スマホばかりの息子が、こっそり10万字の小説を書いていた話
息子のことを、分かっているつもりでした。
何が得意で、何が苦手なのか。
何を考えていて、何に興味があるのか。
毎日、同じ家で暮らしています。
それなのに私は、息子の頭の中にあるものを、ほとんど知りませんでした。
朝から晩まで、スマホスマホって
息子が、スマホにぶつぶつ言っていることは知っていました。
四六時中、スマホをいじっている。
たまに、小声でぶつぶつ言っている。
そんなイメージです。
むしろ、スマホをいじっていることを好ましく思っていませんでした。
「飯のときくらい、スマホを手放せ」
「朝から晩まで、スマホスマホって!」
「返事するときは、まずスマホを置きなさい」
小説を書いているらしい。
でも、小説といっても、数千文字くらいの短いものだと思っていました。
一番短くて、約3万5千字
ある日、書き溜めたものを見せてもらいました。
「一番短いやつ」
そう言って見せてきたものが、3万5千文字くらいありました。
一番短くて、3万5千文字。
長いものは、10万文字を超えていました。
しかも、まだ完結していないと言います。
ほかにも同じような作品が、20本くらいありました。
「いつから書いてたの?」
と聞くと、
「1年くらい前から」
と、息子は普通の顔で答えました。
私は、少し言葉が出ませんでした。
同じ家に住んでいた1年間。
私が仕事をしていたり、noteを書いたり、スマホを見たりしていた横で、息子はずっと小説を書いていたらしいのです。
「一番短いやつ」と言って見せてもらった小説
私が勧めたゲームなのに、もう話についていけない
息子は、歴史のゲームが好きです。
PCで「HOI4」や「EU5」というゲームをよくやっています。
私は、シミュレーションゲームが好きです。
せっかくゲームをするなら、戦略ゲームのほうが将来の仕事に役立つかなと思いました。
ゲーム機よりも、本格的に遊べるPCのほうがいい。
そう思って勧めたことが、きっかけでした。
でも今や、私は息子の話についていけません。
当時の政治体制や文化について、いろいろ話してくれるのですが、私の知識では追いつきません。
そして、そのゲームの中で見たものや考えたことが、息子の中で別の世界になり、小説になっていることも知りませんでした。
「よく、こんなに書けるね」
私がそう言うと、息子はまた普通の顔で答えました。
「頭の中から、どんどん言葉が出てくる」
少し間を置いて、
「ぼーっとするっていうのが、よく分からない」
とも言いました。
四六時中、頭の中で会話しているそうです。
目を閉じると、図形や文字が出てくる。
寝ようとしても、頭の中にいろいろな言葉が浮かんでくる。
何も考えていない状態が、よく分からないらしいです。
そんなこと、初めて聞きました。
私は、何も考えずにぼーっとしている時間が、かなりあります。
車を運転していて、気づいたら目的地に着いていたこともあります。
散歩しながら、いつの間にかルートが終わって、家に帰ってきたこともあります。
同じ家に住んでいます。
でも、頭の中は、まったく違うようでした。
何も知らなかった
ただ、驚きました。
1年間も書いていたのに、知らなかった。
10万字を超えていたのに、知らなかった。
20作品もあったのに、いつも何かスマホに向かって話しているな、いじっているな、くらいにしか思っていなかった。
息子を見ていたつもりでした。
四六時中スマホをいじっていたのは、頭の中で次々と湧いてくる言葉を、出力していただけだったのです。
でも私は、ずっと「こうだろう」という先入観で、決めつけていたようです。
今は、息子の小説が投稿されるのを楽しみにしています。
誰かに読まれるかもしれない。
誰にも読まれないかもしれない。
息子が、投稿する前に飽きるかもしれません。
それでも、あの10万字は、もう息子の中から出てきたものです。
私は、朝から晩まで、スマホを意味のないことに使っていると思い込んでいました。
何をしていたのか。
何を考えているのか。
これから、何をするのか。
私はまだ、まったく知らないようです。
次に読むなら
全体像から読む
悩みの原因を知る
もう一つ、親子の話を読む
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次の記事を元気満々で書きます。