【バイブコーディング】Freque Step Sequencer 開発記【MIDIシーケンサー】
そもそものきっかけはKORG volca drumだった。
キックの音圧が強烈、という情報を得て、その前身と言えるドラムマシンER-1も大好きだったゆえに興味を持ち、手に入れてみたわけだ。
実際にいじってみると、それだけじゃないポテンシャルに魅了された。
このマシンの潜在的可能性すなわちポテンシャルは、本体をいじっているだけでは足らぬ、MIDIで制御してこそマルチティンバードラムシンセとしての本性を現すだろうし、音色のEDITも全てCCだけで整然と行えるのだから、音色管理含めて外部管理が良いだろう、と。
ちょうどその少し前からいわゆるバイブコーディング、AIコーディング、Claudeで自作アプリが制作出来ることに気付いていた僕は、このアイディアを即座に形にする為にvolca drum専用シーケンサーアプリの制作に着手したのだった。
だから最初、このシーケンサーの機能はvolca drumの機能を踏襲するかたちでつけていった。アクティブステップ、スライス、ウェーブガイド(エフェクト)センドボタン、等。
そしてそれはそれなりに時間はかかったが、完成した。volca drum専用シーケンサーアプリとして。それは我ながら満足の行くできばえだった。
そんなさなか、volca sample初代に有志の作ったカスタムOSがある情報を得た。
そしてこれこそ、このvolca drum専用シーケンサーのフォーマットを使って、このvolca sample初代というそれほど使い出も無く人々に忘れ去られたチープなガジェットを、あたかも90s初頭のサンプリングワークステーションたらしめる外部MIDI制御が出来る、と思った。なんせ、10パート個別でクロマチックピッチMIDI音階制御が出来るし、和音(!)も奏でられるのだから。
そしてまた、しゃにむに走った。

こちらも時間はかかったが、完成した。満足の行くできばえだった。
さてそうなると、当然思いつくことは、もはやvolcaシリーズを全制覇したシーケンサーアプリにしよう、と。
volca drumとvolca sampleが出来てる以上、その他のvolca bassやらkickやらkeysなんてただCCエディタつければ良いくらいなんだから、楽勝だろう、と。
まあその楽勝という発想自体に決して誤りはなかったのだが、進めているさなかで色んな事を思いついて、どんどんプロダクトはデカくなり、更に多くの時間を費やすことにもなっていった。
たとえばvolca beatsにStutterという機能があることを知った。
これはつまり、MIDIディレイである。なるほど、これは良いと思った。

MIDIでディレイする、ゆえにドラムマシンにディレイが無くてもディレイできる。しかもパート毎
シーケンス部分に関しては、Circuit Tracksのマイクロタイミングやら、Lo-fi12のレイドバックという機能やらのことを思いだした。これはつまりノートの発音タイミングをステップとステップの間の細かい分割で鳴らす機能だ。これがあれば微妙なズレによるグルーブも表現できる様になる。

またこれは完全に自分のアイディアだが、MIDIサイドチェインというのも思いついた。たとえばキックならキックのトラックを指定し、そのキックが発音されるタイミングで、サイドチェイングループ化されたトラックの、指定したCC番号のパラメーターの数値を下げる。これがあればMIDIダッキングができるわけだ。

(1)はかけられる側、その右はどこにかけるかのCCパラメーター
また音階の入力を適当に行いたい、という理由で、スケール指定音階絞り機能は自然と思いつき、それでも入力すら面倒くさいという事で、スケール内ランダマイズ機能も自然に思いついた。

スケールを指定しないオール12音階ランダマイズも可能
あとvolca keysやらFMやらポリフォニックのマシンに関しては、ステップシーケンスでありながら和音を簡単に入力したいという事で、音階ステップバーの下にコードステップバーを追加することを思いついた。これでコードネームを指定し、3和音にしぼった3音をプログラムし、簡単に和音を鳴らせる様にした。

またコード指定したもの以外の和音も鳴らせる様に、(発音タイミングは動かせない)音階指定だけのピアノロールウインドウも思いついた。
またvolcaFM2は6和音なので、「POLY4」なる4和音自動入力のトラックもつくった。こちらのピアノロールウインドウは自動で入力される4和音に加え、6和音までピアノロールで指定できる。

このウインドウで自由に追加入力も可能。
またNTS-1に関しては実機の機能として自分でカスタムオシレータを追加できるし、その追加数によってオシレータータイプ選択における送信CCの値が変わるっていうんで、エディタをエディットするエディタも作った。つまりエディタのエディタで自分の今入れているカスタムオシレーターを入力する事で、エディタで正しくオシレーター切り替えを出来る様にした。

ここの数によって右側のCCナンバーが変わる

またクリップに関しては、クリップチェイン機能を思いついたのが大きな収穫だった。clip1を7回繰り返し、その後clip2を1回再生し、またclip1に戻る、とか。これはAbleton Liveの新しいものにはあるらしいが、そこからのアイディアではなく、自分で思いついた機能だった。

