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医師の悩みは「既出問題」である。なぜ我々は「ビジネス書」を読まないのか?

こんにちは、限界博士課程のもりたです!
最近Xの投稿が少し自己啓発寄りになって思想が強いと思っている方もいるかもしれません笑

年始の新しいことを始めたい人や、習慣化したい人も多いと多いので、こういった投稿を増やしています。年明けの習慣化noteはこちら↓



医局のあなたの机を見渡してみてください。

『内科学』『最新ガイドライン』『〇〇手術の手技』……。

専門書や論文のコピーは山のように積まれていますが、そこに「ビジネス書」が置かれていることは、まずありません。

多くの医師にとって、ビジネス書は異物です。

「医者がビジネスなんて金儲け主義だ」
「エビデンスのない個人の感想文を読む暇なんてない」

かつての僕もそうでした。医学の知識さえあれば、臨床医として一流になれると信じていました。

しかし、不思議なことに、医学知識が豊富なはずの医師たちが、現場で頭を抱えています。


これらは、医学書をどれだけめくっても答えは載っていません。なぜなら、これらは「医学」の問題ではなく、「仕事(ビジネス)」の問題だからです。

今日は、なぜ我々医師がビジネス書を食わず嫌いしてしまうのか、その構造的な原因と、あえて今読むべき「一冊」について書きたいと思います。

なぜ医師はビジネススキルを軽視するのか?

医師がビジネス書を読まない最大の理由は、「意識が低いから」ではありません。医師というキャリア特有の「構造」に原因があります。

一般企業に就職する友人を想像してください。大学でフランス文学を学んでいた彼がメーカーに就職すれば、翌日から「文学」を封印し、ゼロから「営業」や「会計」を学ばなければ生き残れません。
そこには、大学と社会の間に明確な「スキルの断絶」があります。だから彼らは必死にビジネス書を読み、仕事のやり方をインプットします。


一方、我々医師はどうでしょうか。
大学やポリクリで学んだ「診断学」や「治療法」は、国家試験を通り、研修医になってもそのまま「メインウェポン」として使えます。学生時代と社会人の間に、なだらかな「グラデーション(連続性)」が存在するのです。


ここに罠があります。

「医学の知識を使えている」という事実が、社会人として本来求められる「仕事の進め方」「チームでの振る舞い方」といったビジネススキルの欠如をマスク(隠蔽)してしまうのです。


医学的には正解を導き出せる。だから自分は仕事ができていると錯覚する。
それなのに、なぜか仕事が回らない、チームがギスギスする、時間が足りない……。

その原因は、医学知識不足ではありません。グラデーションの中に隠れていた「ビジネススキル」という必修科目を、履修し忘れているからなのです。

「高解像度の攻略本」が溢れる時代だからこそ

少し昔話をさせてください。
僕らが研修医になりたての頃は、いわゆる「あんちょこ本(当直のTipsや、働き方のマニュアル)」なんてほとんど存在しませんでした。

「そんなものを読む暇があったら、医学書を読め。基礎を叩き込め」

上級医からはそう言われ、ひたすら「知識の総量」で勝負するしかなかった時代です。

しかし、今はどうでしょうか。
医療系書店の棚を見れば、「当直を乗り切る〇〇のコツ」「レジデントのための生存戦略」といった類の本が山のように増え続けています。

これは、ビジネス書のトレンドと全く同じ現象が起きています。
現在の出版業界のトレンドは、「いかに『今』困っている人の悩みにピントを合わせられるか」です。

「Zoom会議で緊張しない方法」「上司へのメールの返し方」
のように、悩みの「解像度」を極限まで高めた、いわば「人生の攻略本」が求められているのです。

結局、言ってることは全部一緒

もちろん、こうした「高解像度な攻略本」は役に立ちます。特定の悩みには即効性があるでしょう。

しかし、ある程度ビジネス書を読み漁ったことがある先生なら、きっと「あるある」と頷いてくれるはずです。
何冊も読んでいると、ふと気づく瞬間があります。

「あれ? 表紙とタイトルは違うけど、結局言ってることは『あの本』と一緒じゃないか?」

その通りなんです。

世にあるビジネス書の9割は、本質的には同じことを言っています。
違うのは「見せ方」と「説明の順番」、そして著者の「具体例」だけ。根底にあるメッセージは驚くほど共通しています。

だからこそ、僕は言いたい。
何十冊も多読する必要はありません。小手先のテクニック本を買い漁る必要もありません。

まずはすべてを網羅した「原点(古典)」を一冊だけ、ボロボロになるまで読めばいいのです。

あなたの悩みは、すでに「既出問題」である

私が皆さんに強く勧めたい「一冊」は、デール・カーネギーの『道は開ける』です。


僕のnoteで何回も出てきていてしつこい様ですが何度でも出します笑

80年近く前に書かれた本ですが、ここには現代の医師が抱える「不安」の正体と、その処理方法がすべて書いてあります。

「悩みは書き出せ」
「今日、一日の区切りで生きる」
「批判を気にしない」

読んでみると、「なんだ、自分の悩みなんて、80年前の人も同じように悩んでいたのか」と拍子抜けするはずです。

そう、あなたの悩みは「新種」ではありません。人類の歴史の中で何百万回も繰り返され、すでに偉人たちが答えを出している「既出問題」なのです。

自分でゼロから答えを探して悩み続けるのは、答えのある試験問題を、自力ですべて解明しようとして時間を浪費しているようなものです。

悩みの答えは、すでに用意されています。

最後に:まずは一冊、本質に触れる

「忙しくて本を読む時間なんてない」

そう思う先生こそ、騙されたと思って一冊、ベストセラーのビジネス書を手に取ってみてください。

それは金儲けのための本ではありません。
激務の中で自分を見失わず、患者さんのために長く走り続けるための「メンタルの防具」であり「仕事の武器」です。

医学書で病気を治す方法を学ぶように、ビジネス書で「医師としての生き方」を学ぶ。
その両輪が揃ったとき、あなたの臨床能力は真の意味で完成するはずです。

食わず嫌いは一度やめてビジネス書を一冊読んでみるのはいかがでしょうか?

最後まで読んでいただきありがとうございました!
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