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【経営】良いコストカット、悪いコストカット

こんにちは。
フォレスト出版編集部の森上です。
 
近年の原材料の値上がりの影響もあり、販売価格への価格転嫁が求められるなか、同時に求められるのが「コストカット」でしょう。「コストカット」とひと言で言っても、さまざまな視点や考え方があると思います。
 
上場企業を含む複数の会社を経営し、実際に10年以上にわたって自分のビジネスで億単位の年収を稼ぎ続けている実業家として知られる新井亨さんは、同じコストカットでも、「良いコストカット」「悪いコストカット」が存在すると言います。
 
今回は、新井さんの新刊『年収1億円戦略』の中で、良いコストカット、悪いコストカットについて詳しく解説している該当箇所を一部編集して公開します。

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間違いだらけの「コストカット」に対する考え方

 多くの経営者や個人事業主が「コストカット」と聞くと、「経費を削る」「取引先に値引きを迫る」「人件費を減らす」 というマイナスのイメージを思い浮かべます。
 しかし、これは間違いです。
 それは悪いコストカットであり、結果的に組織の信頼と成長力を奪ってしまうやり方です。
 本来の「コスト」とは、人が動くときに発生する費用のことです。つまり、コスト削減とは単なる「節約」ではなく、人の動きの最適化を意味します。

良いコストカット、悪いコストカットの違い

 まず、良いコストカットと悪いコストカットの違いを明確にしましょう。
 悪いコストカットとは、短期的に必要な人材や品質を削ることです。
 人件費を減らしても、残った社員の負担が増え、生産性が下がります。
 安易な値引き交渉は、取引先との関係悪化を招き、結果的にコストが上がります。
 これでは、数字上は経費が減っても、一番大事な信頼を失ってしまいます。
 一方、良いコストカットとは、利益を生まない行動を見つけて削ることです。
 たとえば、スタッフが1日に何時間、どんな業務に時間を使っているのかを可視化し、利益に直結しない作業をやめる、もしくは自動化・外注化するのです。
 それが、本来あるべきコスト削減の形です。
 ここで重要なのは、人の1時間あたりのコストを意識することです。
 経営者や幹部の時給が1万円だとしたら、その人が苦手な経理や事務作業に数時間使うのは、明らかに非効率です。
 それよりも、その時間を営業や企画、戦略に使ったほうが利益を生み出せます。人間は、得意なことをしているときに最も生産性を発揮します。
 逆に、不得意な業務に時間を使うと、ストレスもミスも増え、結果的にコストが膨らみます。
 だからこそ、苦手な業務は外注化・アウトソーシングを検討すべきです。
 たとえば、スタッフが1日3時間(180分)かけていた作業を、DX(デジタルトランスフォーメーション)やRPA(自動化システム)を導入して10分で終わらせられるとしたらどうでしょう?
 削減できる時間は1日あたり170分です。
 これが22営業日あれば、月に3500分=約58時間の削減になります。
 この58時間を営業や顧客対応に充てれば、売上は増え、利益率も上がり、社員のモチベーションまで上がります。
 これこそが、最高のコストカット=利益を生む削減です。

『年収1億円戦略』p.153より抜粋

 作業を仕組み化・自動化することで、「誰がやっても同じ結果を出せる」状態がつくれます。
 これにより、ビジネスの再現性が高まり、経営の安定性も強化されます。
 コストカットの本質とは、物や人を削ることではなく、人と時間の使い方を最適化し、会社全体(ビジネス)を利益体質へと変えることなのです。
 すべてのスタッフが、1時間ごとに利益を生み出してくれる状態になれば、安定した黒字会社となり、成長を続けることができます。

コストカットで浮いた時間・お金をどう使う?

 ここからが最も重要なポイントです。
 浮いた時間やお金をどう使うか?
 コスト削減で利益が生まれても、それを浪費に使えば意味がありません。
 1億円稼ぐ人たちは、ここで迷わず「再投資」を選びます。
 再投資とは、稼いだお金をさらに利益を生む仕組みに回すことで、人材教育、広告投資、システム開発、そして新規事業への挑戦がそれにあたります。
 短期的な贅沢ではなく、長期的な「収益力」を育てるために使うのです。
 コストを最適化し、利益を残し、その利益を再びビジネスに循環させる。
 この利益サイクルを回している企業こそ、景気に左右されず成長し続けます。
 なぜなら、「無駄を削り、再投資で攻める」という両輪が揃っているからです。

まとめ

①削るべきは人や品質ではなく、利益を生まない行動であり、コストとは時間と動きの最適化のことである。
②本当に価値を生む仕事に時間を振り分け、苦手な業務は外注・自動化し、利益体質に変えていく。
③無駄な動きが減ることで売上が増え、組織も人も再現性と安定性を手に入れる。
④コスト削減で生まれた利益は、教育・広告・仕組み・新規領域へ回すことで未来の収益に変わる。
⑤「無駄な作業を止める力」と「成長に投資する力」の両方を持つ人だけが、不況でも伸び続ける。

〈著者プロフィール〉
新井 亨(あらい・とおる)

サブスクD2C総研株式会社代表取締役。ARAIインベストメント代表、株式会社Telemarketing One代表取締役。株式会社RAVIPA代表取締役社長。英国ウェールズ大MBA卒業。年商1000億の企業のサポートも行なうサブスク業界の第一人者。中国・北京へ留学し、現地で富裕層向け美容室事業、貿易事業、不動産事業など複数事業を成功へ導く。2024年には東京証券取引所へ新規上場を果たす。サブスク事業やSaas事業のクライアントのマネタイズ実績は累計1000億円以上。本書共著者の鄭剣豪氏と日本AIロボット株式会社を創業し、日本一のサブスクを決めるサブスク大賞2024にて「AIロボットのサブスク」が特別賞を受賞。医療法人理事に就任し、「新宿クリニック」「新宿消化器内科クリニック」「表参道総合クリニック」「クロト薬局」の経営もしている。国内外の華僑ビジネスにも深く精通しており、「華僑経営オンラインスクール」の塾長もしている。
 
鄭 剣豪(てい・けんごう)
中国人実業家。剣豪集団株式会社会長。一般社団法人日本中国商会(JCCC)会長。日本寧波商会会長。中国寧波市生まれ。神戸大学法学修士。北京大学光華管理学院EMBA。アジア貿易、投資ファンド運営、企業M&A、工業団地開発、文化交流事業、不動産開発管理など多岐に事業を行ない、寧波、香港、北京、東京、大阪、北九州など各地に法人を運営。2014年、に神戸にあるP&Gジャパンの30階建ての本社ビルを買収したことは日本でも大きな話題となった。経営者として活躍するほか、20年間以上日中友好交流活動に力を入れ、両国のマスコミを通じ、日中友好論者として積極的に活動を展開している。

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