漫画家アシスタント移住物語 先生との思い出4 吉原前哨戦
《 画像上:台東区千束4丁目、仲ノ町通り、よしわら大門です。フリー画像で「吉原」の写真を利用。画面奥からタクシーで大門前にやって来ます 》
お薦め:古いですが「漫画家アシスタント物語・エントランス」もどうぞ!
先生との思い出 4 吉原前哨戦
《 忘年会の二次会は・・・風俗団体戦・・・!?》
ちょっと恥ずかしい話だけど、誰でもSEXはしますよね。
男性は、出会う女性の8割に欲望を感じる・・・・・って話を聞いた事もあります。
私の師匠だったジョージ秋山などは「 男なんて結局、ヤル事しか考えてねぃ~んだよ! 」などとよく言っていました・・・・・・・・・・( 実際は数え切れな程聞かされました )
それほどではないにしても、この「 当たり前の行為 」が「 ちょっと恥ずかしい 」わけです。
どんな漫画家だって風俗で遊んだりするのは当たり前の事だし、いわんや若い漫画家アシスタントが給料をもらったらその夜には、〇ープランドへ行く事しか頭になくなるのはごく自然なわけです。
仕方がありません・・・・・・・・ちょっと恥ずかしいけど。
ところが・・・・・・・・
どうも、お偉い漫画家先生方の文章には「 初体験 」や「 風俗 」の話が出てこない。
ときわ荘時代の昭和30年代初期にはまだ「 赤線 」「 青線 」( 〇春街を合法非合法で区画した名残 )が東京中の至る所に存在していたはずなので、その手の話はいくらでもあったはずなのです。
「 ちょっと恥ずかしい話 」がゴロゴロと・・・・・・・・!
ちなみに、「トキワ荘」からなら池袋の〇線街までバスや自転車ですぐだし、歩いてだって行かれます。
「 児童漫画 」という看板のせいもあったのか、下半身の話題を意図的に避けられているのか、大御所といわれる先生方、性欲の欠片もないお堅い紳士ばかりだったのか・・・・・・・・
でも・・・・・・・・ 漫画でメシを食っていこうなんて人間に聖人なんているわけもなく・・・・・・・・
・・・・・・ってなわけで、今回は師匠とアシスタントたちが初めて吉原( 東京の〇ープランド街 )へ遊びに行った時の話を記したいと思います。
当時私は20代の半ば、多くの先輩たちは30歳前後、師匠は30代後半、皆さん下半身に欲望がぶら下がっている・・・・・・・・股間の袋から臭ってきそうな野郎どもです。
1980年頃の事ですので、今( 2020年前後 )から随分と昔の話・・・・・・・・
細かな出来事や会話の内容など、かなりいい加減な記憶で書いてますので、不正確、曖昧な点が多々あるかも知れません( いや、絶対ある )・・・・・・・・・その辺の所はご容赦下さい。
80年代の初め、日本は74年のオイルショックから立ち直り、バブル景気が始まる頃・・・・・・・・
秋山プロでも週刊誌が「 ギャラ 」( 少年キング )、「 ピンクのカーテン 」( 週漫画ゴラク )、「 シャカの息子 」( 少年ジャンプ )、それ以外に「 浮浪雲 」( 隔週ビッグコミックオリジナル )の連載がありましたから、かなり忙しい時期だったと思います。
師匠の原稿料、印税収入などの合計が年1億円を超えた頃・・・・・・・
忘年会は目白の日本料理店で、師匠の奥さんや子供たち、年長のアシスタントの奥さん、先輩アシスタントAさんの婚約者なども参加する賑やかな宴会でした・・・・・・・・・・・・・
さて、二次会は、奥さんたちとは別の場所へ男性陣だけ( 先生含めて7人 )で行くという事になったわけです・・・・・・・・・・・
「 二次会で飲み直すからよ 」
・・・・・・とか何とか言って、( 計画通り )吉原へ出発するわけです。
先輩アシスタントの中には一週間後に結婚式を控えている( さっきまで婚約者も一緒だった )Aさんもいるのですが・・・・・・・・
「 おめィ~ど~すんだ? 」
「 はい、お供します 」
・・・・・と、A先輩がニコニコと答えていたのが印象に残っています。
目白通りで2台のタクシーに分乗して吉原へと向かいます・・・・・・・・

