選ばなかった湖畔という余白|茨城の梅と海を見る日帰り旅(2026年2月)#5
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観梅の帰り道、賑わいの隣にあった静けさ|茨城の梅と海を見る日帰り旅(2026年2月)#4|げじげじくん🎈

📝湖を前に、足が止まる
常盤神社を出て、線路の向こうに見えていた湖へ向かいました。
千波湖。
さっきまでの境内の静けさとはまた違う、広がりのある静けさがありました。
曇り空の下、水面は少し暗い色をしている。光が跳ねないぶん、落ち着いて見えます。
人はそれなりにいるけれど、偕楽園ほどではない。
声は遠く、風の音のほうが近い。
湖を前にして、ふと考えました。
このまま湖畔を歩いて、水戸駅まで行けるかもしれない。
地図の上では、歩けそうな距離です。

📝歩けそう、という誘惑
広い景色を見ると、歩きたくなる。
そのまま流れに乗って、どこかまで行ける気がしてくる。
でも、体の奥に少しだけ疲れがありました。
午前中からの人混み、立ち止まり、焦り。
時間も、無限ではありません。
このあとは「海が見える駅」へ向かう予定でした。
「どうする?」
妻と並んで立ち止まります。
私は、湖畔を歩く自分を一瞬想像しました。
静かな水面の横を、ゆっくりと進む午後。
悪くない。
むしろ、かなり魅力的です。
📝原点を思い出す
「海が見たいんだよね」
妻がぽつりと言いました。
そうだった。
今回の旅の出発点は、そこでした。
湖もきれい。
でも、今日は海を見るための日。
小さな未練が胸の中に残ります。
歩けたかもしれない道。
けれど、その未練は重くありませんでした。
選び直す余地がある、という感覚に近い。
私たちは少し話し合って、
湖畔を歩く案をやめることにしました。
偕楽園駅へ戻ります。
📝選ばなかった道
振り返ると、湖は変わらず静かでした。
歩けば気持ちよかっただろう道が、そこにあります。
でも、不思議と後悔はありません。
旅は、選択の連続です。
時間も体力も、限りがある。
夫婦で歩いていると、
どちらの願いを優先するかという場面が、自然に生まれます。
自分の小さな欲を取るか。
旅の原点を取るか。
今回は、原点を選びました。
歩かなかった道は、失敗ではなく、
ただの余白として残ります。
もしあのとき湖畔を歩いていたら。
そんな想像を少しだけ残したまま、駅へ向かいました。
旅は、正解探しではないのかもしれません。
選ばなかった景色も、ちゃんと旅の一部です。

水戸光圀像



(つづく)
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混雑のあと、揺れの中で取り戻した時間|茨城の梅と海を見る日帰り旅(2026年2月)#6|げじげじくん|旅好きのアラフィフ
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