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益田ミリ(1969.1- )「ツユクサナツコの一生 第20回 ドーナツ」『小説新潮』2022年11月号

『小説新潮』2022年11月号
新潮社 2022年1022日発売
https://www.amazon.co.jp/dp/B0BHL8RHDM
https://www.shinchosha.co.jp/shoushin/backnumber/20221021/

益田ミリ(1969.1- )
「ツユクサナツコの一生
第20回 ドーナツ」
p.242-251

「え? 亡くなった? え? 橋田さんがですか?
そう! わたしも聞いたとき びっくりしたんです
なんか、ホンマ 急やったみたい
夜 机でマンガ描いてるときやて
マンガ?
あっ コレ 橋田さんのお姉さんから
橋田さんの知り合い来たら配ってって言われてて
非売品の小冊子
『ツユクサナツコの一生』
それ、橋田さんのペンネーム
デビューとかはしてないらしいけど

「ドーナツ」作・ツユクサナツコ
「ナツコ おでかけか?
散歩
少しづつ家から出られるようになった
あの頃のわたしには 遠い未来のことなど考えられず
30分先くらいの自分しか想像する余裕すらなく
コンビニで「たけのこの里」買お
空 青っ
そんなある日 子供の頃からあるドーナツショップの前を通ったんです  ん? ドーナツもええか
いらっしゃいませ~
チョコかなー ストロベリーもええなー
ケースに並んだドーナツを見ていたら
ゼロ? ドーナツ  ゼロ!
ハハハ そやな 私も今はゼロや
わたしはチョコレートドーナツを一個買い
公園のベンチに座り
太陽にドーナツをかざしてみたのです
ちょっと芝居がかってるか……
でも、今はこれでいい
ドーナツがゼロと言ってきた
だからわたしも ゼロからやってみよう
人は誰しも自分だけの物語を編んで生きている
のではあるまいか
パクッ もぐもぐ もぐもぐ
あそこでバイトしたら ドーナツ安く買えるんかな
もぐ もぐ 水分いるな」

橋田さん こんなマンガ描いてはったんや
コロナで大学オンラインになってすぐ実家かえったし
バイトすぐ辞めたから あんま、しゃべらんままやったしな
え? コレ、わたしのことちがう?

「冬子の大学生活 作・ツユクサナツコ
コロナ禍のなかで大学生になり 新しい友達なんてひとりもいなかった」
わたし あの頃、こんなこと考えとったんかな?
でもなんか わかる…… わかる!
わかる こうやって言語化されると そうかもしれんと思う
"わかる" と なんで嬉しいんやろ
"わかる" だけとは違うか わかり合えるゆーことか?

おーい  松本さーん
あ―――っ 今日、よく会いますね――っ
わたし――っ マスクとったら こんな顔やからーっ
またねー 元気でね――
あ? はいー

「またねー」
「元気でねー」

もう会えへんし このマンガのつづきもない
そんでも 読む前と 読んだあとでは
わたしの世界の質量はちょっと違う気する
たぶん ゼロではないな」

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益田ミリ(1969.1 - )
「ツユクサナツコの一生
第1回 ガムマシーン」


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益田ミリ(1969.1 - )
「ツユクサナツコの一生
第2回 キャンプ」
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益田ミリ(1969.1- )
「ツユクサナツコの一生
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「ツユクサナツコの一生
第18回 財布」
『小説新潮』2022年9月号


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益田ミリ(1969.1- )
「ツユクサナツコの一生
第19回 望遠鏡」
『小説新潮』2022年10月号


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益田ミリ(1969.1 - )
『永遠のおでかけ』
毎日新聞出版 2018年1月刊 160ページ


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益田ミリ(1969.1- )
『お茶の時間 カフェが自分の部屋化していることないですか?』
講談社 2016年6月刊 152ページ


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益田ミリ(1969.1 - )
『おとな小学生』
ポプラ社 2013年2月刊


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益田ミリ(1969.1 - )
『言えないコトバ』
集英社 2009年8月刊 152ページ


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益田ミリ(1969.1- )
『泣き虫チエ子さん 1-4』
集英社 2011.12-2015.9


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『沢村さん家のこんな毎日 平均年令60歳』文藝春秋 2014.5
『沢村さん家はもう犬を飼わない』2015.7
『沢村さん家の久しぶりの旅行』2017.6
『沢村さん家のそろそろごはんですヨ』2018.11
『沢村さん家のたのしいおしゃべり』2021.5


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益田ミリ(1969.1 - )
「ランチの時間 
第28回[ポークビンダルーカレー]」
『小説現代』2022年10月号


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「ランチの時間
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益田ミリ(1969.1 - )
「ランチの時間
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益田ミリ(1969.1- )
「ランチの時間 第10回[ピエロギ]」
『小説現代』2021年1月号


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益田ミリ「ランチの時間 第3回 ナポリタン」
『小説現代』2020年5月号
片岡義男『ナポリへの道』
東京書籍 2008.9
アーネスト・ヘミングウェイ「二つの心臓の大きな川」
『われらの時代・男だけの世界
ヘミングウェイ全短編 1 (新潮文庫)』
新潮社 1995.10


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益田ミリ(1969.1 - )
「ランチの時間[天丼]」
『小説現代』2020年3月号

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