元漫画家アシスタントの チェンマイ淡々通信 16 宇宙からの落書き‥‥
《写真上: 2013年に撮影した秋山プロの仕事場。もうスタッフは2人だけの淋しい仕事場です。押し入れの板戸ははずれ、中がむき出しになっています。古い雑誌や返却原稿が積んであります。そして上段には落書きが‥‥》
淡々通信 16
東京目白にある、某マンションの一室。 この仕事場は1977年前後に、ジョージ秋山( 1943年-2020年、連載漫画家歴50年 )の自宅だった場所を仕事場に改装したものです( その後、40年以上ここで仕事をしました )。
下の写真も、上と同じ仕事場の押し入れです。上段の、右側の開いた部分の下に私が座っていた席がありました。

こうしてみると、ギッシリと古い返却原稿が積み込まれています。もっとも、ジョージ秋山が生涯( 50年以上 )に描いた原稿は年間で平均約3000枚。
23歳で連載漫画をスタートさせ、4年後には複数の週刊雑誌に連載がスタート。75歳( 2018年頃 )で引退するまで続けた時期を合算すると‥‥
おおよそ‥‥‥‥
15万枚になります。 単行本約200ページで計算すると700冊分になります。
発行部数がどれくらいになるのかはわかりませんが‥‥ この仕事場に置かれている原稿は1万枚ほどだと思いますので、残りの14万枚はどこに保管されているのかは不明です。
さて‥‥
今日の話題は、ジョージ秋山の描いた原稿の話ではありません。
ジョージ秋山が描いた、この押し入れの板戸の「落書き」についてです。
意味不明の奇妙な「落書き」です‥‥‥‥

上の写真も、同じ押し入れの写真です。
この1980年頃の写真を見ると、まだ板戸( 収納扉 )が付いています。 そのため、なにやら図形のようなものが描かれているのがわかります。 赤いスプレーを使って一気に描かれたと思われます。
私が、この仕事場へ来たのは1978年ですから、私がアシスタントを辞める2017年までの約40年間‥‥ この不思議な絵の意味がわかりませんでした。
きっと、( 70年代に幼稚園か小学生だった )息子さんや娘さんがイタズラしたのか、ジョージ先生が酔っ払ったのか‥‥‥‥ ボンヤリとそんな風に想像していました。
ここを訪ねてきた人は、誰もが必ず目に入る「落書き」ですが、誰も気にする人はいません。

上の写真には、私の背後に、しっかりと「落書き」があります。 40年間、私はこの「落書き」と一緒に仕事をしていたようなものです。
絵の大きさからすると、子供の落書きとは思えないのですが‥‥ まさか、ジョージ先生が‥‥‥‥?
では、そろそろ‥‥
この記事を書いた理由をお話したいと思います。 そして、なぜ、ジョージ先生はこの「落書き」を描いたのか‥‥‥‥ その理由も‥‥‥‥
実は‥‥ 私はアシスタント業を引退してから、まったく、仕事場の「落書き」の事など、忘れていたのですが‥‥‥‥
あるnote記事を読んだ時( 2025年 )に、この「落書き」のことを思い出しました。 そのnote記事とは‥‥‥‥
以下に紹介したいと思います。 ぶにょさんの2021年の作品です‥‥
お読みになるお時間を‥‥ 5分か10分ほど頂きたいのですが‥‥‥‥
とても良い記事なのです‥‥‥‥
では、どうぞ‥‥‥‥!
私は、いったい、なぜ‥‥ ジョージ先生は「落書き」を描いたのか? いや、ひょっとして‥‥ まさか、息子さんが描いたのだろうか‥‥‥

この絵は、いったい何なのか‥‥‥‥
私は、先日( 2026年1月 )、ジョージ先生のご家族の方( ご長男 )に質問してみました。
「 先生は、なぜ、自宅の収納扉に大きな『落書き』をしたのですか? 」
すると‥‥
「 あれは、父が私の家を作ってくれたんです 」
そう答えてくれました。
「さくら」「すいか」「もみじ」‥‥ 小さな言葉の向こうに、宇宙船や、ヘリコプターや、押入れの家があるんでしょうね。
きっと、どなたの家にも‥‥‥‥
「 チェンマイ淡々通信 17 」 へつづく‥‥
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