ショートショート19(SF編).地球侵略〜ある酔っ払いの妄想〜(1939字あとがき含む)
地球侵略〜ある酔っ払いの妄想〜
系外生命体による地球征服計画は、着々と進んでいた。
徐々に地球へと近づいていく宇宙船の中で、異星人たちは、計画について話し合っていた。
……
「兄さん、この星ええんちゃいまっか?なかなかの知的生命体おるみたいでっせ。そいつら、自分の星のこと、地球、って呼んどるらしいですわ。」
「へえー、地球かー。そろそろわしらも、なんかしら結果出さなあかんしな。
それなりの知的生命体がおるんやったら、そこそこの技術やら、貴重な鉱物があるかもしれんし、なんやったらそいつらを食料にしてもええかもしれんな。」
「えーですねー。ほんま、その通りですわ。いっちょう、いてこましたろやないですか。」
「えーやん、えーやん。お前、えーことゆーやん。ほんで、どないな感じやねん?」
「それがですな、兄さん、よう聞いてくれなはれや。その地球ゆう星は、うちらの住んでる星の、1/10の重力しかないみたいですねん。」
「さよか?で、それがどないしてん?」
「兄さん、わかっとらんなー。寝ぼけてる場合ちゃいまっせ。重力が1/10でっせ。どれだけ、うちらの体が軽く感じるか想像してみてくださいな。」
「ほー、なるほど。おまえの言いたいこと、なんとなくわかってきたで。ひょっとしたら重力が少ない分、わしらはえらい素早く動ける、っちゅうことかいな?」
「さすがや、兄さん。やっぱインテリはちゃいますなー。
そういうことですやん。しかも、素早く動けるだけちゃいまっせ。
どえらいジャンプもできるはずですわ。
何せ、重力は1/10や。うちらの身長の3倍、いや5倍はジャンプできまっせ。
おまけに、そんだけ重力が違うっちゅうことは、地球人の筋力は、うちらとくらべもんにもならんほど、弱いはずですわ。」
「ほんまか?なんや、わしらがスーパーマンになるみたいやな。」
「兄さん。みたいやなくて、ほんまにスーパーマンなんですわ。
もう無敵や。地球人なんてイチコロや。
そないな重力の低い星で、のうのうと生きてたこと、心の底から後悔させてやりましょや。」
「えーなー、スーパーマンかぁ。わし、子どもの頃から憧れとってん。ほな、一気にいてこましたろやないかい。
……おっ、だいぶ近づいてきたやん。地球て、なんや青い星やな。もうすでに青ざめてるんやないか。」
「兄さん、ノッてきましたなー。そうですわ、あれが地球ですわ。やっとうちらも日の目を見る日がきましたわ。」
……
かくして、異星人による地球侵略が始まろうとしていた。
……
「兄さん、兄さん、にいさーん。」
「なんや、なんや、どないしたんや。先陣切って、地球人蹴散らしとくわー、ゆーて、あとからゆっくり来てくんなはれー、ゆーとったから、ちゃーしばいとったがな。なんやねん。」
「兄さん、あきません。地球はあきらめましょ。あきません。」
「なんやねん。どないしてん?」
「……地球人はでかい。」
「地球人はでかい?どういうことやねん?」
「とにかくでかい。大きいんですわ。
わしらの100倍くらいの身長ありますねん。
せやから、わしが、自分の身長の5倍ジャンプしたところで、あいつらの膝までしか届かないんですわ。」
「なんやねん、それ?」
「兄さん、すんません。重力の大きさと生命体の大きさは関連があるみたいですわ。
重力によって、その重さを支えられる大きさってのが決まってくるゆー理屈ですわ。
せやから、うちらと比べて小さい重力で生きてる地球人、えらいでかいですねん。」
「お前、なんでそんなことぐらいわからんかってん。」
「なんで言われましても、兄さんもえらい乗り気やったやないですか。」
「それは、お前がえらい調子のええことゆーからやなー、そないなもんかなー、おもてただけや。」
「兄さん、もう今ゆーててもしゃーないし、もうほんまに踏み潰されそうですねん。戻ってえーですか?」
「しゃーない。それはしゃーない。はよ戻ってき。きいつけや。」
……
そんなやりとりがあったことなど、地球人たちは知る由もなく……
ニュースになるでもなく……
新聞に載るでもなく……
あるテレビ番組で、視聴者からの動画が紹介されていた。
タイトルは……
ちっちゃいおじさん見つけたシリーズ
「小さなおじさんがジャンプしてるのを見つけました」
(了)
〜あとがき〜
毎日お酒を飲むのですが、家で酔うことはほとんどありません。
久々に外で飲んだせいか、ちょっと酔っ払ったみたいです。
ここ数日、ショートショート書いてないなあ、書きたいなあ、と思って一気に書いてみました。
自分では、笑いこらえながら書くくらい楽しかったのですが、どうなのでしょう?
読んでくれる人が、単純に楽しんでくれたら嬉しいなぁ〜。
明日の朝、読み返してから投稿するか決めたいと思います🤤
