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観測手帳|SNS参与観測編①

「炎上商法は、性格より構造に近かった」

Xのアルゴリズムが変わったらしい、という話を見かけた。

技術的な真偽までは分からない。

ただ、どうやら今後は——

・滞在時間  
・プロフィール遷移  
・フォロー転換  
・ミュート、ブロック  

——そういったものが、以前より重視される方向へ向かっているらしい。

もしそうなら。

少し静かな変化が起きるかもしれない。

昔のSNSは、強い反応を引き出せる人が
強かった。

怒らせる。  
煽る。  
対立の輪郭をくっきりさせる。

すると、引用、リプライ、スクショ、議論
が広がる。

プラットフォームからは、
“盛り上がっている場所”
に見える。

だから、そういう投稿が伸びやすくなる。

人は、少しずつ適応する。

“通る話し方”を、
体で覚えていく。

これはSNSだけの話ではない。

昔いた職場でも、
怒鳴る人ほど話が通る場所があった。

しばらくすると周囲も、
だんだん声が大きくなっていく。

評価される方向へ、
人は自然と寄っていく。

それはたいてい、
本人も気づかないうちに。

だから炎上商法というのは、

「性格の悪い人間の戦略」
というより——

その環境で、
最も報酬効率が高かった適応。

そう見たほうが、
実態に近い気がする。

ただ、もし今後のSNSが、

「怒らせる」
より、

「見続けたい」

を、わずかに重視し始めるなら。

強い、とされる人間像も、
少し変わるかもしれない。

刺激が強いだけの人ではなく。

振り向いたあと、
もう少し見ていたくなる人。

少し長く見ていると、
その人の見てきたものが滲む人。

そういう方向へ、
重心が移っていくのかもしれない。

アルゴリズムは、
ただの技術に見える。

でも実際は——

「何を報酬として与えるか」

の設計でもある。

だから、
アルゴリズムが変わると。

人間も、
少しだけ変わる。

静かに、
でも確実に。

(2026/5/16執筆)


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