脳梗塞発症七周年「今も回復継続中」第Ⅲ部(後編)TMS療法,ミューズ細胞,なんちゃってCI療法
第Ⅲ部(後編)
本記事は下記記事の続編です。
16.TMS療法
2019年、9/11からTMS療法を受けるため
東京慈恵会医科大学附属 第三病院
に入院しました。
TMS療法とは経頭蓋磁気刺激
(Transcranial Magnetic Stimulation:)
の略であり、頭皮近くにコイルを設置し、
電流によって発生する磁場を利用して
脳の特定領域を非侵襲的に刺激する治療法です。
脳卒中(脳梗塞や脳出血)の後遺症、
特に運動機能障害や認知機能障害改善を目的とし、
リハビリテーションの一環で注目されています。
TMSは磁気を用いるため、
痛みがほとんどないのが特徴です。
『脳卒中治療ガイドライン2021改訂2025』では、
TMS(経頭蓋磁気刺激)療法が
リハビリテーション領域において推奨度B
に位置づけられています。
TMS体験では
脳の運動野に磁気が当たると磁気パルスに応じ
ビクンビクンと右手が反応して動く。
自覚反応はないと思っていたので
意外で面白かったです。
rTMSをうっている間は
寝ている方が効果的という論文もあるそうで
寝ようとしたがなかなか寝られず
40分の時間の終わりの近く、
ちょっとうとうとしたところで終わり。
第三病院にTMS装置は1台のみ。
デンマーク製です。一台1000万円なり。
本院には2台あるとのこと。
rTMSは非侵襲的療法なので、いたって気楽でした。
rTMS直後、OTが効果的とのことで
その後OTを午前、午後1回ずつと
計2回みっちりやりました。
TMS療法入院二週間の回復状況は以下の通り。
【簡易上肢機能検査】
■入院時97点→退院前日98点に上昇
100点満点でこのプラス1点は非常に難しいです。
それまで促通反復療法(川平法)リハビリ中に
かなり改善していたので。
各種検査で4秒から最大10秒速度が向上。
■握力:入院時24kg→退院前日25kg
■サックスを持ち込み毎日TMS後に練習
サックスの持ち込みを許可してくださったばかりか
練習用の部屋まで用意してくださり、
大変ありがたかったです。
17.なんちゃってCI療法
CI療法(Constraint-Induced Movement Therapy、制約誘発運動療法)
CI療法は、脳卒中後の上肢麻痺に対する
リハビリテーション手法として、
CI療法が「学習性非使用(learned non-use)」
の克服や運動機能の向上に寄与すると
評価されています。
2009年版(脳卒中治療ガイドライン2009)
CI療法がリハビリテーションの推奨項目として
初めて明確に記載され推奨度A:
高いエビデンスレベルに基づき、広く推奨
と評価されています。
CI療法は知っていたものの、
実施しなかったことが唯一心残りです。
その代わり、入院中、退院後
自分なりに非麻痺側の右手は使わず
徹底して麻痺側の左手を使うようにしていました。
目的は、二つ。
1つ目は
脳の可塑性(神経可塑性)の活用
非麻痺側の上肢を拘束することで
患側の使用を強制し、脳の神経回路の
再編成を促進すること。
反復的な患側使用により、
脳の運動野や関連領域
(一次運動野、補足運動野など)で
シナプスの強化や新たな神経接続の
形成が起こります。
また、感覚運動皮質の再マッピングが進行し、
患側の運動制御に関与する領域が拡大・強化
されることが研究で示されています。
2つ目は下記の防止です。
・「学習性非使用(learned non-use)」
・「廃用症候群」
それを私は「なんちゃってCI療法」と
名付けていました。
例えば、どうしても使えない場合を除き、
スイッチ、ドアノブ操作、仕事・家事全般
に麻痺側の左手を使う。
入院・外来リハビリと相乗効果が上がった
と確信していますし、今も継続中です。
18.ミューズ細胞治験トライ(適用ならず)
■ミューズ細胞とは
(Muse細胞、Multilineage-differentiating Stress Enduring cells)は、
2010年に東北大学大学院医学系研究科の
