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「ハイキュー!!」はジャンプの中でもっとも“発達指向型組織(DDO)”に近いチームだった件|烏野高校に学ぶ、発達指向型組織(DDO)のリアル【マンガ×組織論 第3弾】

1. 「個人の成長」×「チームの勝利」を両立するチーム──それが烏野高校

突然ですが、「発達指向型組織(DDO)」って、聞いたことありますか?
意識高い界隈で出てくるカタカナ用語の代表みたいな響きしてますよね。 でも、めちゃくちゃざっくり言うと、こんな組織です。

「会社の業績」と「個人の成長」って、どっちかじゃなくて“両方”大事にしよう。
そのために、ただ「成長」するだけでなく、メンバー一人ひとりが“自己変容”し続けることを前提にした組織であることが必要

という思想を、マジの本気でやろうとしてる組織です。 口だけじゃなくて、日々の関係性や制度、文化にそれを“にじませてる”チーム。
そして、その発達指向型組織になるために必要な要素があります。

オーセンティックワークスさんより

で、そんな超ハードル高そうな組織、「実際にどっかにあるの?」って言われたら…
あるんですよね。宮城県立烏野高校バレー部に。
正直、最初は“ただの主人公補正”チームかと思ってたんですよ。

  • チビだけど跳べる日向と

  • センスはあるけど空気読めない影山

その2人が合体して最強速攻!──
あー、ジャンプの王道ね、って思われる方もいらっしゃるかも。でも、話が進めば進むほどわかってくるんです。

このチーム、個人の才能じゃなくて“育て合いの空気”で強くなってる。
特に日向の成長が象徴的。バレーIQゼロ、ポジショニング?何それ美味しいの?だった彼が、最終的にはセッター不在の場面で「自分が繋げる」判断ができるようになる。
これ、“業績のために人を使う”じゃなくて、“人が育つことで勝てるようになる”っていう、まさに発達指向型組織(DDO)的思想なんです。
しかも、烏野のいいところは「天才だけが育ってる」わけじゃないんです。

月島も、山口も、田中も、旭も、“いまの自分にできること”を見つけて、少しずつ強くなってるんです。
ハイキューって、強豪校に圧倒されてる“元落ちこぼれチーム”なんですよね。でも、その中でメンバーが一人一人育ち合いながら、全員が「チームの成長」に当事者として関わってる
それってもう、立派な発達指向型組織じゃないですか。

…と、いうことで。
次回は、そんな烏野がどれだけ“人としての器”を大きくしてるのかを深掘っていきます。


申し遅れました。ポテンシャライトの峯です!
「マンガ×組織論」で執筆することにハマりまして、今回は第3弾となります!(実はあと2本ストックがあるので早く公開したい…..!!)

前回まではスラムダンクで、「ティール組織」と「自己変容」について執筆していたので、ぜひご覧ください🫶



2. 「垂直的成長」が起きまくってる環境──それが烏野の真骨頂

成長には2種類あると思います。

  • 知識とかスキルが増える「水平的成長」

  • 人格とか視座が引き上がる「垂直的成長」。

前者は「レシーブがうまくなった」とか「ジャンプ力が上がった」とか、後者は「人として強くなった」ってイメージです。

で、ハイキューがえぐいのは“後者”のほう。たとえば、田中龍之介。
「俺がエースだ」って息巻いてた男が、実際には旭の背中を見ながら、吠えながら、“吠える以外の役割”を獲得していく。全国の"中二男子感"を抱えた読者にとって、彼の成長は結構すごいです。
だってあの男、最後の最後で「見てろよ全国!!」って叫んだくせに──
その直後、自分じゃなくて山口の一打を信じて見守ってるんですよ。自分が打たなくても勝てるって理解してる。これ、まさに“人格のレベルアップ”。垂直的成長ってこういうことです。

