:第1章、第2章」(無料)がお薦めです!

 
 
             本編へ進む前に‥‥

この「第9章」は、中ほどより「有料1100円」、後半は「有料2400円」になっております‥‥‥‥ ってなわけはなく!
 
前章より、「購読料」を廃し無料にしていますが、この「第9章」も無料になります!

「漫画家アシスタント物語」全455話のうち、その7割がアップし、残りも130話ほどになってまいりました。購読料を設定すると、アクセス数は数分の一、スキ数も数分の一、と激減! 課金率はそのさらに数分の1!(アクセスしても9割以上の方は購読されません)

つまり、もっとも大切な( 面白い? )部分が、まったく読まれないままスルーされるわけです。 これでは、いったい何のためのブログ公開なのか、意味がわかりません。 そこで、いっそ無料にして全てのビジターさんに読んでもらおうと考えました。

手始めに「第8章」を無料にすると、そのアクセス数は倍増、さらに「スキ数」も数倍にあがりました。これで「第9章」も引き続き無料にする事に決めました。

幸い、主要な部分は「第7章」までで完結していますので、「第8章」以降の「続編」的な部分は、3,4話完結( 一部を除く )で読みやすいのです。

「第9章」以降の各章は、一部つづき物になっていますので、少し、前に戻ったりしながら、お楽しみください!
 

 追記: ただし、「第3章」から「第7章」までの課金設定は、全編の公開が完了した時点で無料化する予定です。 ( 編集上の都合で約8ヵ月後 )
 

 
 
 
                その3  
  
    《 漫画家アシスタントが・・・禁止事項を問う!? 》
 
 
「 今日お聞きした事の中からいくつか選んで質問させてもらいます‥‥ 」

ディレクターは、真剣な表情でそう言いました。

池袋の喫茶店でTBSラジオのディレクター氏との打ち合わせは2時間ほどでしたが‥‥

その時に、彼から受けた質問というのは‥‥

「 どんな漫画家のアシスタントをしたのですか? 」
「 今の仕事場にはスタッフが何人いるのですか? 」
「 アシスタントは漫画家の絵柄に合わせて絵を描くのですか? 」
‥‥等々

どれも‥‥ 簡単な質問ですので、すっかり安心して打ち合わせの時間の後半は、私が彼にラジオについての質問をしてみました‥‥

私は、テレビやラジオには「 放送禁止用語 」というものがあるのではないかと思っていたので、まず最初にその事を質問しました。

「 禁止用語のマニュアルみたいなものとか、発言事項の注意書きとか‥‥ そんなものがあるのですか? 」

私の長年の疑問を、少し緊張しながら彼にぶつけると‥‥

意外とあっさり‥‥
「 無いですよ、そんなもの! 」
「 え?‥‥ 無い?‥‥ 本当ですか? 」
「 ありませんよ、ホントですよ! 」

私は「 差別的 」や「 ワイセツ的 」など、また、「 皇室侮辱 」など‥‥ 注意するべき発言などをまとめたプリント(?)を出演者は、全員読んでいるのかと思っていたのです。

しかし、そんなものは存在しないのでした!

結局、出演前に人物を充分に確認して、ヤバイ話をしない人間だけが出演出来ている‥‥‥‥ という訳でしょう。

テレビなどで「 危ないキャラ 」を演じているのは、実際には大変に真面目な人であり、ライブ中継中に「 事故 」らない事を充分に精査されている人物‥‥‥‥ という事のようです。

次に私が質問したのは‥‥

「 いつも聞いているラジオ番組なんですが‥‥ スポンサーが〇教新聞という宗教系の新聞社なんですが‥‥ その番組の前後で〇明党の批判をしてたコメンテーターがいたのですが、大丈夫なんでしょうか? 」
「 関係ないと思いますよ 」

