【意外】「スターバックス」と「最新軍事組織」、マネジメントの共通点
こんにちは。
フォレスト出版編集部の森上です。
スターバックスというと、働いている人たちが、マニュアルに縛られることなく、自ら考え、動いて、皆さんいきいきとお客様に接客し、お店全体の雰囲気をつくり出している――。
そんなイメージがあるのではないでしょうか。
いわゆる「自律型チーム」です。
元・海上自衛隊の幹部にして、米国海軍大学に外国人教官として招聘され、教鞭を執っていた経験を持つ、軍事組織マネジメントのスペシャリストとして知られる浅野潔さんは、スターバックスコーヒージャパン元CEOの岩田松雄さんに、マネジメント術において現代の軍事組織と共通点があるとお伝えしたところ、岩田さんも「そのとおり」と共感されたと言います。
スターバックスと現代の軍事組織のマネジメントの共通点とは、具体的にどんなものなのか?
4月9日に刊行される浅野さんの新刊『米国海軍大学元教官が教える 自律型チームのつくり方』で、その共通点について解説しています。そこで今回は、同書発売に先立ち、同書の中から該当箇所を抜粋して公開します。

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スタバの「いい雰囲気」の正体
突然ですが、あなたはスターバックスコーヒーを利用したことはありますか?
スタバの店内に入るとまず最初に感じるのは、なんとなく「いい感じ」「いい雰囲気」ではないでしょうか。
その雰囲気を生み出しているのは、そこで働いている店員さんたちであることに気づきます。よくあるファスト・フードのチェーン店のように、単にマニュアル的に快活に対応している、という感じではありません。
むしろその逆。スタバ特有の多彩なカスタマイズについて、親切に説明してくれたり、おすすめを教えてくれたり。時にはラテの入った紙コップに「お疲れ様です」と手書きでメッセージを添えてくれたり。なにより、お店をオペレーションし、お客さんをもてなす一挙一動を、まるで舞台上の演者のように、生き生きと楽しんでいる。
マニュアルに従った勤務でなく、自発的に、楽しんで働いている店員さんがスタバには多い、 という印象は、多くの人にうなずいていただけるのではないでしょうか。
離職率が圧倒的に低く、やりがいを生む秘密
実際、スターバックスコーヒーの従業員は離職率が低いことで知られています。
通常、外食産業では5割近い離職率が、スタバではひと桁台の前半。採用倍率も高い人気の職場です。一般に人手不足・高離職率で悩んでいる外食産業の中では、驚異的と言ってもいいでしょう。
そんなスターバックスのマネジメントには、実は現代の進化した軍事組織のマネジメントとの意外な共通点がある、と言ったら、驚かれるでしょうか?
スターバックスのマネジメントの特長は、いわゆるマニュアル教育を行なっていないこと。その代わり、重視しているのが「ミッション教育」です。
「この一杯から広がる、心かよわせる瞬間、それぞれのコミュニティとともに─―人と人とのつながりが生みだす無限の可能性を信じ、育みます」
このミッションを実現するために、自分はどう行動すべきか。言い換えると、チームとして理想の状態を実現するために、個人はどうすればいいのか。
「それを皆さん一人ひとりが考えて行動してください」という教育法を徹底して行なっているのです。
その結果が、多くの顧客に選ばれる魅力につながっている。 それだけでなく、働く人たちもやりがいを感じている――。
それも当然ですね。「やれ」と言われたことをやって褒められるのもうれしいことでしょう。けれども、自分で「どうしたらお客様に喜んでもらえるか」と考え、行動した結果を評価される、そのときの充実感は桁違いです。
それが働きがいを生み、低い離職率と高い採用倍率、そして優秀な人材の採用・定着につながっているというわけです。
スタバの人材育成と現代の軍事組織マネジメントの共通点
ここまで読み進めて、疑問を感じた方もいるでしょう。
「スターバックスの人材育成、活用の秘密はわかった。でもそれが、軍事組織のマネジメントとどう関係するの?」
実は、軍事組織――それも、私が本書で紹介しようとしている現代的な軍事組織のマネジメントと、スターバックスのマネジメントは、本質的な部分で共通しているのです。
これについては、以前にスターバックスコーヒージャパンの元CEOである岩田松雄さんとお会いしてお話をうかがう機会がありました。
私が考える、現代の軍事組織とスターバックスの共通点についての話をすると、岩田さんから、「そのとおり」と共感のコメントをいただきました。
カフェと軍事組織、一見遠く離れているように見える両者の共通点とは何でしょうか?
スターバックスの「ミッション」から出発するマネジメントについて知ったとき、私がすぐに想起したのは、アメリカ海軍大学で学んだこと。その中でも、最も基本にある考え方でした。
「It is all about objective!」
すべては目的次第。目的がまずあって、そこに至るために何をすべきかを考え、実行していくという意味です。
「世界一優しい接客」と「世界一厳しい組織」が、実は同じ「ミッション教育」という根幹でつながっているのです。
アメリカ海軍大学では、あらゆるコースで、この目的志向の考え方を最初に徹底的に教えられます。私自身が講師として教きょう鞭べんを執ったときにも、この基本原理は大切にしていました。
したがって、私のチーム運営についての考え方も、目的志向が基本にあります。
〈著者プロフィール〉
浅野 潔(あさの・きよし)
ハイパフォーマンス組織プロデューサー。エンドステートナビゲーション代表。
防衛大学校卒業後、海上自衛隊に入隊。34年間の勤務において、護衛艦での実任務をはじめ中東アデン湾派遣、阪神・淡路大震災および東日本大震災での災害派遣部隊司令部幕僚を歴任。極限の状況下における指揮官の意思決定プロセスを数多くサポートする。その後、アメリカ海軍大学(ロードアイランド州)にて専門的な軍事的意思決定・問題解決法を修得。その知見を活かし、同大学に新設された「国際海上作戦幕僚養成課程」の外国人教官として招聘され、世界各国の海軍士官への教育に従事した。退職前の約6年間は、海上自衛隊幹部学校にて作戦教官を務め、1,000名以上の高級幹部に対する講義や図上演習を担当。2021年、1等海佐で退官。現在は、軍事理論をビジネスに応用した独自の「ミリタリー式組織マネジメント」を確立。製造、金融、医療などの民間企業、24時間稼働の厳しい現場を持つ組織を中心に、自律型組織への変革支援を行なっている。
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いかがでしたか?
米国海軍も採用している最新組織マネジメント術を、ビジネスの世界に応用できる形で、具体的にわかりやすく解説した新刊『米国海軍大学元教官が教える 自律型チームのつくり方』について、元・スターバックスコーヒージャパンCEOの岩田松雄さんより、次のような推薦文をいただいています。
命令ではなく、目的(ミッション)で動く組織の本質がここにある。
――岩田松雄(元・スターバックスコーヒージャパンCEO)
スターバックスの組織マネジメントと最新軍事組織マネジメントには共通点があり、それについても本書の中で詳しく解説しています。
新刊『米国海軍大学元教官が教える 自律型チームのつくり方』は、4月9日からネット書店および全国書店で順次発売されます。興味のある方はチェックしてみてください。


▼新刊『米国海軍大学元教官が教える 自律型チームのつくり方』の「はじめに」「目次」を全文公開中