Clip1を7回の後Clip2へ、Clip2を1回の後Clip3へ、Clip3を4回の後Clip1へ、という具合に組める
それと、MIDI SYNCもつけた。他のドラムマシンをマスターにしてスレーブになることも、こちらがマスターになることもできる。

外部のMIDIデバイスと同期演奏をする
そんな風にしゃにむに走って、必要なもの、思いついたもの、全て入れた。

そんなこんなの遮二無二走りで、自分の今までの経験からの「こんなこといいな、できたらいいな」が全て詰まっている。もはやMIDIに関してはこの自作シーケンサー以外を使う気がまったく起きない。そもそもこれを使って遊べるという事だけで十分に満足している。
だからもしこのシーケンサーがいくらかの人に使ってもらう事になった日には、このシーケンサーでVSTiを使いたい、とかそういう要望も出ることであろう。でもこのシーケンサーには自分ではVSTi機能は追加しない。
それはやはり自分はMIDIというアナクロな技術と、ハードウェアの組み合わせというものにMIDIロマンを抱いているからだと思う。
自分が本当に考えているMIDI利用は、例えばドラムスティックを持ったロボットの手をMIDIで動作させ実際にドラムをたたくだとか、アレをMIDI制御して音楽と一緒にアレを動かしてキックの4つ打ちリズムで〇〇する(自主規制)だとかw、そういうところまでに及んでいるのです。
そして販売戦略も抜かりなく考えに考え抜いた。
まず元となるシーケンサーアプリ自体は無料で配布する。
各volcaシリーズのシーケンスもエディタもこの無料MIDIで動かすことはできるが、エディタはセーブ&ロードが出来ず、またクリップ数が1トラックに1つまでの制限がかかっている。


また[All MIDI DRUMMACHINE]というトラックは、世の中のあらゆるMIDIドラムマシンに使える汎用トラックであり、このトラックだけは、1トラックにつきクリップを3つまでは使える様にしてある。
そしてトラック追加の制限はなく、ソングデータのセーブ&ロードもできるので、ミニマルテクノ野郎なんかはこの無料版だけで十分かもしれない。
ただ、やはりシンセを使うとなれば、[All MIDI MONOsynth]というモノトラックも、[All MIDI POLYsynth]という和音トラックも、クリップが一つでは色々と不便なシチュエイションも多いかもしれない。しかしやはりミニマルテクノ野郎はあえてその制限の中で、トラック追加でミュートボタンで工夫してやるのも面白いかもしれない。
とは言え、POLYsynthのクリップ制限解放はわずか2ドル(MONOsynthに至っては僅か1ドルである)なので、それくらいならばさっさと解放してしまった方が良い様に思う、そんな料金体系にしてあるわけだ。

他のvolcaシリーズは2ドルから5ドル、これはやはり機能のヴォリュームに応じた値付けとなっている。全部同じ価格にすると、volca beatsとかシンプルな機材において、相対的な損感がでるからだ。
volca drumやvolca sampleは5ドルだが、5ドルに見合った充実した内容となっている。
またvolcaシリーズを複数台使っている人にはやはりバンドル購入がお得である。こちらは各バンドルごとに8ドルとなっている。
商品はDRUM系、モノシンセ系、ポリシンセ系の3本立て。
これを3つ買えば、あらゆるトラックが解放されて、フル装備状態となる。
それでも24ドルである。
月いちバンドル購入でもいいと思う。月8ドル×3。
酒瓶一本分の酒量と酔いどれる時間をMIDI遊びに使えば良い。生産的な生き方と言えるだろう。

逆に言えばClip制限とエディタのセーブ&ロード以外の機能に制限は無く、ソングのセーブもロードも出来るのだから、まずは気軽にDLしてみてほしい。インストールすらいらない。単なるHTMLファイルであり、WINもMACも関係なく、MIDIインターフェイスさえあればすぐに使える。
DLはこちら👇
無料版でも必ずやそこにはMIDI的満足、MIDIカタルシスを得られることだろう。MIDIによるMIDIデバイス制御が楽しくなる。初心者でも勿論楽しめるし、初心者にこそおすすめなのだが、初心者がMIDIデバイスを持っているかどうかとなると、持っていないところがニッチの辛いところ。
でも、買えばいいじゃん!volca keysとvolca drumとか。ちっちゃいし、その二台とこのシーケンサーがあれば、必ずやそれは、知識や経験や技術なんか無くても、何より楽しい音楽制作の趣味になる。そんな楽しさを保証しよう。また疑問点があればコメ欄なり、公式メール👇で質問してくれればいい。
[ frequeaudiolabs@gmail.com ]それでは、皆様、よきMIDIライフを!!