他にも山ほどあります。

  • 西谷の「レシーブ一本でチームを勝たせる覚悟」

  • 山口の「悔し涙からのサービスエース連発」

  • 月島の「本気にならないことで自分を守っていたのを手放した瞬間」

そして極めつけは、影山
かつての「王様」が、日向に合わせて“自分を変えられるようになったんですよ。
ここで発達指向型組織のポイントを挟ませてください。

弊社代表山根も組織論についてはたくさんアウトプットしているのですが、そのブログでも言ってました。

「垂直的成長は、“苦しみ・葛藤・失敗”を乗り越えたときにだけ起こる」

まさに、ハイキュー全巻が「その連続」なんですよね。
勝ちたいのに、負ける。自分が出たいのに、外される。後輩が先に結果を出す。才能が足りない。練習しても、試合で通じない。
でもそこで「もうちょっと頑張ってみる」を選び続けるんです、彼らは。
読んでるこっちが、「うわ、いまの自分には無理かも…」って思う場面でも、彼らは「次の一歩」に進んでいく。
それってつまり──“人間としての器”が育ってる証拠なんです。
ということで。次項では、“その器の育ち合い”を支えていた最大の仕掛けについて触れていきます。


3. 「弱さの開示」がチームを強くしていた──“怖くない”って最強なんです

発達指向型組織(DDO)の定義を読むと、ちょっと震えるような一文があるんです。

「全員が“弱さ”を隠さずにいられる組織」こそが、最強である。

正直、これができてる組織、ほぼ見たことないです。
会社だと、たいていこうです。

  • 「あの人、できないって言ったら評価下がるんじゃ…?」

  • 「苦手って言ったら責められそう…」

  • 「なんか“いい人”ぶってんなって思われそう」

みたいな“暗黙の空気”がある。だから、みんな“本音”を隠して安全圏プレイに逃げてしまう。
でも、烏野は違った。

日向が言うんです。
「間に合いませんでした、ごめんなさい!」

影山が言うんです。
「俺のトスが合ってなかった」

旭が言うんです。
「俺…怖いよ」

これ、みなさん部活で青春を過ごしていた時、そして今の会社で言えますか?
言った瞬間、「何言ってんだよ!」って誰かに怒鳴られて終わりです。
でも、烏野ではそれが“当たり前に許容されている”んです。
この「弱さの開示」って、発達指向型組織(DDO)的には超コア要素なんですよね。なぜなら、「弱さを見せても大丈夫」という前提があると、人は安心して学べるし、失敗から逃げなくなるから。

たとえば、山口。
途中出場でサービスミスして、ベンチに戻って泣くんですよ。普通なら、「もう出たくない」ってなるじゃないですか。でも彼は、次の試合で「俺、もう一回行きたいです」って言う。
“もう一回、失敗するかもしれない場に立ちたい”って、ものすごく勇気いりますよね。
それができるのは、「失敗しても、見捨てられない環境」があるから

あんな弱々しい顔つきから、覚悟を決めた顔つき、素晴らしいです。
ハイキュー!! 古舘春一)

発達指向型組織の条件はこうです。

「弱さをさらけ出せる」

烏野、コンプリートしてました。──ということで。
次はそんな“弱さの開示”の先にある、「対話」と「育ち合い」の文化について、もうちょっと深掘りしていきましょう。


4. 対話・フィードバック文化が“育ち”を生む──「言いにくいことを、言えるかどうか」

発達指向型組織(DDO)において、組織の成長を支える“見えない土台”があります。それが、「対話」と「フィードバック」です。「対話するなんて普通じゃない?」と感じる方、いらっしゃるかもしれません。だけど超重要です。
どんなに心理的安全性があっても、“育つための会話”がなければ成長は起きません。
そして、ハイキューがうまいのは、この“対話の積み重ね”が、どのキャラにもまんべんなく描かれているところなんですよね。

たとえば、影山。最初は完全に「王様プレー」の“指示型セッター”でした。自分のトスに合わせられないやつは切り捨てる。でも烏野に入って、日向と組まされて──「合わせることの大切さ」を“フィードバック”されまくるんです。

個人的激アツシーンは、かつての「王様」が「チーム」でプレーすることを本質的に理解した瞬間。
影山ぁぁぁぁ!!!と声にならない叫びを思った読者は多いはず。
ハイキュー!! 古舘春一)

  • 大地さんからの「もっと周りを見ろ」

  • 月島からの「王様って言われてたんだって?」

  • そして日向からの「俺に合わせて!」

これ、ただの説教じゃない。
「あなたはこう見えてるよ」と伝える行為=客体的なフィードバックです。
一方で、日向も日向で“受け取る力”がすごい。

トスに間に合わない自分を認めて、レシーブが下手なことも受け止めて、最終的には「セッターがいない試合でも動ける選手」に育つ。

これ、完全にフィードバックを“学習”に昇華できる人の成長ルートなんですよ。
さらに、武田先生と烏養コーチの存在も欠かせません。
この2人、ただの“先生とOB”じゃない。

