混雑のあと、揺れの中で取り戻した時間|茨城の梅と海を見る日帰り旅(2026年2月)#6
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選ばなかった湖畔という余白|茨城の梅と海を見る日帰り旅(2026年2月)#5|げじげじくん|旅好きのアラフィフ
🚊帰り客の波に混ざる
13時半ごろの偕楽園駅。
ホームは、行きよりも人が多いように見えました。
観梅を終えた人たちが、一斉に帰路につく時間。
列車が入ってくると、乗客の流れが一方向にまとまります。
混雑は、もう覚悟の上でした。
押し合うほどではないけれど、余裕もない。
立ったまま、水戸駅までの数分をやり過ごします。
午前中からの疲れが、ようやく輪郭を持ち始めました。
頭の奥と、目のまわりが重い。
🚊ほぼ満席の車内で
水戸駅で乗り換えた列車も、思ったより混んでいました。
地元の高校生たちが乗り込んできます。
部活動帰りなのか、制服のまま。
笑い声と、鞄の音。
ほぼ満席のボックスシート。
座れないかもしれない、と思ったそのとき。
ひとりの高校生が、少し詰めてくれました。
もうひとりも、それに続きます。
「どうぞ」
その一言に、妻と目を合わせました。
ほんの少しの隙間。
そこに座れたことが、予想以上にありがたい。
🚊揺れに身を任せる

座席に身体を預けると、
緊張がほどけるのが分かりました。
列車が動き出す。
規則的な揺れ。
窓の外は、少し曇り始めています。
晴れていた空が、薄くグレーを帯びていく。
海へ向かう時間は、ちゃんと確保できている。
それだけで、焦りがありません。
移動時間は、ただの消耗だと思っていました。
でも、この揺れは違う。
何も決めなくていい時間。
景色が流れていくだけの時間。
目を閉じると、頭の奥の疲れが静かに沈んでいきます。
ほんの数分、眠っていたかもしれません。
🚊「間」の時間
目的地に着くことが旅だと思っていました。
けれど、そのあいだの時間も、確かに旅でした。
通勤や通学で日常的に使われる普通列車。
特別な車両ではない。
それでも、その日の私たちにとっては、
回復のための車内でした。
時間に追われる感覚と、
時間を取り戻す感覚。
同じ列車の中で、その両方を味わっています。
海は、まだ見えていません。
けれど、海へ向かっているという事実が、静かな安心をつくっていました。
窓の外の景色が少しずつ変わっていきます。
この先の駅名は、あえて書きません。
写真だけが残るかもしれません。
その駅名を、読む人が想像できるように。
列車は、淡々と進んでいました。

(つづく)
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海が見える駅で、40分立ち尽くす|茨城の梅と海を見る日帰り旅(2026年2月)#7|げじげじくん|旅好きのアラフィフ
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