先生と先輩アシスタント一人、そして私は、後続のタクシーで先発組に続きます・・・・・・・・ 目白の住宅街で西武池袋線を越えるのですが・・・・・・・・ 先発したタクシーが踏切を越えた時に「カンカンカンカン」と遮断機が下りてしまい、後続の私たちは先発したタクシーに取り残されます。
後ほど、吉原で合流すれば良いのでそれはさして問題ではないのですが・・・・・・・・
「 おめぃ~らをよ‥‥ 吉原に連れて行ってやりたかったんだよなぁ・・・・・・・・吉原なんて初めてだろ~? 」
タクシーが池袋のネオン街を過ぎる頃にウキウキした気分で師匠が話し出します。
きっと、漫画の「 浮浪雲 」の様に・・・・・・・・ 主人公の雲さん( 問屋場の頭 )が駕籠かき衆の若者たちを連れて遊びに出かける粋なイメージがあったのかも知れません。
「 吉原なんて初めてだろ~? 」と嬉しそうに話しかける師匠に、シラケ気分の私は・・・・・・
「 いえ、行った事があります 」
「 はあ? 」
「 3,4回かなぁ 」
「 なんだぁ・・・・おめぃ~、初めてじゃねぃ~のかよ! 」
「 はい 」
「 俺ぃより詳しいんじゃねぃ~か!? 」
「 フ・・・・・・・・ 」( 風俗雑誌等でリサーチ済みな私は薄ら笑い )
「 つまらねぃ~~な~~、俺ぃはおめぃ~に吉原を教えてやろ~って楽しみにしてたのによ~~っ! 」
「 スイマセン 」( 笑いながら )
「 俺ぃがおめぃ~に教えてもらう事になるのかよ! 」
本当にガッカリしている師匠は、「 つまらねぃ~な~ 」を連発・・・・・・・ タクシーはあっという間に浅草の国際通りから吉原方面へ少し寂しい通りを進みます。

吉原といっても結構広い・・・・・・・・ 吉原交番の前を通って仲ノ町通りを進むと数え切れないほどの〇ープランドの看板が目に入ってきます・・・・・・・・・・。
現在でも、「 金瓶梅 」「 夕月 」「 角海老 」等々・・・・、40年も前にあったお店が今も営業しているのです!
このコロナ禍の中でも100店以上のお店があるという吉原の普遍的な強さには驚きます・・・・・
さて・・・・・・・・・
貧乏臭いアシスタントが4人、角町通りとの交差点で案山子のように立っています・・・・・・・・・・・・・・・それが、先発組だとすぐに分かって合流します。
「 今日はよぉ‥‥ 小池に付いて行こうぜ、こいつが一番良い店知ってそ~だからよ! 」
・・・・・などとイヤミな事を言って笑う師匠・・・・・・・・
「 まず、一杯ひっかけねぃ~とよ 」
師匠の一言で全員師匠の後に続いて歩き出します・・・・・・・・ そして、フラフラ、ゾロゾロと路地を入ってすぐの所にある「P」というバー(スナックかも? )へ・・・・・・・・
店内は、白い内装で黒の長いカウンター席、中年で蝶ネクタイ姿のバーテンさんが二人、他には女の子もお客さんも見当たりません。
30分ほどお酒を飲んで、ではそろそろ・・・・・・・・・ という感じで師匠から軍資金( 各人に2万円ほど )をもらって、アシスタントたちは〇ープへお遊びに出かけます。
ただ、師匠はこのバー(?)が落ち着くらしく、〇ープへは行かずにウイスキーを飲み続けていました。
アシスタント全員、2時間ほどしたら同じこの店「 P 」に集合する段取りです。
ちなみに、2万円というのは当時の吉原では普通の料金でした。
格安クラスだと1万円ほどで、中級が2~3万円、高級店で4~6万円です。
私の様な安月給取( 手取り月給11~13万円 )では、格安クラスでしか遊べませんから2万円なら軍資金としては十分でした。

私は、アシスタントの一人と一緒に吉原ではまだ新しい方のお店へ出かけたのですが・・・・・・・・・・・そのお店の名前は忘れてしまいました。
「 オレンジ 」何とか・・・・・・・・ってな名前だったかと思いますが、付いた〇ープ嬢の事はよく覚えています。
ショートカットで目が大きく、年齢は私より3.4歳上で・・・・・・・・
40年も経っているのに、たった一回会っただけなのに・・・・・・・・ 何故、彼女の事を覚えているかというと・・・・・・・・・・
会ったその瞬間から、彼女の発する異様な雰囲気が強烈( 普通じゃない )だったからです!
