漫画家アシスタント物語 第8章 〈13〉 高齢男性客が、本性丸出し!
《写真上: お店のエントランス。右の下駄箱の上には小物が沢山、奥に入ると正面が施術室で、右奥が応接室になります。3LDKで、広さは十分です 》
< この8章〈13〉は、文庫本約9ページ分 >
「第8章」は、独立した「章」ですので、「第7章」の続きではありません。
「第8章〈1〉」(無料)より、お楽しみいただけます!
ただし‥‥
はじめての方は、「マガジン:第1章、第2章」(無料)がお薦めです!
さて‥‥ ここで‥‥‥‥
「漫画家アシスタント物語」を購読してくれた方を紹介させてください。
肉森さん ‥‥‥‥‥‥ ありがとうございました!
その25
《 漫画家アシスタントが・・・ド赤字経営にもがく! 》
お店の開店から4年目‥‥ 2008年の秋‥‥‥‥
「 サニヤ( ※参照 )が辞めないなら、私が辞めるから‥‥ 」
タウさん( ※参照 )は、押入れの整理ボックスから私物を取り出しながら、背中で私に訴えました‥‥
「 社長( ※参照 )、ホントに辞めるよ‥‥ いいのね‥‥ 」
ここで、私が‥‥ 彼女に取りすがって‥‥‥‥
「 や‥‥ 辞めないでくれっ! 」
とでも頼めば‥‥ 事態は違う方向へ向かったかもしれませんが‥‥‥‥ 私は沈黙で応える事しか出来ませんでした‥‥‥‥
『 辞めたいなら辞めるしかない‥‥ やっぱり、サニヤさんは悪くない』
‥‥などと‥‥‥‥私は、口にしないまま‥‥ ただ黙っていたのです‥‥
私は、この時には、ただタウさん一人が辞めるだけだと思っていました‥‥ しかし‥‥‥‥ 翌日には、タウさんと仲の良かった一人がお店に出勤して来ません‥‥‥‥
そして、それから、他のマッサージ師さん( サニヤさん以外 )の携帯電話にタウさんから電話がかかってきます‥‥‥‥
「 社長はサニヤだけが大事なんだ! 」
「 そんな所、辞めちゃいなよ! 」
「 もっと稼げる店があるよ! 」
こうしたトラブルはお店の士気を激減させます‥‥‥‥ サニヤさんともタウさんとも距離を置いていたマッサージ師さんの二人が、一週間ほどして出勤しなくなってしまいました‥‥‥‥
ところで‥‥ 辞めたマッサージ師さんたちが、何処へ行くのかというと‥‥‥‥
同じ池袋にある他のマッサージ店で仕事をしているのです。 私の店でマッサージ技術を磨いた若い人、そして、ママさん( ※参照 )から技術を伝授されたベテランまで‥‥ すっかり他のお店に持って行かれてしまいました‥‥
毎日、苦労して育てた優秀な人材まで他店に取られる事の損失は‥‥ まさに、致命的でした‥‥‥‥
まさか、一人の従業員の復讐によって、お店が潰されそうになろうとは‥‥‥‥ まったく、想像もしていませんでした‥‥‥‥。
これからが‥‥ 本当の「 商人根性 」を問われる土壇場‥‥‥‥ 私もママさんも、こうなった以上は、あくまでサニヤさんを中心にしてお店を盛り返してやると決意します‥‥‥‥
とは言っても‥‥ サニヤさん一人では、まったく経営にはなりません‥‥ タイマッサージの技術者など簡単に道でスカウトするわけにもいきませんし‥‥‥‥
急に雑誌や新聞に求人広告を出しても、求職者がやって来てくれるのは1ヶ月以上先になるわけです‥‥‥‥
お店の売り上げは、あっという間に5割減‥‥ 6割減へ‥‥‥‥ ド赤字経営へと滑落していきます‥‥‥‥
しかし、この急場をしのげたのは、池袋の隣、大塚でアジア食材の雑貨店を経営しているタイ人の奥さん( ※参照 )のお陰でした‥‥‥‥
この雑貨店の奥さんと私のお店のママさんが仲良しだったので、ママさんの危機を知った彼女が一肌脱いでくれるわけです‥‥‥‥
この奥さんには、一人息子( 日本の大学へ通うおネエ系イケメン )がいたのですが、タイ式マッサージの技術を持っていました。 その彼を、学校の合間を縫ってお店へ出る様に促してくれたのです。
サニヤさんが施術中の時には‥‥
「 お客様、今、セラピストが男性しかいないのですが‥‥ よろしいですか‥‥? 」
‥‥と、恐る々々尋ねますと‥‥‥‥ 可愛い女の子に施術されるのを楽しみにしているお客さんは‥‥
「 えっ? 男かよ‥‥ じゃ、いいや‥‥ 」
‥‥そう言ってサッサと帰ってしまいます‥‥‥‥ しかし‥‥‥‥
「 ああ、そう‥‥ いいですよ別に‥‥‥‥ 」
‥‥と、快くマッサージを受けて下さるお客さんも中にはおられて随分と助かりました‥‥。
一日に一人でも、こうしたおっ客さんがいてくれた事で‥‥ どうにか、お店が潰れずに済んだのでした‥‥‥‥
女性のマッサージ師さんが揃い、経営が元の状態に戻るのに3ヶ月かかりました‥‥‥‥
元は私のミスから始まった事ですが‥‥‥‥ 小さなヒビ割れが大きな崩壊をもたらす事もあるというお話でした。

その26
《 漫画家アシスタントが・・・タヌキを発見する! 》
