体育会系合気道⑰ー猛者の演武ー
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合気道演武会が、始まった。
最初の部は、少年部。
まだ幼い少年少女が、技などを演武する。
……、わたしが、まだ、できない飛び受け身や後ろ受け身をやってのける。
子供って身体が柔らかくて身軽でいいなぁ、と羨ましく思った。
けれど、やはり終末動作などの基本動作は、おざなりで荒いものだった。幼いゆえに細部のこだわりはない。おそらく、合気道を好きになってもらうことのほうが優先事項なのだろう。
わたしたちの道場は、六級から三段までの演武に参加する。横浜道場と共同で発表した。
今回は、わたしが合気道の道場に入門した去年よりは、演武される技は、みたことがあるものが多かった。以前より、頭に刷り込めるものが多かった。
いつか、ああいう高度な技が、わたしにもできるのか。それでも、飛び受け身や後ろ受け身は、わたしにはまだ何年やってもできるような気はしなかった。もう、カンレキ近くで身体が硬く、畳のうえでのでんぐり返りが怖い。道場へいくたびに、わたしは、恐怖心を抑えながらでんぐり返りをしているのだけれど。
師範代の演武になった。
わたしと、以前の級査定のときに組んで、いろいろ教えてくださったカトウさんとアオさん。やたらとうちの道場の安東さんに絡んでて、喧嘩が起こりゃしないかと心配だったカナダさんは、軒並み師範代だった。
技は、目にも留まらず、威勢良く繰り広げられた。
木の小刀を持っての一箇条抑え(一)の仕手技は、小刀を持たないそれの最終の動きと違う。
赤井さんは「ああすると、小刀が簡単に奪えるのです」
と、説明した。
受け手は、大きな音を立てて畳に打ちつけられる。
迫力が違う。
技の節々にためらいがない。
思い切りと、鮮やかな動作。
わたしは、いちおう女の子(いえ、シニアなのですが……)なので、装束の袴が気になった。
おしゃれというか、カッコいいというか、買うと高いといわれているけれど、うちの道場では、四段の川町さんだけが袴をはいている。弘明寺に道着の専門店がある、横浜にもあると、級査定のあとの懇親会で、皆んながやんややんやいっていたのたが、このあいだ特殊詐欺にあって財政が困難になっている我が家では、ちょっと贅沢な一品だ。第一、級も取っていないわたしたち夫婦が、ほかの先輩方を差し置いて、そんなに盛装しては、険悪な空気が流れることが容易に想像できる。袴は着てみたいが、もっと長く……十年くらい続けられたら買ってみよう……などと考えた。
その前に、このあいだ辞めたハウスキーパーの仕事の代わりをみつけて早く復職しなければ。
けれど、わたしの体力は、このあいだの入院で、落ちたままだった。
つづく
©️2026.6.20.山田えみこ
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