日本海側を北上する夕方|北海道・東日本パスで宗谷岬を目指す旅#02(2025年12月)
<前回の旅行記はこちら>
雪のない国境を越えていく|北海道・東日本パスで宗谷岬を目指す旅#01|げじげじくん

エンジンが唸るたびに、足の裏から熱が伝わってきました。
椅子に座っているだけなのに、身体の芯が少しずつ温まっていくような感覚があります。
村上駅を出た列車は、驚くほど空いていました。
上越線から一緒だったらしき人の姿が、数組だけ残っています。
それぞれが、同じ方向を向いたまま、特に言葉を交わすこともありません。
🚊荒れた海を横目に
車窓の向こうには、日本海がありました。
波は高く、白く砕けていて、穏やかさとは少し距離がある表情です。冬の厳しさを、そのまま持ち越したようにも見えました。


子どもは、この区間に入ってから、ずっと窓の外を見ています。
村上から酒田まで、日本海が見える時間が好きらしく、声をかけても、ほとんど振り返りません。
途中の駅で、地元の人がホームを走ってきて、そのまま列車に飛び乗りました。
この列車を逃せば、次は2時間後。そんな事情が、説明されなくても伝わってきます。

途中、約20分停車した鶴岡駅で、車両から出てみます。
だんだん寒さが厳しくなってきて、手袋が欲しくなるのが分かります。


列車は、淡々と北へ進みます。
ディーゼルエンジンの揺れが、一定のリズムで続いていました。

🚊日没という境目


酒田駅で乗り換えてからも、車内は静かなままでした。
ただ、外の様子が、少しずつ変わっていきます。
空は暗くなり、日本海はもう見えません。
この先、窓の外を眺めても、何も映らないだろうと分かる暗さでした。
駅に停まっても、周囲が真っ暗で、どちら側にホームがあるのか分からないことがあります。
降りる人も、乗る人も、影のように動いていました。

羽後本荘駅から人が増え、新屋駅を過ぎるころには、席がほぼ埋まります。
立っている人も出てきましたが、車窓は相変わらず、何も見えません。
だから、自然と、車内の様子を見てしまいます。
どんな人が、どこまで行くのか。考えても答えは出ませんが、暗さの中では、それしかすることがありませんでした。
🚊夜の駅で
秋田駅に着くと、すっかり夜でした。
ホームに降りた瞬間、空気が一段階冷たくなったように感じます。


駅構内で、再びスマホを充電し、夕食をとります。
今日1日で、ずいぶん長い距離を動いたはずなのに、まだ「途中」という感覚が残っていました。
この先も、旅は続きます。
ただ今は、夜の駅の明かりの下で、列車の音が遠ざかるのを聞いていました。
(つづく)
<次の記事はこちら👇>
真っ暗な車窓と、走行音だけの時間|北海道・東日本パスで宗谷岬を目指す旅#03(2025年12月)|げじげじくん🎈
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