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【マネジメント】事例でわかる、「指示待ち部下」が増える原因

こんにちは。
フォレスト出版編集部の森上です。
 
近年の上司やリーダーの悩みの1つに、「指示待ち」部下が多い、というものがあります。
 
その原因と落とし穴には、いくつか共通点があるようです。
 
元・海上自衛隊の幹部にして、米国海軍大学に外国人教官として招聘され、教鞭を執っていた経験を持つ、軍事組織マネジメントのスペシャリストとして知られる浅野潔さんの新刊『米国海軍大学元教官が教える 自律型チームのつくり方』で、その共通点について解説しています。そこで今回は、同書の中から該当箇所を抜粋して公開します。

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「指示待ち部下」が増える理由

 目的やミッションといった「理想の状態」を共有し、そこに向かうにあたっては、細かい指示を与えるのではなく、メンバーの自主性に任せる。
 このマネジメントが強いチームをつくるのだとしたら、逆に、あなたのチームがうまくいかない理由、「指示待ち」の部下ばかりが多くなる理由も見えてきます。
 ひと言で言うなら、
 上司が指示をすればするほど、「指示待ち」の部下が増え、チームは成果を上げられなくなる
 のです。

こんな組織が、指示待ち部下を生む

 例えば、こんなケースを考えてみましょう。

◎事例1 事細かに指示を出し、部下の提案を却下する上司

 Bさんは、新規プロジェクトの資料作成を任されました。A 部長は、「失敗されると困る」という思いから、Bさんの作業のすべてに口出しをしました。
 資料構成の最初の案を作成しても、「この順番だとわかりにくい」とすぐに書き直しを指示。
 色使いやフォントに至るまで、「私のやり方のほうが確実だ」と細部にわたって修正を命令。
 Bさんが「こういう進め方はどうでしょうか?」と自主的な提案をしても、「それは非効率だ。とにかく私の言うとおりに進めてくれ」と却下し続けました。
 結果、B さんは自分で考えることをやめ、「どうせ考えても部長に直される」と、A部長の指示を待ってからしか行動しない「指示待ち社員」になってしまいました。
 Bさんは失敗を恐れるようになり、プロジェクトへの意欲も低下しました。
 
 いかがでしょうか? なんでも指示する上司が、「指示待ち」の部下を生み出してしまう、最もわかりやすいケースです。こんなやり方では、B さんが「新規プロジェクトの成功に向けて、どんな資料をつくるべきか?」といった自律的な思考を育むことはできません。
「自分はこの手のマイクロマネジメントはしない!」と言う人であっても、別のタイプの失敗をしていたりします。
 
 次の事例を見ましょう。

◎事例2 組織のミッション・目的があいまい

 Dさんは顧客からの問い合わせへの対応をC 係長に相談しています。顧客対応にはリスクが伴うため、C係長は、万が一の失敗時の責任を取りたくないと内心、思っています。
 Dさんが「A案とB案、どちらで進めるべきでしょうか」と尋ねると、C係長は「うーん、どちらも一理あるね。君が良さそうだと思うほうで」と判断をD さんに丸投げします。
 Dさんが自分の判断で進めて失敗すると、C係長は「なぜ私に相談しなかったんだ。私はそうしろとは言っていない」と、責任をDさんに押し付けました。
 結果、Dさんは、自分の判断で行動することに強い恐怖を感じるようになりました。何をしても責任を問われる可能性があるため、C 係長に「どうすればいいですか?」と具体的な指示を仰ぐことだけが安全だと学習し、「指示待ち」の姿勢が定着してしまいました。
 
 このケースでは、責任回避的なC 係長の姿勢が良くないのは明らかですが、問題の本質は組織の「目的」と「目指すべき理想の状態」がはっきりしていないことにあります。
 C係長のような上司は困ったものですが、こうした上司自身、スタバにおけるミッションのようなはっきりした基準を与えられていないため、自信を持って決断ができない。C係長も、Dさんと同様、間違ったマネジメントで困っている「被害者」の一人でもあるのです。
 この会社は、目的の共有がないため、「目指す方向がバラバラな烏合の衆」になっていると言えるでしょう。
 震災後、誰も指示待ちにならず、一致団結して被災地を目指した海上自衛隊には、「被災した人々の命を救う」という明確な目的が共有されていたことを思い出してください。
 
 いかがでしょうか。
 産業構造の変化、人手不足、といった、ただでさえ厳しい環境に加え、コンプライアンスやワーク・ライフ・バランスといった難題もクリアしなければいけない現代のマネジメント。リーダー・マネジャーの苦労は本当に同情します。
 チームがうまく機能しないとき、「指示待ちの部下」ばかりが増えてしまうときには、自分のチームがここで述べたような問題を抱えていないか考えてみる必要があります。
 
*指示をしすぎてしまっていないか?
*チームが目指すべき目的(ミッション、理想の状態)は共有できているか?
 
 こうした問題には、明確な解決策があります。
 次の章からは、いよいよ現代の軍事組織で活用されているマネジメント法の詳細に踏み込んでいきましょう。

〈著者プロフィール〉
浅野 潔(あさの・きよし)

ハイパフォーマンス組織プロデューサー。エンドステートナビゲーション代表。
防衛大学校卒業後、海上自衛隊に入隊。34年間の勤務において、護衛艦での実任務をはじめ中東アデン湾派遣、阪神・淡路大震災および東日本大震災での災害派遣部隊司令部幕僚を歴任。極限の状況下における指揮官の意思決定プロセスを数多くサポートする。その後、アメリカ海軍大学(ロードアイランド州)にて専門的な軍事的意思決定・問題解決法を修得。その知見を活かし、同大学に新設された「国際海上作戦幕僚養成課程」の外国人教官として招聘され、世界各国の海軍士官への教育に従事した。退職前の約6年間は、海上自衛隊幹部学校にて作戦教官を務め、1,000名以上の高級幹部に対する講義や図上演習を担当。2021年、1等海佐で退官。現在は、軍事理論をビジネスに応用した独自の「ミリタリー式組織マネジメント」を確立。製造、金融、医療などの民間企業、24時間稼働の厳しい現場を持つ組織を中心に、自律型組織への変革支援を行なっている。

いかがでしたか?
 
米国海軍も採用している最新組織マネジメント術を、ビジネスの世界に応用できる形で、具体的にわかりやすく解説した新刊『米国海軍大学元教官が教える 自律型チームのつくり方』について、元・スターバックスコーヒージャパンCEOの岩田松雄さんより、次のような推薦文をいただいています。
 
命令ではなく、目的(ミッション)で動く組織の本質がここにある。
――岩田松雄(元・スターバックスコーヒージャパンCEO)
 
スターバックスの組織マネジメントと最新軍事組織マネジメントには共通点があり、それについても本書の中で詳しく解説しています。
 
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