2、女中さんの所へ一度戻る
✨こちらは下記のお話の続きとなっております。まだ未読の方はこちらからお越しください✨
二次創作ですが、知らない人でもこの話だけでも楽しめます✨
※世界観をお借りしております。
2、女中さんの所へ一度戻る
鏡の男性は気になるけれど、この不思議な世界のルールをよく知っている女中さんの言うことを素直に聞くことにした。
トレンチコートを肩にかけている男性も、おそらくお客さんなはずだ。
従業員なら、今の時間にお酒を飲んでいるはずがない。
良かった。
と、女中さんの心底ホッとした顔を見て、まず女中さんに報告して良かったと思った。
なぜだか、私は危ない所だったらしい。
私はそのまま、ルームサービスで食事を取り部屋の探索をすることになった。
たまに散歩をしたくなったら、女中さんか先輩さんの付き添いで歩く。
少し変だなと思いながらも、あの鏡の男性を思い出すと胸がざわつくので、私も女中さんたちの言うとおりに行動することにした。
そして、暗号解読の後見つけた鍵で開いた引き出しから、家族の写真が見つかった。
そう、私には家族がいる。
小学校に上がった息子と、あまり会話はしないけど優しい夫。
家族を思い出した途端、私の手に温もりが戻った。
そう、私は……私は……
突然のお腹の痛みで、私の意識はそこで一度途切れた。
目が覚めたら、いつも食事を作ってくれている女の子が隣にいた。
涙ぐんでくれて、女中さん達を呼んでくれる。
少しだけ一人になった私は、少し怖かったけれど……この、現実味のない場所が、返って私の現実を思い出させてくれた。
来てくれた女中さんとその先輩さんに、私の身に起こった事を話す。
私は生きていること。
ここに来た理由は、同僚で以前親交のあった男性に刺されたからだということ。
……新人の頃は、仲良く話していた。私も、同僚も、ミスをして、落ち込んで、励まし合って。
私が部署異動することになった時に告白されたけれど、私は断ってしまった。
確かに仲良くしていたけれど、付き合うとか、そんなのではなかったのだ。
その後、結婚して、子供も産み……その同僚とは疎遠になっていたと、思っていたのだけれど……
「確証は、ないんですけれど。あの……鏡の頭の男性、まだいます?あの人に、私、刺されたんです」
まだ慣れない温もりの戻った手をせわしなく揉みながら、私は二人に話した。
二人は顔を見合わせた後、対策を検討し始める。
やはり私はこの部屋にいたまま、チェックアウトの時を待つべきだという判断が下された。
本当に、確証はない。けれど、あの鏡頭の姿を思い出すと嫌な予感しかしないのだ。
その後、私は順調に全てを思い出し、ついにチェックアウトする時になった。
「あの……ひとつだけ、気がかりな事が」
私は全てを思い出した。生きているから、現世へ帰れるんだろう。
……彼は?彼はいまだに鏡頭のままらしい。もし、彼が記憶を取り戻して……生きているとしたら?
「ここの……このホテルでの記憶って、どうなるんですか?」
頭が炎のホテルの支配人が、ここにいる間の記憶を覚えている者はほぼいないと話してくれた。
たまに、覚えている人もいるらしいけれど。
私も、彼も生きていたとしても、覚えていなければいいのに。
と、現世へ帰ることに少しだけ憂鬱になったけれど。
ぬくもる手をぎゅっと握りしめる。
可愛い息子を抱きしめられる、夫を安心させてあげられる未来を夢見て、
歩き出した。
TRUE END
「誰ソ彼ホテル」はかーなーり後味悪いです。
ハッピーエンドはなく、TRUE END。
もう一つの結末をみていない方は、覚悟できた方だけ見てください🫡
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