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撮ったり書いたりしてきた私を形づくってきた、10年以上心の拠りどころになっている本を紹介

「本棚のいい位置で」「長年に渡って」「定期的に手をとる機会がある」
10年ずっと近くにいて、心を支えてくれた本

「10年本」とは
・我が家の本棚で、良い位置にずっといて、
・10年以上、長年に渡って定期的に読み返しており、
・じぶんを形づくってくれている、
大好きな本を1冊以上、挙げてみてください

10年本の定義


小さいころから読書が大好き。上京して、引っ越しを繰り返しても、かならず手元にある本。何度よんでも、本棚のすぐ目につく場所にある本がある。

写真を撮るうえで、揺るがない柱となっている本。心が折れそうなときに、支えてくれる本。理由はわからないけれど、急に読みたくなる本。

いろんな理由で、机や本棚にあって、私の心の側にいてくれている。そんな私の「10年本、10冊」を紹介していく。


村上ラヂオ|村上春樹

村上春樹のエッセイ。10年本ところか、一生本確定の本。シリーズは3つまであって、どれも大好き。気分で選んで読んでいる。

軽やかな文体でユーモア溢れるエピソードがあれば、心に寄り添うような村上春樹らしい文章もある。私のエッセイの教科書だ。

人はときとして、抱え込んだ悲しみやつらさを音楽に付着させ、自分自身がその重みでばらばらになってしまうのを防ごうとする。音楽にはそういう実用の機能がそなわっている。
小説にもまた同じような機能がそなわっている。心の痛みや悲しみは個人的な、孤立したものではあるけれど、同時にまたもっと深いところで誰かと担いあえるものであり、共通の広い風景の中にそっと組み込んでいけるものなのだということを、それらは教えてくれる。
僕の書く文章がこの世界のどこかで、それと同じような役目を果たしてくれているといいんだけどと思います。心からそう思う。

村上ラヂオ3 サラダ好きのライオン|村上春樹

引用したこの文章は、私の創作活動の軸となっていて、とても大切にしている文章。創作で迷うことがあると、いつも読んでいる。

創作について以外にも、日常生活のゆるいお話しや、村上春樹の小言みたいなユーモアのあるものもあって、エッセイとしてもとっても楽しめる本。

私は「コロッケ」の話がとっても好きで、個性的でユーモアのある日常を描いた描写が素敵だなと思う。

海辺のカフカ|村上春樹

村上春樹はどの小説も好きで繰り返し読むのだけれど、一番は「海辺のカフカ」

たぶん、初めて読んだ村上春樹の小説で、とても新鮮に感じたのと、こんなふうに物語って書いていいのかという衝撃があった。そして、何よりシーンごとの情景描写や登場人物の描写にとても惹かれて居心地のよさを覚えている。

一方で、暴力や喪失といった描写もあって、読みに絶えない思いもするのだけれど、物語の最後にいきつくピースには必要なのだろうと感じている。

ナカタさんのお話しもすごく好きで、最後は涙をしてしまった。

少年カフカ|村上春樹

村上春樹関連が多いですが。

「海辺のカフカ」のキャンペーン企画みたいなもので、読者が村上春樹へネットで感想や相談、質問などを寄せて、村上春樹が答えていく雑誌。

13歳、15歳の少年少女から70歳の読者まで。日本の各地から、韓国、イタリア、カナダまで。トライアスリート、郵便局員からスチュワーデス、中日ファン、ヤクルトファンまで――。小説論から進路相談、そしてプロポーズの指南まで、さまざまな読者のさまざまな意見、疑問へ村上春樹が答えた怒濤のメール1220通!

少年カフカ

ということで、ありとあらゆる村上春樹への「声」に、村上春樹が真摯に答えている。

「海辺のカフカ」の感想では、「今回はおもしろくなかった」というお便りにも、怒ることなく返事をしていたり、ここで怒るの?という場面でユーモアを交えて怒ってみせたり、とてもとても真剣に答えていたり、村上春樹の読者というか人への寄り添い方がもうほんとうにすごいなと読んでいていつも思う。

個人的にはヤクルトスワローズが好きなので、ヤクルトネタが出てくるとうれしい。

1220通もあるので、いまだに全部通して読めていないのだけど、パッとページをめくって読んでいる。

ナイン・ストーリーズ|J.D.サリンジャー

「ライ麦畑でつかまえて」より、「ナイン・ストーリーズ」が好き。

日常のなかの出来事なのだけど、登場人物の不安定さや、描写の揺らぎが、若者特有のものに感じる物語。

物語の意図を汲み取ったり、解釈しようとするのはやめて、文章表現をただただ楽しみながら読むのが好き。なので、読むたびに自分の気分や状況によって受け取り方も変わるので、何度読んでもおもしろい。

たのしい気分になったり、かなしい気持ちになったり、読むたびに、こちらがいろんな気分になってしまう本。

BiRD(雑誌)

旅の雑誌TRANSITの姉妹本である"Life's a Journey"をテーマにした本「BiRD」。そのなかでも、アイスランド特集がすごく好きで、よく気分転換に読んでいる。
イラストや写真、文章、デザインがすべて素敵で、読んでいてワクワクする雑誌だ。

アイスランドは私にとって縁遠い国。そして、オーロラやビョークの印象があって、すごく幻想的な国。ほんとうに同じ地球上にあるのかな?と感じてしまう国。

でも、この本を読んでいると、すこしだけアイスランドに近づいた気持ちなれる。

旅のメディアで撮影や執筆をしているのだけれど、いつかこんな発信をしてみたいなと思う。

稲岡亜里子さんの幻想的な写真も素敵。

アシモフの雑学コレクション|アイザック アシモフ

地球のことから、動物、歴史、文学、数字、人の死などなど、ありとあらゆる雑学が詰め込まれている本。

SF作家のアイザック・アシモフの作品に、SF作家の星新一が翻訳したので、ユーモアがより増している気がする。

ほんとうに、人生に必要のない雑学がこれでもかというほどに詰め込まれています。でも、知っているとちょっとお得感がある気分になる。一つひとつの雑学は3行くらいなので、サクサクと読めてしまう。

