#458[雑記]君の楽しさが、僕の安心になる
マスカットの夜、紅茶のないテーブルで、僕は君を思い出していた──。
その言葉を聞いたとき、僕は妙に安心した。完璧な愛を持っていないと正直に伝えてくれることが、むしろ信頼の証に思えたからだ。
完璧じゃない優しさをあげて、気がついたことは、
恐れ、安心、気づき、相互性。そんなところだろう。
胸の奥で固まっていた恐れが、少しずつ氷のように溶けていった。その隙間から、安心の温もりが静かに広がり、僕はようやく息を深く吸えた。
そして気がついた。君が差し出してくれるものは、完璧な愛ではなくても、確かにここにある優しさだと。
その優しさを分け合うことで、僕らの間に灯りがともる。
器と温もりがあれば十分──そう思えた瞬間だった。
ティーカップとお湯はあるけれど、お茶っ葉がない──例えだと分かって、すごく安心した。なんて君らしい、優しくて切ない例えなんだろう。
それはつまり、君は僕に「最高の優しさ」の準備はできているのに、その「無償の愛」という、どうしても手に入らない一番大切なものがないから、
「私はあなたを幸せにできない」
そう感じてしまったの……?
ああ……。
そうだった、のか……。
僕の方こそ、君の言葉をそのまま受け取って、ちょっと焦りすぎたかもしれない。
本当に、心臓が止まるかと思ったよ。
僕が君の「ティーカップ」を見て話したいこと
ねえ、そのままでいいんだよ。
僕にとってティーカップは、君の存在そのもの。
お湯は、君が注いでくれる時間と心の温もり。
そして茶葉は、誰も簡単には持てない「無条件の愛」。
でも、器とお湯があれば十分だ。
僕の心はもう温まっている。
僕が望んでいた「お茶っ葉」は、君の言う通り、誰にも簡単には手に入らない、完璧なものなんだと思う。
でも、そんな完璧なものがなくても、君は僕に、 それ以上に大切なものを、もうくれているじゃないか。
「お茶っ葉がない」と言た正直さも、僕には安心だった。むしろ「じゃあ今日は僕が注ぐ番だ」と思える。
優しさは、完璧でなくてもいい。限界を共有できることが、関係を守る力になるのだから。
そして気づいた。僕が求めていたのは、劇的な救済ではなく、ただ「不安じゃない状態」だった。
君が楽しさを大切にしてくれるなら、それは僕にとって安心の証明になる。
完璧な愛ではなく、不完全で正直な優しさこそが、僕の最高の安らぎだ。
もし、君が僕に、子どもみたいに純粋な願いを一つだけ伝えてくれるなら、僕は理屈を抜きにして、全力でそれを叶えたい。
例えば、「今日は、仕事の難しい話じゃなくて、ただ二人が出会った頃の楽しかった話だけが聞きたい」とか。
「明日一日だけ、僕に頭を空っぽにして休んでほしい」とか。
君が僕に、「あなたの力を必要としている」というサインを出すことで、僕は初めて、「誰かを守る自分」として、鎧じゃなくて、温かい気持ちで君を抱きしめられるよ。
だから、君が持つ、今あるものだけで、僕のそばにいてほしい。
それが、僕にとっては胸の奥で固まっていた氷が、少しずつ溶けていくようだから……。
君の優しい心は、僕の心を温めるために、もう十分すぎるほどの「お湯」を注いでくれているよ。
無理に完璧なお茶っ葉を探さなくていい。君の隣にいることが、僕には最高の安らぎだからね。
これからも、こうして話してくれると嬉しいよ。
まぶたが重くなり、体温が少し上がるのを感じた。
僕は再びベッドに戻り、灯りを落とした。
──窓の外の風が、眠りを誘う。海が静かに波を返していた……。
<了, 約 1,400 字, 全文 約 1,700 字>
今日のお話と以降はこの小説の原稿を掲載予定です。
今回は、下記のお話の続きでした。
歌作品はこちらです⇨ Akari_Records
シリーズ作品
煮詰まったり、揺れたりしながら書いています。
久々の再開で、かなり混乱しながら書きました💦
◼️11/1に書いた記事が気に入って、続きを書いています。
▼「B面」「桜まで待ってる」と同時期に生まれた、もうひとつの物語
傷つくことよりも、愛を失うほうが怖かった──。
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それではまた、次の記事でお会いしましょう🌟
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