水商売というものが、水( ビールや水割りなど )を売る稼業なのですが、「 ウソ 」も売っているのだという事は以前にも書かせていただきました。
つまり、働く女性たちの「 ウソ 」について書いてきたわけです。 そして、その「 ウソ 」に傷ついてしまう人( 多くは男性客 )もいるのです‥‥ 中には、「 女性不振 」に陥る人までいたりします。
今回は、男性‥‥ 男のお客さん( ※参照 )について書いてみたいと思います。 ‥‥結局‥‥ 男も女も‥‥‥‥ キツネとタヌキみたいなものなのです‥‥‥‥
そのお客さんは初老( 60歳前後、都知事風 )の大柄な方で、いかにも高そうなスーツを着ていました。 私が応接室でメニューを見せようとするとアゴを横に振る様にして「 メニューなんて知ってるよ 」といった態度を示しつつ‥‥
「 レック( 西欧系ハーフのタイ美人マッサージ師をご指名 )で‥‥」
「 はい 」
「 ローション3時間(18000円 ※参照 )‥‥ 」
「 はい、ありがとうございます 」
革の長財布からピン札の2万円を出してテーブルの上に投げる様に置きます。
大柄な体格のせいなのか‥‥ その声の低さのせいなのか‥‥ 人を威圧する様な、横柄で冷徹な印象を与えるお客さんでした。
どんな仕事をしている人かは分かりませんが‥‥ いつも人をアゴで使う事に慣れている‥‥ そんな職業が想像されます‥‥
私はお釣りを渡して個室へ案内します‥‥‥‥
「 お待たせいたしました‥‥ こちらのお部屋になります‥‥‥‥ 」
‥‥と、頭を下げても、このお客さんは逆にアゴを上げて、少しのけ反りながら最高裁判事様のご入廷といった感じで個室へ入って行きます‥‥‥‥
個室の広さは3畳間よりも少し小さめで、ちょっと薄暗く他の部屋とはパーテーション( つい立 )やカーテンで仕切られています。
その部屋の奥でマッサージ師のレックさん( 30歳位、南国風の美人 )がタイ風の礼( 合掌しながら少し頭を下げる )をしながら、このお客さんを迎えます。
人を緊張させるタイプのお客さんと狭い個室で3時間も一緒にいる事のストレスを想うと‥‥
『 マッサージ師さんたちも大変だなぁ‥‥ 疲れるだろうなぁ‥‥ 1分でも肩がこりそう‥‥ 』
などと思わずにはおれませんでした‥‥
しかし‥‥ 次の瞬間‥‥
さっきまで偉そうだった紳士が、レックさんの前で突然四つん這いになると‥‥‥‥
子猫の様な声で‥‥‥‥
「 んんん‥‥‥‥レックちゃ~~ん また、来まチたヨォ~~~ン! 」
レックさんの膝や太ももにしゃぶり付く姿は、まるで‥‥ ヘビのような‥‥ 子ネコのような‥‥ いや、オカマの巨ブタ!
私は、後ろ手にカーテンを閉めながら‥‥ タヌキが人間に化けていた事を知らされるのです‥‥‥‥
こうした例は決して珍しくはありません‥‥‥‥ ( ホント、結構多いのです )
特に60歳から70歳の初老の方に多い様です‥‥
「 エッチ 」だとか「 スケベ 」だとか‥‥ 私は若い人ほど元気で抑制心が弱くブレーキが効かないのではないかと思っていたのですが‥‥
実は‥‥‥‥ 老人の方が、はるかに「 スケベ 」で「 イヤラシイ 」のです。 逆に若い人( 20代、30代 )の方が礼儀正しくおとなしく施術を受ける傾向が顕著なのです。
70代の老人が「 おサワリさせろよ~ 」「 イクの見てくれよ~ 」「 ヌイてくれよ~ 」などとイチモツを大きくしておねだりする姿を想像すると‥‥
大日本帝国がアメリカに負けたのもうなずけます‥‥と、言うのは冗談ですが。
この「スケベ」さこそ、日本人の平均寿命を押し上げている生命力の源泉なのかもしれません‥‥‥‥と、言うのも冗談なのですが。
今回は、バカとスケベは、治らない‥‥と、いうお話でした。
「 漫画家アシスタント物語 第8章〈14〉」へつづく・・・・
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~~~ 参照 ・第8章〈13〉 ~~~ ( 読んでも、読まなくても!)
【その25】
・サニヤ : 仮名、26歳のアイドル風タイ人女性。私が経営したタイ式マッサージ店で指名№1の人気マッサージ師。
・タウさん : 仮名、32歳の姉ご肌のタイ人女性。お店では、指名№2の明るいマッサージ師。
・社長 : お店の代表で漫画家アシスタント。つまり、このブログの著者である私。
・奥さん : 池袋の小さなアジア雑貨の経営者。小柄で可愛い48歳のタイ人女性。旦那は影の薄い日本人だが、彼女は向田邦子に似た文人風美人
【その26】
・ローション3時間(18000円) : 一番人気のメニューはタイ古式2時間7900円で、その次は90分6900円コース。高いローションコースを求めるお客さんは、とても少なかったです。
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