【英語教育】キング牧師の授業指導案③・④(中学校) Rosa Parks
第3時・第4時の授業記録
今回は続きとして、第3時・第4時の実践について記録しておきたいと思います。
第3時:物語として「学び直す」時間
コマ割り漫画を使った復習
授業の導入では、前時に作成したコマ割り漫画を使って復習を行いました。前時に自分が担当していない場面の絵を用いて、相手に内容を伝える活動から始めました。
「どんな出来事だったのか」「どんな気持ちだったのか」を言葉にしながら伝え合うことで、単なる内容確認ではなく物語をもう一度自分の中で思い出しながら考える時間になったらなという思いで実施しました。
日本語動画で全体像を捉え直す
その後、第3時では、日本語の動画(約20分)を用いて、これまで学んできた内容を整理しました。
動画では、
キング牧師が生まれた当時の社会状況
人種差別が日常にあった時代背景
ガンジーの思想から受けた影響
幼少期・青年期の経験
などが、映像とともに分かりやすく語られていました。ここで特に大切にしたかったのは、
暴力に対して暴力で対抗すれば、それは戦争になる。
だから多くの人は、差別を受け入れて「我慢する」ことを選んでいた。
しかしキング牧師は、「非暴力・不服従」という別の道を選ぼうとした。
という点です。英語の文章だけでは、どうしても理解が曖昧になりがちな背景部分も、映像を通して整理することで、生徒たちは当時の状況を具体的にイメージできたように思います。

動画の「ある出来事が起こる」というナレーションの後にすぐ止めて、その流れのまま教科書のローザ・パークスの本文(2ページ目)読解へとつなげていきました。リーディングに入る前に生徒が「続きを読みたい」と思ってもらうための工夫のは、指導する上では大切ですね。黙々と読んでいました。その後はExplanationと音読で終えました。
第4時:もし自分だったら、どうするか
ローザ・パークスの出来事を「自分事」として考える
第4時の導入では、ローザ・パークスの出来事を振り返りました。そして、生徒にこう問いかけました。ここは日本語です。
「非暴力・不服従」で対抗するとは、どんな行動だと思う?
班で話し合うと、最初に出てきた意見は、
「なぜ白人に席を譲らないといけないのかと、その場で抗議する」
「席を立たずに抵抗する」
といったものでした。そこで、
「それだと、喧嘩にならないかな?
当時の力関係を考えると、さらに暴力が強まらない?」
と問い返すと、生徒たちはしばらく考え込み、「確かに……」と納得している様子でした。
「働かない」という選択
すると、別の班から
「ストライキをする」
「もう働かないと決めて仕事に行かないで抗議をする」
という意見が出てきました。「それはいいかもしれない」という声が広がる一方で、
仕事を失うかもしれない
給料がもらえず、生活できなくなるかもしれない
といったリスクにも自然と話が及び、
「それって、すごく勇気がいることだからやっぱり難しいかも、どうしたら良いだろう」
という空気になっていきました。そこで、改めて問いかけます。
「では、キング牧師は、どんな方法を考えたと思う?」
この問いをきっかけに、教科書の3ページ目の読解へと進みました。生徒たちは、キング牧師のバスボイコットの内容を読み、「なるほど」という表情で読んでいたのが印象的でした。
物語は、さらに続いていく
その後、再び動画を用いて、
ローザ・パークス事件後の運動の広がり
アメリカ南部各地への影響
度重なる逮捕
KKKの存在
命の危険と隣り合わせの日々
について学びました。最後には、祈りながら行進する非暴力デモ、そしてワシントン大行進の前日までの物語を視聴し、授業を終えました。
さいごに
英語の教科書を読むだけでは、どうしても「出来事の説明」で終わってしまいがちですが、映像や対話、問いを重ねていくことで、生徒たちは次第に「もし自分だったら、どうするか」と考え始めたように思います。キング牧師の生き方や思想は単なる歴史知識ではなくて、今を生きる自分たちの姿勢にもつながる問いを投げかけてくれる存在なのだと改めて感じました。
次回はいよいよ、ワシントン大行進と「I Have a Dream」スピーチに入っていきます。
補足

奴隷解放宣言の後、100年は変わらなかった。奴隷解放宣言から公民権法成立までの間でキング牧師が生まれたことが分かる年表ですね。