この質問にもあっさりと答えられた‥‥ どうも‥‥ あっさりし過ぎている‥‥‥‥

そして、もう一つの質問‥‥

「 ディレクターとして、出演者の発言には神経をすり減らすのではないですか? 」

これにも、あっさりと‥‥
「 ほとんど‥‥ 無いですね‥‥‥‥ 」

ここで、ディレクター氏は少し考える‥‥‥‥

「 ヤバそうな人はちょっと‥‥‥‥ こちらも選ばせてもらいますので‥‥! 」
‥‥ニヤリと笑って私の目をジッと見つめる‥‥‥‥‥‥

とっさは‥‥ 私は、自分が「 ヤバ 」くない男である事を愛想笑いで訴える‥‥‥‥

「 では‥‥ シナリオができましたらメールで送らせていただきますので‥‥ 」

そう言って、ディレクター氏は池袋駅に向かって去って行った。

しかし、本番までに2日しかない‥‥ シナリオには、当然、アナウンサーがする質問事項が記されているだろうから、早く確認しておきたい‥‥。

当日の本番中、突然質問されても、答えを焦ってしどろもどろになってしまうかも知れないのだ‥‥‥‥

翌日‥‥ つまり、2008年7月12日‥‥ 本番の前日‥‥‥‥

シナリオのメールは‥‥‥‥‥‥‥‥ まだ届かない。



 


秋山プロがあるマンションと、その前に立つイチョウの木です。2011年11月、撮影

 
               その4  
  
   《 漫画家アシスタントが・・・徹夜で本番に向かう!? 》
 
 
ラジオ出演( ※参照 )の前日、私は深夜になるも眠るどころか、ジッとしている事さえ出来ないほどの緊張感に襲われていました。

『 すぐに台本を送りますから‥‥ なんて言ってたけど、結局来なかったな‥‥ 』

などとイライラした気持ちがつのっていた時‥‥‥‥ 夜中の1時過ぎにディレクターからのメールが届きました。

私がやっと、このメールに添付されたラジオの台本に食い入る様に見入ったのは本番開始のお昼( お昼の生番組! )まで、あと9時間!

もはや、呑気に寝床に入る気にはならず、そのまま徹夜でラジオ局へ向かう事に決めました。

幸い、日曜日は仕事もないし徹夜には慣れていますので、苦痛に思うような事はありませんでした。

さて‥‥

台本といっても‥‥ 私へのインタビュー分約30分ほどの部分のみ、ほんの数枚の原稿でした。

いくつかの質問が並び、私が回答する部分は白い空白になっているのです‥‥

『 まぁ‥‥ この程度なら‥‥ 何とかなりそうだ‥‥ 』

まず、アナウンサーが私の事‥‥ 30数年間、漫画家アシスタントをやっている人物として簡単な紹介をした後で、最初の質問‥‥‥‥

「 現在は、誰のアシスタントをやっているのですか? 」

という、ごく簡単な質問から始まり、具体的な仕事の内容についての質問が続くわけです‥‥

2日前の打ち合わせで話した内容とまったく同じで、頭を抱えるような難しい質問はまったくなく、ドジる心配はなさそうでした。

しかし、「 漫画家 」ではなく、「 漫画家アシスタント 」がラジオ番組のテーマになるとは‥‥ 時代が変わったのでしょうか‥‥ 今でもちょっと不思議な気分‥‥‥‥

でもそこは、さすがにメジャーなラジオ番組‥‥‥‥ ちゃんと視聴者の興味を刺激する様に台本が作られていました。

ディレクター氏からの質問に答えたり、私が思う漫画業界への感想などから以下の様な番組サブタイトルが付けられていたのです。

『 知られざる漫画業界の真実! 』

私が話したこの業界についての話( 私にとっては、当たり前のごく普通の話 )がちょっと大げさなサブタイトルが付いている‥‥‥‥ いかにもマスコミらしい演出です。

30分のインタビューの中で、この部分をメインとして構成されているのですが‥‥‥‥

その部分とは、以下の3項目‥‥

1、 デビューはデビューじゃない。
2、 アナログからデジタルへ。
3、 アジアの下請け事情。

漫画業界における「 デビュー 」なんて、漫画家に成る前の入口みたいなもので、単なるスタートラインに過ぎずないという話。

そして、PCを使った漫画制作が普通になりつつある状況とか、書き下ろし単行本制作が人件費の安い外国に流れる現状など‥‥‥‥

そんな話が番組的に面白いのかどうか‥‥ わかりませんが‥‥‥‥

自分の意志とは関係ないところで「演出」が加わる事に窮屈な気持ちもありましたが‥‥‥‥ 冷静に考える事よりも、本番前の緊張の波にただ流されるだけで、気が付けば朝になっていたという訳です‥‥‥‥