「 お上がりなさいませ~~っ! 」
「 服、全部脱いじゃってね~~っ! 」
「 この店、初めてですかぁあああ~~っ? エヘヘッ! 」
‥‥何が可笑しいのかわからないが‥‥
「 今日は、とっても忙しかったんですよ~~ガッハハハ~~ッ! 」
やたらとテンションが高い・・・・・高過ぎる!
高音で、早口にまくしたてる・・・・・・・・完全に普通ではない・・・・・・・・これは、変な薬をやっているに違いない・・・・・・・・と。
でも、まぁ・・・・・・・・ それはそれとして‥‥‥‥ い~んですけどね・・・・・・・・・ ヤル事さえ、しっかりやっていただければ・・・・・・・・・・・
「 あたしが上になってもイイですか~~? ヨイセッ! 」
私の体に乗る時に、確かに言いました‥‥‥‥!
「ヨイセッ!」
土木工事の杭打ちのように‥‥‥‥
ドスン、ガスン、ドスンッ! ドスン、ガスン、ドスンッ!
「うああ~~~っ ううううう~~~~ ああああああああ‥‥」
工事中のあえぎ声‥‥‥‥
ドスン、ガスン、ド‥‥
ピュピュ~ッ
暑くもないのに汗をかき・・・・・・・ 突貫工事の一時を過ごして‥‥‥‥ 同じ店で遊んだアシスタントと一緒に外へ出る。
通りを戻り、待ち合わせのスナック「 P 」へ向かう途中、そのアシスタントが真剣な顔で話し始める・・・・・・・・
「 あの店、ボッタクリらしいですよ! 」
「 え? さっきの〇ープが? 」
「はぁ?」
「あの〇ープ、ボッタクリ店だったの~?」
「 違いますよ」
「 ‥‥え? 」
「 スナックPですよ、先生が待っているスナックですよ! 」
「 ええええッ!? 」
「 さっき、付いた〇ープ嬢が言ってたんですよ・・・・・あの店は悪質なボッタクリバーだって! 」
「 P 」へ戻る前に、しばらく店の外で待機、戻ってくる先輩たちと合流する・・・・・・・・・・
「 それは、ヤバいなぁ・・・・・・・・ 」
店の中には先生と先に戻った先輩アシスタントが何も知らずに飲んでいる・・・・・・・・・・
1時間前までの浮かれ気分が、一気に沈鬱なモードへ落ち込んでいく・・・・・・・・・・
「 ホントに、ヤバいぜ・・・・・・・・・・ 」
「 とにかく、早く先生を店から出さないと! 」
せっかく、楽しそうな先生の気分を台無しにしてしまう事を想うと・・・・・・・無性に腹が立つ!
「 いったい、いくら取られるんだか・・・・・・・・・・ 」
「 7人分だぜ・・・・・・・・ 」
「 いざとなれば、人数的にはこっちの方が多いんだし・・・・・・・・・ 」
「 あああ・・・・最悪! 」
私たちは「 P 」のドアを恐る恐る開ける・・・・・・・・・・
ギィィィィィ
《 2021年4月:ブログ公開 》
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