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海が見える駅で、40分立ち尽くす|茨城の梅と海を見る日帰り旅(2026年2月)#7

日立駅に降り立ったのは、14時を少し回ったころでした。

<前回の記事はこちら👇>
混雑のあと、揺れの中で取り戻した時間|茨城の梅と海を見る日帰り旅(2026年2月)#6|げじげじくん|旅好きのアラフィフ

改札を抜けて、顔を上げた瞬間。
そこに、海がありました。

思っていたより、ずっと近い。
ガラス越しに広がる青が、視界いっぱいに入ってきます。

写真を撮ろうとポケットに手を入れかけて、やめました。
まずは、そのまま立ち止まります。

妻が言いました。
「こんなに海に近かったっけ」

たしかに。
駅と海のあいだに、余計なものがほとんどない。

ただ、高台から、太平洋が穏やかに広がっている。


🚉立ち尽くす時間


晴天でした。
雲は少なく、波も荒れていない。

ドラマのような迫力はないけれど、
その穏やかさがちょうどいい。

ここが、今日の目的地。
そう思った瞬間、胸の奥が静かになります。

到着した瞬間よりも、
そのあと何もせず立っている時間のほうが、濃い。

写真はあとでいい。
まずは、目で見る。

音も、風も、光も、
そのまま身体に入ってくる。


🚉40分という余白


次の普通列車まで、約40分。

数字だけ見れば、長い待ち時間です。
でも、この駅では、そう感じませんでした。

ベンチに座り、また立ち、また海を見る。
言葉は少ない。

ときどき目が合い、
うなずく。

無に近い時間でした。

何かを考えているわけでもなく、
かといって何も感じていないわけでもない。

ただ、そこにいる。

旅のクライマックスは、
歓声や記念写真ではなく、
こういう時間なのかもしれません。


🚉帰りの列車

やがて、列車がホームに入ってきます。

海から視線を外す瞬間、
ほんの少しだけ寂しさがありました。

「もう少し、ここにいたい」

声には出さないけれど、
同じことを思っていた気がします。

列車が動き出すと、海はゆっくりと遠ざかっていきました。

満たされた気持ちと、終わりに近づく感覚。
その両方が、静かに並んでいます。

旅は、続いてほしいと思ったところで終わる。
だから、また来たくなる。

窓の外の青を目に焼き付けながら、
しばらく何も話さずにいました。

写真は、あとで見返せます。
でも、あの40分の「無」は、
たぶんその場にしかありません。

(つづく)

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