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⑤ 宝石の品質はどう見ればいいのか ― 「きれい」はどのようにできているのか ―


宝石の条件の中で、  
「魅力」という要素が出てきました。

一般的に宝石の品質は、  
その宝石の「きれいさ」に大きく関わってきます。

では、その「きれいさ」は、  
どのように見ていけばよいのでしょうか。


宝石の品質の基準


宝石の品質と聞くと、  
ダイヤモンドの4C
(カット、カラット、クラリティ、カラー)を  
思い浮かべる方も多いかもしれません。

私自身も、  
宝石学を学ぶ前はそのように考えていました。

4Cは、  
ダイヤモンドの美しさを評価するために  
ひとつの整理された基準です。

ここでは、  
そうした基準の背景にある「見え方」に
注目しながら、  

数字だけでは捉えきれない、  
品質について考えてみたいと思います。

ここでは分かりやすく、  
いくつかの要素に分けて考えてみます。


① 色


ここでは、ダイヤモンド以外の  
色を持つ宝石について考えてみます。

ルビー、サファイア、エメラルドと聞いたとき、  
どのような色を思い浮かべるでしょうか。

赤、青、緑。  
それぞれ特徴的な色があると思います。

その「思い浮かべる色」、  
つまり理想的とされる色にどれだけ近いか。

それによって、
品質の良し悪しが判断されることがあります。

また、産地や特別な色によって、  
特別な呼び名がつけられることもあります。

例えば、

ルビーの「ピジョンブラッド」  
サファイアの「ロイヤルブルー」

こうした色は希少性とも関わり、  
価値が高いとされることもあります。

ただし、色による品質の判断は  
簡単ではないとされています。

例えば、

・統一された基準がないこと  
・光の条件によって見え方が変わること  
・産地の特定など専門的な要素が関わること  

こうした理由から、  
色はとても重要でありながら、  
判断の難しい要素でもあります。


② 透明度


宝石でいう「透明度」という言葉には、  
複数の意味合いが含まれています。

それぞれの意味合いについて書いていきます。



光をどのように通すのか


透き通って見えるかどうか、  
という見え方に関わります。

これは宝石によって元々の状態が異なります。

透明に見えるものもあれば、
やや光を通すもの
ほとんど光を通さないものもあります。

こうした違いは
透明、半透明、不透明といった言葉で
表されることもあります。

私たちが一般的にイメージしやすい
ジュエリーにセットされている素材は
透明〜半透明素材が多いです。
ダイヤモンド、ルビー、サファイヤ、
エメラルドなどです。

ここでは分かりやすく、  
ダイヤモンドを例に考えてみます。  

こうした光の見え方が分かりやすい一例として
取り上げています。

表面ではピカッとした光沢が見られ、  
内部では光が反射しながら、
キラキラとした輝きを生み出します。

こうした輝きは、  
ブリリアンス(白く強く輝く光)や
ファイア(虹色に分かれて見える光)
と呼ばれることもあり、  

さらに石を動かしたときに見られる  
瞬くような輝きは、  
シンチレーションと呼ばれることもあります。

こうした光の見え方は、  
別の透明度も関係してきます。



石の内部がどれだけきれいか


石の内部がどれだけきれいか、  
その状態を表します。
クラリティと呼ばれることもあります。

内部が整っているほど、  
光はよりきれいに通り、  
その輝きも感じやすくなります。

一方でカラーストーンでは、  
こうした輝きの見え方とは少し異なる形で、  

光の反射によって  
色の濃淡やわずかな違いが重なり合い
、  

見る角度によって  
さまざまな表情を見せることもあります。


③ カット方法


宝石の「きれいさ」は、  
石そのものだけで決まるわけではありません。

どのようなカットが選ばれているかによって、  
その宝石の魅力の引き出され方や、  
品質の見え方も変わってきます。

宝石のカットは、  
色や透明度、内包物の状態、  
そして光の現れ方などを考慮して選ばれています。


本来は、
原石からどれだけ重量を残すか
といった要素も関わってきますが、  
ここでは見え方に関わる部分に絞って
考えてみます。

一般的なカットを大きく分けると、  
「ファセットカット」と
「カボションカット」があります。


ファセットカット


透明〜半透明素材によく使われます。

面(ファセット)がつけられたカットで、  
光の反射を活かし、  
表面ではピカッとした光沢が見られ、  
内部では光が反射しながら、
キラキラとした輝きを生み出します。

カラーストーンでは、  
その光の反射によって、  
1色だけでなく、  
濃淡やわずかな色の違いが重なり合い、  

見る角度によって  
さまざまな表情を見せることもあります。


カボションカット


半透明〜不透明素材によく使われます。

丸みを帯びた滑らかな形のカットです。

このカットでは、  
内部での反射による変化よりも、  
表面に見える色そのものや、  
石が持つ質感を、  
やわらかく見せることが特徴です。

そのため、  
角度を変えても色の印象が大きく変わりにくく、  
ひとつの色の魅力を  
落ち着いて感じることができます。

また、
表面に星が見られる「スター」や
猫目のように見られる「キャッツアイ」は
このカットによって見ることができます。



このように、  
どのカットが選ばれているかによって、  
宝石の見え方、
それぞれのカットが引き出す魅力は
大きく変わります。


品質を考える


品質を考えるとき、  
それは単に「きれいかどうか」というだけでなく、

もともとの原石が持っている要素と、  
そこからどのように魅力を引き出しているのか
、  

その両方に関わるものだと考えることができます。

また、  
品質にはいくつかの見方があり、  

ある基準と比べることで
「高い・低い」といった評価が
生まれることがあります。


ただ、  
その基準から少し外れたところに、  
一般的な見方とは異なる魅力が、  
見えてくることもあります。



ただ、こうした見え方は、  
もともとの性質だけで決まるわけではありません。

人の手によって、  
その美しさが引き出されている場合もあります。

次回は、  
宝石の「処理」について考えてみます。


※本記事の内容は、引用の範囲でご利用いただけます。
詳細については、以下の記事をご参照ください。

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