出澤真理教授らによって発見された
多能性幹細胞の一種です。
外胚葉、中胚葉、内胚葉の
あらゆる細胞に分化可能でありながら、
腫瘍形成のリスクが極めて低い。
■自己修復機能:
損傷した組織に集まり、
自動的にその組織の細胞に分化して
修復する能力を持つ。
免疫抑制剤が不要で、
ドナー由来の細胞でも安全に使用可能。
■簡便性:
ES細胞やiPS細胞とは異なり、
分化誘導が不要で、投与後
自ら損傷部位を認識して修復する。
■適用可能分野
ミューズ細胞は、
脳梗塞、心筋梗塞、脊髄損傷など、
多様な疾患に対する治療の可能性が
期待されています。
■脳卒中治療への適用
脳卒中治療(特に脳梗塞)では、
ミューズ細胞は損傷部位に集積し、
神経細胞やグリア細胞に分化し組織を修復。
さらに、抗炎症作用、血管保護作用、
組織保護作用を発揮し、
長期的な機能回復を促す。
■治療方法:
ミューズ細胞製剤「CL2020」を静脈投与し、
体内に不足するミューズ細胞を補充。
損傷部位に自ら集まり、修復を行う。
2018年、脳梗塞発症3ヶ月頃
ミューズ細胞を開発している三菱化学傘下
生命化学インスティテュートに
同窓生(薬学部)が勤務していたので
ミューズ細胞の治験があることを
教えてもらいました。
東北大学の治験に
応募しようとしたのですが、
残念ながら私には適用がなく
治験参加はできませんでした。
でも一応トライしたことで
後悔はないです。
治験結果は目覚ましいようで
今後の脳卒中治療では再生医療が
根本的対策になると期待されます。
19.自動車の運転が再び可能に
退院後、車の運転にもう一度チャレンジ
しようという気になってきました。
入院当時は、麻痺手の左腕も手先も
思うように動かないので、
もう一生運転することはなかろうと、
神奈川リハビリテーション病院に有った
ドライブシミュレーターなどにも
関心を示しませんでした。
退院前後から、見違えるように
左腕や手首、指が動くようになったので、
再度運転してみようかという気になったのです。
医師に診断書を書いてもらい、
発症1年1ヶ月と10日後
二俣川の免許センターで、
臨時適性検査を受けました。
脳卒中患者であるにも関わらず、
この臨時適性検査に合格せず
運転していると、
道路交通法違反となります。
もし事故を起こした場合、
保険も出ません。
【自動車運転臨時適性検査項目】(6項目)
視野内の対象認識と識別
アクセルと緊急ブレーキの対応
サイドブレーキの操作
マニュアルシフトレバーの操作
ステアリングの操作
原付運転の一連の操作
原付は実際の原付での動作
それ以外はドライブシュミレーター
で検査しましたが、
退院直後だと合格しなかっただろうと思いました。
特にサイドブレーキが意外に固く
操作できないと不合格だそうなので、
半年前でも無理だったかもしれない。
ともあれ運転が認められるまで回復
したので、ぐっと活動範囲が拡がりました。
最後まで記事をご覧いただき、
誠にありがとうございました。
今後も幸福に関連する記事と併せて、
投稿してまいりますので、
好き・コメント・フォローなど
いただけますとありがたいです。
イーハピネス株式会社 代表取締役 松島紀三男*プロフィール*
*次回予告*
20.Saxでリハビリ
21.カムバック演奏
JazzライブでSax演奏
22.発症6ヶ月以降を維持期(慢性期)と呼ぶのに反対,名称変更を提案
「維持期(慢性期、生活期)」呼称廃止、リハビリ継続と回復効果を想起させる名称への変更を求める
「維持期」呼称廃止、名称変更提起の理由
「回復の事実」は「定説」より奇なり!
23.退院後リハビリ-療法の選択と回復効果
第Ⅳ部 リハビリ終了から現在まで
24.常在リハビリ人生
自主トレ継続
趣味でリハビリ(Sax、写真、模型工作)
家事でリハビリ
脳幹梗塞発症
25.現在の回復状況進捗
26.自主トレは毎日・月月火水木金金
27.担当医師、PT,OP,STの方々とのアクティブなコミュニケーションの必要性
おわりに
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