「選手たちが自分で考えられるように」支えたり、「伝えるべきことを、伝えるべきタイミングで」渡したり。まさに発達指向型組織(DDO)で言う「ガイド」として、“育成にコミットする大人”なんです。
そしてもう一つ注目したいのが、後輩への対話文化。

月島が山口に本音をぶつけたり、田中や西谷が日向に喝を入れたり、旭が「お前ならやれるよ」と一言かけたり。年齢・立場関係なく、育て合っている。
この“関係性のフラットさ”と“フィードバックの流通量”、まさに「人が育つ環境」の条件を全部そろえてるわけです。
まとめると、こうなります。

「指摘しづらい空気を壊す」

烏野のバレーは、試合中よりも試合“外”で育ってた。
それが、発達指向型組織(DDO)的にも最高なんです。ということで、次回は最終項目前の山場。

「誰が場をつくるか?」──その答えに迫っていきます。


5. 組織の“進化”にコミットしてるのは全員──「あのチーム、全員が“場の責任者”なんですよ」

発達指向型組織(DDO)の本質は、「組織全体で人を育てる文化をつくること」ですが、もっと深い言い方をするなら──

「場の責任を、全員が分かち合っている」

これです。会社にいると、たまに聞きますよね。
「雰囲気が悪いのはマネージャーのせいだ」「チームの方向性がブレてるのはリーダーのリード不足」「自分が育たないのはフィードバックが少ないから」
そうなんですよ、言いたくなりますよね。ほんとにそういうときもある。

でも、烏野を見ていると、“誰かのせい”で空気ができてるんじゃないってことが、よくわかるんです。
烏野バレー部って、全員が「この場をどうするか」に当事者意識を持ってるんです。
たとえば…

  • 清水さん:チームに必要な人を「自分で探しに行く」

  • 山口:ベンチにいる間も「自分にできる応援・準備」を考え続けてる

  • 月島:あれだけクールなのに「皆の熱量」を見て自分も動き出す

  • 日向:セッターがいない試合で“自分が繋げる”という選択肢を取る

  • 武田先生:試合に出ないけど「チームがどう育つか」をいつも考えている

誰が主役、誰が脇役じゃない。全員が「今この場をよくする責任者」なんです。
これ、発達指向型組織(DDO)的に言うとこうなります。

「リーダーだけが“チームを動かす”のではなく、全員が“組織の進化に関わっている”状態」

たとえば会議中、「あの人が話しすぎてるな…」と思ったら、誰かがさりげなく仕切る。
後輩の落ち込みに気づいたら、先輩がそっと声をかける。
意見が割れたら、誰かが対話の場をつくる。

そういう“場づくりの分散”ができる組織が、本当に強い。
烏野高校は、バレーの強さ以上に、「場をつくる力」がとんでもなかったんです。
チームの成長は、戦術やスキルだけじゃない。
誰が“この場”を支えてるか。“この空気”をつくってるのは誰か。
その「目に見えない責任」を、全員が担っている。
──それが、発達指向型組織の本質であり、烏野の真骨頂です。
ということで、いよいよ次はまとめです。

  • 日向や影山はなぜあれほど伸びたのか?

  • 烏野はなぜ「ただの部活」を超えて、“発達指向型組織(DDO)”に近づけたのか?

ハイキューという作品全体を通して、その答えを拾いにいきます。


6. まとめ──「ハイキュー!!」はジャンプ随一の発達指向型組織(DDO)だった

ここまで、「発達指向型組織(DDO)」というフレームを使って、“烏野高校バレー部の“異常なまでの育ちっぷり”を見てきました。
改めて、その構造を整理してみると…

◆ 1. 「個人の成長」×「チームの勝利」が両立していた
→ 主人公が“活躍するため”じゃなく、“育つため”にチームが機能していた

◆ 2. 「垂直的成長」が日常的に起きていた
→ 技術よりも“人間としての器”が広がっていた(田中・月島・影山…みんな)

