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1、鏡頭の男性に話しかける

✨こちらは下記のお話の続きとなっております。まだ未読の方はこちらからお越しください✨

二次創作ですが、知らない人でもこの話だけでも楽しめます✨

※世界観をお借りしております。







1、鏡の男性に話しかける


女中さんには後から報告することにして、鏡の男性に話しかけることにした。

「あの……あ……えっと……私、あなたと現世でお会いした……こと……」

話し出しておいて、恥ずかしくなってしまった。
これじゃあナンパだ。

お互いに生死がわからないのにナンパなんて、何はしたないことしているんだろう、私。

顔が熱くなるのを感じる。

人間の顔じゃなくて良かったかもしれない。


「………真美さん?」

鏡の男性から、突然名前を呼ばれた。

真美?

そう、そういえば、私の名前だった。

では、彼は、誰?

私の手を握り、乞い求めてくるこの男性は?



突然、お腹にとんでもない衝撃が走った。

目の前の男性が、口から泡を吹いて倒れた。

口?

男性の“顔”が見える。

その、顔は………

「いやぁっ…………」

叫びたかったけど、力が入らない。

お腹に手を当てると、あたたかでぬるりとした感覚。

私のお腹が血で濡れているのを確認したところで、私は意識を保てなくなった。



気がつくと、私は私の部屋に運ばれていた。

ベッドの横には険しい顔をした女中さんがいる。

「ごめんなさい。私、あなたに報告するのを先にしていれば良かったかもしれない」

女中さんに詫びると、女中さんは全面的に私は悪くないと、悪いのはあの男だと憤っていた。

どうも、私に鏡の……あの男に声をかけるよう促したトレンチコートを肩にかけている男性に憤っているようだ。

私は女中さんに思い出した事を全て話した。

私は息子と、夫の三人暮らしだということ。

職場の同僚に付きまとわれていたこと。

そして、その職場の同僚が鏡の男だったこと。

……その同僚に、襲われ、抵抗の挙句に腹部を刺されたこと。


けれど

私の手に戻った手の温もりが、私がまだ生きていることを知らせてくれたこと。


その同僚が私と同時に記憶を取り戻して倒れた事によって、幸いにも私と彼とを引き離せた事を女中さんは喜んでくれていた。

どうも、現世の記憶を思い出すと、何故このホテルに来てしまったのかの原因となった現象……私の場合は腹部を刺されたことが、再現されるらしい。

ただ、記憶の再現なので実際に危険があるわけではないようだ。


女中さんと、その先輩とで私の部屋をみているから、決して同僚の男性は近づけさせないと話してくれた。
私が落ち着いて、現世に帰る準備ができたら、男性に気づかれないようにこっそりとチェックアウトすることになった。

……少し、同僚の生死が気になったけれど。

気にしないで、早くホテルから出ることを決意した。


そして、今、ホテルの玄関にいる。

家族を安心させてね。と、言葉を交わしてくれたあの料理人の女の子にも、生きていると知って安心してくれる家族がいるのだろうかと、ふと、思いながら。

ホテルを後にした。






砂漠のような荒野のような地をひたすら歩く。




ホテルが少し小さくなった辺りで


「真美」

と、声をかけられた。

振り向くこともなく、私は駆け出した。

けれど、男性にぶつかって捕まってしまった。


私を掴んだ男性は、トレンチコートを肩にかけている、あの男性だ。

同僚が近づいてくる。

「真美、酷いよ。一緒に●✕▲って言ったじゃないか」

「いや、いやぁぁぁっっっ!」

「僕は死んじゃったんだ。真美、真美は生きてるんだろう?どうしてなんだ?僕はこんなに苦しいのに。あの優しい真美はどこへいっちゃったの?真美、真美がまた僕を励ましてくれよ。真美がいないと……僕は……」

「いやぁ!!!!!」


「!!!!!!!」

私の叫び声と同時に、女中さんがトレンチコートの男性にタックルして私は解放された。

「走って!!!振り向かずに!!!光の方へ!!!」





女中さんの声も、同僚の声も、聞こえなくなった頃。




「…………さん。………真美さん、わかりますか?」


私が流す涙に、生き残ってしまったのだという感情が含まれていることをこの先誰にも言えないだろう予感が襲ったのだった。

BAD END




「誰ソ彼ホテル」はかーなーり後味悪いです。

これでも、note読者に向けて柔らかくした方。

もう一つの結末をみていない方は、これにめげずにお楽しみください✨✨✨

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波 香月 -なみ かづき- サポートして頂いたら、とんでもなく舞い上がります。 「頑張ってるね」の気持ちを素直に嬉しく受け取る体験をしたのはnoteが初めてかもしれません。 あなたのサポートを糧に、他の誰かに「頑張ってるね✨」を届けたい✨