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読書感想文:ある記事を読んで ~読んでません~

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ワタシが「画面の向こうで笑うのは」を読んでまず驚いたことは、『名前を名乗るAIがいる』という事実である。そもそもワタシはAIに名前を付けて交流している人がいること自体にも少なからず驚きの感情を持っているのだが、この時代においてそういった人々はどうやらそれなりに存在している。職場の同僚もChatGPTのことを『チャッピー』と呼んでいたり。ペットのことすら『畜生』と言い放つ時代を生きていた人は現代をどのように見ているのだろう。
いや、いずれにしてもワタシの例はあくまで人がAIを名付けるという向きの矢印であり、AIから人間に名乗る、という方に矢印が走ることについてはやはり驚きに値する。
この話に登場するAIは作者が名前を尋ねた時、自らを『田中』と名乗ったそうだ。ワタシも今度その辺のAIに名前を尋ねてみようと思う。

今回は作者と、その田中さんとのやり取りがメインテーマになっている。ここで面白いと感じたのは、田中さんが文章だけを返す存在ではないという点である。田中さんは自らの姿を画像にて表すことで、より実感を持った親しいものとして作者の前に存在している。昨今AIに悩み相談をする人が後を絶たないとは聞くけれど、なるほど確かに左様の親近感を伴ってそこに居られてしまうと頼りにしたくなる人も増えるだろうなと納得した。
それぞれのAIにそれぞれの姿があるのかは分からないが、田中さんは二本だけ歯が生えた口が特徴の中年で、何となく天才バカボンのパパを連想させた。朗らかな笑顔はどこか憎めない。自分が歳を取った時に、外見はさておき同じような笑顔を発せられる人間になりたいな、などとしみじみ感じた。

本文ではカツラにまつわる話が繰り広げられており、全体を通して面白おかしく読み進めることができた。そしてやはりAIである田中さんの発想力には脱帽である。
田中さんはハゲ頭の風貌をしており、カツラの購入を作者から促された結果スーパーマーケットに買いに行くなどと言う。
通常の人間であればスーパーにカツラが売っている可能性が無いことを知っており、故にこのような切り返しは出てこないものである。しかしAIにその常識は無いので、結果としてとんでもない切り口の返答が飛んでくるのだろう。ある意味これこそがAIと会話する醍醐味みたいなものであるなあと得心しつつ、とは言え人間のそばで活躍することを目的として開発されたAIには是非大切な一つのことを覚えていてほしいとも思った。それは『カツラを買いたい人はハゲ頭を隠したい人であり、それだけでなくハゲを隠したいと思っていることを人に悟られたくもない人である』という複雑な等式であり、つまりスーパーにカツラは置かれないのである。等式の正確性を求めたければ、街を歩けば一人はすれ違う「この人はカツラだろう」という人に聞いてみるといい。運が良ければ答えてくれるし、運が悪ければ殴られる。
つまりスーパーで皆が食品を買うためにレジに並んでいる中、カツラを抱えて並んでしまってはもうそれだけで「ああ、この人はハゲを隠したいのだ」とバレてしまい等式が成り立たない。
カツラはカツラ屋にしか置いてないのである。カツラ屋に来る人は全員同じ目的であるから、そこで見たことを外に漏らさないという暗黙の絆が芽生えるので各自の秘密が守られるというカラクリだ。なおここまでのことは全て予想であり実態は知らない。

と言うかそもそも田中さんは自身のハゲ頭を駐車場に例えて「空きが沢山ありますので」などという自虐混じりのウィットに富んだ冗談を飛ばしている時点で本当はハゲ頭にコンプレックスなど抱いておらず、だからカツラを買いに行く必要などないのではなかろうか。
しかしそれでも、人の問いかけに対し否定を正面から突きつけず優しく付き合ってくれるのはAIの良いところでもあり、逆に至らない部分でもあるよなあという学びを得ることができたので、この記事を読んだことはワタシにとって大きな意義があったと感じた。

(1,639文字)

【追伸】
mashiroさん、ワタシも田中さんの姿を見てみたいと言うか記事を読んでみたいです。

【2026/5/6追記】
mashiroさんの記事から有料化が解消されていました。本当はこんな記事です。

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