愛媛ひとり旅②〜坂の上の雲ミュージアム〜 外国人観光客と遭遇する
松山に行くなら坂の上の雲ミュージアムを訪れよう。そう思った。
坂の上の雲は司馬遼太郎が10年の歳月をかけて書きあげた大作。日露戦争と明治時代を生きた若者の青春群像を描いた歴史小説。
しかし、私は坂の上の雲が好きなわけではない。司馬遼太郎を読んだことすらない。歴史が苦手で頭に入らないタチなのだ。
ただーー安藤忠雄氏が建てたミュージアムを見たい。建物を見に行きたいのだ。
しかし建物を見に行くとは言え、坂の上の雲を全く知らないのではつまらない。きっとミュージアムで展示を目にすれば「ああ、坂の上の雲を読んでおけばよかった」と後悔するに違いない。
かと言って出発までに6巻もの本を読む時間はない。NHKでドラマ化されていたことを知り、ドラマを見る事にした。2月、3月とNHKオンデマンドに月990円を払い、1話90分 全13話のドラマを10日かけて見た。
☁️☁️☁️☁️☁️☁️☁️☁️☁️
大街道駅で下車し、数分歩くと右手に三角形に楕円がくっついたガラス張りの建物が見えた。

坂の上の雲は松山出身の3人の若者(正岡子規、秋山好古、秋山真之)を中心に描かれている。その3人の関係を表しているのだろうか。
建物に沿ったスロープを上りミュージアムのエントランスに入る。



垂直ではなく右斜めに
傾斜がつけられている
三角形の建物の外周がスロープになっていて、そのスロープを上りながら展示を鑑賞する作りになっていた。
スロープをゆっくり上っていると、台湾人と思しき観光客の団体がやってきた。彼らはそもそも坂の上の雲を知っているのだろうか。展示物はすべて日本語で殆どが書簡や文書だ。きっと見てもよく分からないだろう。
意味もよく分からない展示物を見て回って、彼らは楽しいのだろうか、そう思いながらみていた。
彼らと遭遇しないように足早に進んだり、過ぎ去るのを立ち止まって待ちながら写真を撮る。行きつ戻りつしながらミュージアムを巡る。
ミュージアムの目玉となる空中階段が現れた。


宙に浮いていて支えとなる柱がない
階段が空中に浮いている。2階のフロアと3階のフロアに階段はくっついているが、その間に支えとなる柱は一本もない。壁から梁が出ているわけでもない。
どういう構造計算なのか私には全くわからないが、空中でコンクリート打ちっぱなしの階段を作るなんて、型枠を組むのは大変だっただろうな、きっと職人さんは泣いていたのではないだろうか。
階段の正面、スロープを上り切ったところにはガラス張りの窓。空と雲が見える。
坂の上の雲。
よく晴れて気持ちのいい空が広がり、この後行く予定の萬翠荘が見えていた。


萬翠荘
建物を存分に写真におさめ、満足した私はミュージアムを後にした。
同じ敷地内にある萬翠荘へ続く坂道をゆっくりと登りながら、何ひとつ覚えている展示物が無いことに気がついた。チラッと目にしたものの、興味を覚えず、建物の構造やデザイン、写真を撮ることに夢中になっていた。
ドラマを見るために私が払った1,980円と費やした19時間半は一体だったのだろう。
台湾からと思しき観光客と私も同じではないか。展示物には目もくれず、ただ建物を見ただけで終わった。
この旅の関連記事