写真の作業をしていて、ダウンロードに時間がかかったりしたときに、SNSを見ないで、この本を読むのがおすすめ。

自分の子どもが小学生くらいになったら、渡したいなと思う一冊。

写真がもっと好きになる。|菅原 一剛

写真家・菅原一剛さんの「写真論」が詰まっている本。

写真への取り組み方を中心に、構図や露出、レンズ、デジタルカメラなどの技術的な話が菅原さん視点で語られていて、教則本のようだけれど、読んでいると撮る興味が湧いてきたり、楽しくなったり、もっと好きな気持ちになる本。

コンテストやSNSで評価される写真ではなく、自分にとっての好きな写真はなんだろうと向きある内容。

菅原さんはずっと毎日、空の写真を撮ってホームページで更新している。この本を手に入れたころに、毎日ホームページを訪れて、彼の空の写真を見ることで、沈んだ気持ちを支えてもらっていた時期がある。

「写真を教えて欲しい。」と言われたら、まずこの本をおすすめしている。私にとっての写真の教科書。そして、写真へのモチベーションを保ち、持ち上げてくれる大切な本。

5年前にも読書感想文としてnoteに書いているのでよかったら。


うたたね|川内倫子

マイベストオブ写真集。

以前にnoteで夏が来ると読みたくなると書いたことがある。夏になると手にとって読む機会が多い。

日常にひそむ小さな事象のなかに深い哲学をそっと語りかけてくれる。写真集を"読む”という体験をしたのは、この写真集がはじめてだ。

「うたたね」は、ひとつの写真集を自分なりの視点で意図を紐解いていく体験をはじめてできた写真集だ。これが写真集を”読む”という行為なのだと感じた瞬間だ。そして、何度読んでも、そのときのいまの自分の視点で読み解くことができる写真集なのだ。

だから、何度でも何度でも読む。ほんとうに大好きな写真集だ。

Girls on film book issue 2

世界中の若手フォトグラファーたちが、女の子のポートレートをフィルムで撮影した写真を集めたフォトZINE。

いくつか持っているのだけど、issue2がお気に入り。302ページあり、14名のフォトグラファーが作品を掲載しているけれど、ひとつとして同じものがない、女の子の等身大で魅力的な瞬間、表情、仕草が収められている。

もともとはイギリスでオンラインで発表されていて、韓国の出版社から販売された本。いまでは絶版になっていて、ホームページなどもすべてなくなってしまった。(さみしい)

私は女性のポートレートを撮ることが多いので、実践的な教科書として手元にある。膨大な量の女性ポートレート写真から、構図やポージング、視線、姿勢など、参考にさせてもらっている。

撮影の前の日に、モチベーションをあげるために見たり、撮影の仕方に迷ったときに見ている。

また、フィルムならではの描写や質感があって、見ていて楽しいし、レタッチの勉強にもなっている。

レター教室|三島由紀夫

5人の登場人物が巻き起こす様々な出来事を手紙で綴る。恋の告白・借金の申し込み・見舞状等、一風変ったユニークな文例集。【解説: 群ようこ 】

ちくま書房・レター教室 三島由紀夫

20~45歳の男女五人の登場人物たちの手紙のやりとりで物語が進んでいく、三島由紀夫の作品のなかでもちょっと変わった作品。はじめて読んだとき、手紙形式で物語が進んでいく構成がすごいなと感心してしまった。

ラブレターから、借金の申し込み、脅迫状、出産の報告、身の上の相談、仲直りなどなど、癖のある5人が繰り広げる手紙のやりとりが読んでいてとてもおもしろい。

皮肉も嫌味も、女性差別や年齢差別、登場人物もそれなりに自分勝手で、物語当時のネガティブな価値観が溢れてはいるのだけれど、プライベートな手紙ってどこまで自分を打ち明けてよいものか距離感が難しいときが私にはあって、こんなふうに自分の思いのままに書けてしまう登場人物たちがうらやましくもある。

個人的に、手紙を書くのが好きなので、この本がお気に入りというのもある。三島由紀夫作品だけれど、肩の力を抜いて読めるのでおすすめ。

写真がないのは、本が行方不明になるから。そう、この本、なぜか行方不明になる率が高い。薄い本なので、旅先に持っていったり、思いもがけない場所で読んだりするので、置きっ放しにして忘れてします。

そして、ふと見つけたときに、読み返している。この本を手に入れて4回くらい引っ越しているけれど、行方不明になりながらも、必ず手元に戻ってくる不思議な本なのである。

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どれも、写真を撮って、文章を書いて、生活をしていくなかで、私のささえとなっている本。これらの本のおかげで生きてこれたんだよなと、改めて思う。

10年本、というより一生本。死んだら、私の棺桶に入れて欲しい大切な本だ。

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「10年本」の企画は、みずのけいすけさんがのこのnoteからはじまりました。

このnoteをきっかけに、みずのさんが、みなさんのずっと手元にある大切な本を知りたいということで、「 #10年本 」という企画で、読書記録の素敵な企画をおこなっています。

ぜひぜひ、ハッシュタグで、いろいろな方の「10年本」を覗いてみてください。

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三浦えり 最後まで読んでいただいてありがとうございます。スキやフォロー、コメントをいただけると、みなさんの反応が知れて嬉しいです。

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