「 11時に番組が始まりますので、遅くともその30分前には来て下さい 」

そう、ディレクター氏に言われていましたので、池袋の自宅マンションを9時頃( 早め )に出たと思います。( 池袋から赤坂のTBSまで、1時間もかからない )

『 10時には局入りして、中を少しブラブラ見学させてもらおう‥‥! 』

20歳の頃、ジョージ先生( ※参照 )の所でアシスタントをする前にTBS( 旧社屋 )でアルバイト( ※参照 )をしていた事があるので、新しい局社にとても興味があったのです。

『 ラジオとはいっても局社内はテレビと一緒だろうから、有名人と会えるかもしれないな‥‥ 』
とか‥‥

『 社内で迷ったりして‥‥ そこで偶然、キレイな女優さんと出会ったりして‥‥ 』
‥‥などと、クダラナイ事をダラダラと考えていたかと思います‥‥

しかし‥‥

私は30年前の記憶を頼りに赤坂( ※参照 )へ向かったために‥‥‥‥地下鉄「 赤坂見附駅 」で道に迷ってしまうのです‥‥‥‥

30年の歳月は、TBSが新社屋になっただけではなく、赤坂の町も地下鉄の駅もすっかり変わってしまっていたのです‥‥‥‥

「 1時間前には局入 」するなどという余裕はスッ飛び、真夏の太陽がギラギラと頭を焼き付ける中、足は急ぎ足に変わっている‥‥‥‥

「 ヤバイ‥‥ 30分前って言われたのに‥‥! 」

ついには、真夏の昼時、局までジョギングするはめに‥‥‥‥( 全身から汗が!)

しかし、私が向かった場所は昔の「TBS正面玄関」だったのです‥‥‥‥ 

『 こ‥‥ これはTBSじゃない! 』

今では、訳の分からない商業ビルが建っている‥‥‥‥

『 T‥‥ TBSが‥‥‥‥ 分からない! 』

シャワーを浴びたように‥‥ 汗が噴き出す‥‥‥‥

『 TBSは‥‥ どこなんだ‥‥‥‥?」

シャツもパンツも、ジーンズも‥‥ グッショリ濡れる‥‥‥‥ ダラダラと額を汗が流れ落ちる‥‥‥‥

『 い‥‥ 入り口は‥‥?」

流れる汗で、濡れネズミの漫画家アシスタント‥‥‥‥

『 た‥‥ 助けて‥‥ 助けてぇ‥‥ 」
 
 
 
       「 漫画家アシスタント物語 第9章〈3〉」へつづく・・・・

                   「第9章〈1〉」へもどる‥‥

                   「もくじ」 へ‥‥




 ~~~ 参照 ・第9章(前) ~~~ ( 読んでも、読まなくても!)

 【その4】
・ラジオ出演 : 拙ブログが単行本化されたりした事で、ラジオ番組にゲスト出演。2008年7月、日曜日のお昼のレギュラー番組でアナウンサーから漫画家アシスタントについての30分間のインタビューを受けた。
・ジョージ先生 : 有名漫画家、1966年、23歳で売れっ子作家に。70年には週刊連載6誌という逸話もある。現在は2誌に連載中。08年当時、65歳。
・アルバイト : TBSテレビのスタジオ内の建具専門会社で、舞台設置の作業を行う、裏方仕事を1年やりました。あの〇永小百合とも一緒に‥‥
・赤坂 : 千代田線赤坂駅にTBS局社屋がある。テレビとラジオが同じ建物の中にあり、丸ノ内線の赤坂見附駅からも行くことができる。

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