【二次創作】ぬくもる手 〜誰ソ彼ホテルにて
二次創作ですが、知らない人でもこの話だけでも楽しめます✨
🎁 今日の「灯りのことばくじ」は――
「ぬくもる手」 です。
※世界観をお借りしております。
「ぬくもる手」
気がつくと、レトロ感満載のホテルの前にいた。
…………私は誰なんだろう。
ふと、思うけれど寂しさも焦りもない。
ホテルのドアを開けようとすると、昭和の女中さんばりの和服の女の子が内側からドアを開けてホテルへと招いてくれた。
薄い紫色の髪の毛が女中姿と合うような合わないような。
でも、悪い印象は全く持たない女の子だった。
そして、一室に通されることになる。
私はこの世とあの世を彷徨っているのだそうだ。このホテルは、狭間にある。と。
命地の危機があるからこのホテルに来たのだけれど、自分が誰なのか、どうしてこんな状況になっているのか、生死すらもわからない。
そんな人が訪れるホテルなんだそうだ。
実感がないのか、説明されても何の感情も湧かない。
でも、部屋のドアを開ける瞬間は少し緊張した。
このホテルの部屋は、使用者の思い出せない記憶を読み取って部屋として表現するらしい。
その部屋で、謎があればそれをホテルの従業員さんに協力してもらい解き明かし、自分を見つけていくらしい。
ドアノブに手を開けて開くと、私の部屋は何の変哲もない「家庭」の一角だった。
他のホテルのお客さんは、ほとんどの人が変わった頭をしている。
首から下は通常の人間なのに、頭部だけが、変。
魚だったり、ビリヤードの玉だったり。
黒板だったり、スーツケースだったり、口紅だったり。
私の顔はどうなっているのだろうと思って、女中さんに恐る恐る聞いた。
毛糸のマフラーが顔に巻かれているような状態だそうだ。
想像すると窒息しそうだけれど、女中さんいわく苦しそうな印象は受けないらしい。
このホテルは食堂の他にバーもある。
バーなんて行ったことない……気がする私は、興味本位で行ってみた。
大きな山羊みたいな角を生やした女の人がバーをきりもりしていた。
なんだかお酒が飲みたくなったので、女の人に適当に作ってもらった。
そのオレンジ色のカクテルを飲みながらバーを見渡すと、ある席に目が止まった。
鏡の頭の姿の男性。
でも、その鏡は何も映すことがない。
ともすると金属のお盆にも見えるけれど、楕円の形は鏡と言ったほうが相応しかった。
…………
声をかけようか。
なにか、気になる。
と、バーカウンターに座っている私の隣に突然座った、トレンチコートを肩にかけている若い男性が話しかけてきた。
彼曰く
ここはあの世とこの世の狭間だから、興味を持った人は現世でも縁のある人かもしれない。と。
鏡の男性と話したこともあるようで、その人は、とある人を恋しがっているようなのだ。と。
少しの胸騒ぎと、興味本位が同時に私の胸を支配する。
ふと、女中さんの真剣な顔がうかんだ。
女中さんと、印象の柔らかい背の高い男性(女中さんの先輩らしい)と、厨房の女の子以外から声をかけられた時は知らせてほしい。と。
私の横で鏡の男性に話しかけるよう促す男性も、とても柔らかい印象に見える。
けれど…、どこか、どこか……高圧的なような、私を品定めしているようにも感じるような……
でも、とても柔らかいのだ。
どうしよう?
※さて、アルロンさんのこちらはご存知ですか?
この「誰ソ彼ホテル」はノベルゲーム形式なので、アルロンさんのこの方法をお借りしての創作にはぴったりかと……
2つの結末、お楽しみください✨✨✨

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