◆ 3. 「弱さの開示」が日常に溶け込んでいた
→ できないこと、怖い気持ちを、ちゃんと“言える”空気があった

◆ 4. 「対話とフィードバック」で育ち合っていた
→ 指導者だけじゃない。選手同士が“お互いの成長”に関わっていた

◆ 5. 「場づくり」に全員が関与していた
→ 誰かが空気を作るんじゃなくて、“全員でつくっていた”チームだった

…これが発達指向型組織(DDO)じゃなかったら何が発達指向型組織(DDO)なんだというくらい、烏野高校は“人が育つ組織”の理想型だったわけです。

じゃあなぜ、そんなチームができたのか?
もちろん物語だから、ってのもある。でも私たちがハイキューから学べるのは、

「“人を育てること”と“チームで勝つこと”は、両立できる」
「そのためには、“場を育てる人”が必要だ」

という、とても地に足のついた事実です。

日向や影山がすごいんじゃない。“彼らが育つチーム”がすごい。
誰かが背中を押してくれた。誰かが隣で支えてくれた。誰かが「変わっていいんだ」と見せてくれた。
だから、あれほど「人が変われる瞬間」が詰まった物語になったんです。
そしてこの学びは、何もスポーツや青春に限らない。

  • チームの雰囲気がちょっと硬いな…と思ったとき

  • メンバーの成長が停滞しているな…と感じたとき

  • 誰かの弱さに対して、“静かにスルー”してしまいそうなとき

──とはいえ。(笑)
ここまで読んで、「いやいや、うちのチームが烏野みたいになれるわけないでしょ」と思った方もいるかもしれません。たしかに、「育ち合い」「弱さの開示」「フィードバックが飛び交う文化」って、理想論に聞こえるかもしれません。

だって、現実の組織には、こんな“壁”があるからです。

  • 評価を気にして本音が言えない

  • 指摘が「否定された」と受け取られやすい

  • フィードバックの時間すらつくれない

  • 「育てる」より「成果出せ」が優先される空気

それでも、私は思います。
いきなり“烏野化”を目指さなくていい。
むしろ、まずは“キッカケをつくる人”がいるだけで、十分だと。

たとえば、こんな小さなアクションから始めてみてはどうでしょう?

  • 会議のあとに「今日、私ちょっと独りよがりだったかも」と言ってみる

  • 同僚に「最近の私、どう見えている?」とフィードバックをもらってみる

  • 若手に「私、ここの部分教えるの実は苦手なんだ」と苦手を開示してみる

最初はぎこちなくても、「対話の火種」は、確実に場を変えていきます。
“組織の成熟度”って、制度でもノウハウでもなく、こういう“空気の温度”で決まるのかもしれません。

──だからこそ、こう言いたいのです。

「烏野だったら、どうするだろう?」
そんな問いを、自分に投げかけてみる。それだけで、きっとチームの温度がちょっと変わるはずです。

ということで最後に、声を大にして言いたい。
“人が育つ組織”をつくりたいなら、まずはハイキュー!!を読んでください。
だってそこには、すでに全部、描かれているんですから。


7. さいごに──

今回のnoteは、「発達指向型組織(DDO)」という少し抽象度の高いテーマを、漫画「ハイキュー!!」を通して自分なりに咀嚼してみたものです。
少しでも、

  • 「うちのチーム、もっと育ち合いたいな」とか

  • 「人の変化を支える関わり、やってみようかな」とか

そんなことを思ってもらえたら、
烏野高校のみんなも、日向たちも、たぶん飛び跳ねて喜んでくれると思います。
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました!


直近、ポテンシャライトでは採用に関する支援だけでなく、人事組織制度支援や、組織開発支援など、多岐にわたる支援をさせていただいております。
その支援に関してもnoteでたくさんアウトプットしている(山根が執筆しているnoteはもっともっと本格的)ので、ご興味ある方は必須で読んでみてください❤️‍🔥

著者:
HRパートナー 峯 菜穂
2022年12月より株式会社ポテンシャライトでHRパートナーとして採用戦略〜オペレーション業務など、幅広く採用支援を経験。特に、ビジネス / エンジニア問わずスカウト採用に強みを持ち、求職者さまごとにカスタマイズした1to1文章の作成を得意とする。


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