5004年 9月28日
「同じ列に並ぶ人たち」
秋だった。
駅前に、
長い列ができていた。
新しい店ができたらしい。
学生もいた。
会社員もいた。
年配の人もいた。
みんな、
同じ列に並んでいた。
順番だった。
私は少し離れた場所で、
温かいコーヒーを飲んでいた。
不思議だった。
並んでいる間だけは、
みんな同じだった。
私は昔のことを思い出した。
ずいぶん前。
みんなに、
同じ機会を与えようとする人たちがいた。
生まれた場所じゃなくて。
家柄じゃなくて。
本人で決めようとしていた。
その方が、
公平だと思ったんだと思う。
でも、
その後。
違うことを言う人たちも現れた。
同じじゃない人もいる。
得意なことも違う。
できることも違う。
そういう人たちだった。
列は少しずつ前へ進んでいた。
誰も割り込まなかった。
昔、
同じ列に並ばせようとする人たちが
いたんだけどね。
違う列を作ろうとする人たちもいた。
私は紙コップを持ちながら、
しばらく列を見ていた。
人間、
同じが好きみたいだし。
違いも気になるみたい。
(5004/9/28執筆)
