見出し画像

【症例報告】台風の翌朝に動いた大家だけが 屋根修繕費280万を火災保険で回収できた全手順

診断から入ります。

台風の翌朝、屋根の板金がめくれた築30年の1棟。修理見積は312万円。私が最終的に自腹で払ったのは32万円でした。差額の280万円は、火災保険の風災補償から出ています。

若先生から、先週の木曜にメールが来ました。

「先生、去年の台風でうちのアパートの雨樋とカーポートがやられて、自費で87万円払いました。今さらですが、あれって保険で出たんでしょうか。もう1年経ってるので諦めてますが、一応先生の意見を聞きたくて」

診断から言いましょう。まだ間に合います。火災保険の請求権は、保険法第95条により『3年』です。1年前の被害なら、あと2年の猶予がある。あなたが払った87万円は、いま動けば戻ってくる可能性がある金額です。断言はしません、契約と査定次第ですから。でも、動かなければ2年後に自動的に0円になる。これだけは確実です。2026年8月時点の情報です。

【この記事でわかること】
1. 火災保険の「風災」が、どこまでを面倒みてくれるのか
2. 申請サポート業者の手数料相場と、彼らのビジネスモデル
3. 免責金額の設定が、あなたの請求を丸ごと殺している話
4. 私が築30年1棟で280万円を回収した申請の順序
5. 3年の時効で、いま何円が消えかかっているかの計算
📌 あわせて読みたい
【売却査定の前に】新築ワンルームで手残りゼロの人へ 保有継続で黒字化する5手と地銀への打診順
【症例報告】サブリース家賃30%減額、新人大家だった私の全記録

🏚️ 火災保険が火事以外に払っている金額

まず、大前提を壊します。

火災保険という名前が、この国の家主から何十億円を奪ってきたか。名前が悪いんですよ。あれは実質「建物総合保険」です。火事で払われる保険金は、支払全体のごく一部でしかない。

私が保有する14法人・築古中心のポートフォリオで、2018年から2026年8月までに受け取った保険金の内訳を出しましょう。

火災、0円です。8年間で1円も出ていない。かわりに風災が731万円出ている。

これが実務の景色なんですよ。あなたが毎年払っている火災保険料は、火事のためではなく『屋根と雨樋と外壁のため』に払っている。そう捉え直した瞬間から、回収が始まります。

💡今日できる1アクション:保険証券を出して「風災」の欄に✓が入っているか見てください。それだけで今日は充分です。

保険証券、いまどこにありますか。押し入れの奥で、確定申告の紙束に紛れていませんか。契約書 収納ファイル A4なら1,000円台で、証券・見積書・被害写真のプリントを1冊にまとめておけます。鑑定人が来た日に「ちょっと待ってください」と部屋中を探す家主と、その場で全部出せる家主とでは、心証からして違います。

🌪️ 風災の定義がどこまで伸びるか

「風災」と聞いて、あなたは台風を思い浮かべたはずです。それが最初の誤診です。

約款上の風災は、こう定義されています。台風、旋風、竜巻、暴風。つまり『強い風が原因の破損すべて』。ここに時期の限定はないし、実は「台風何号」という特定も、多くの契約では必須ではない。

私が実際に保険金を取った風災の中身を並べます。

・屋根の棟板金が浮いた ー 台風21号の翌朝、2018年9月
・雨樋の集水器が外れて落ちた ー 春一番、2021年2月
・ベランダの隔て板(蹴破り戸)にひび ー 突風、2022年4月
・アンテナが傾いた ー 台風14号、2022年9月
・外壁の一部シーリングが裂けた ー 2024年、風で飛来物が当たった痕

『風で壊れたもの、全部』です。

若先生が自腹で払った87万円のカーポートも、風災の対象になる契約が多い。ただし条件がある。カーポート・門・塀・物置は「建物付属設備」として保険の対象に含まれているかどうか、証券で確認が要ります。ここが外れている証券が、実に多いんですよ。

━━ 誤診しやすい3点 ━━
1. 経年劣化は対象外。でも『風で悪化した』なら対象になりうる
2. 「1回の事故で20万円以上」の要件がある古い契約が存在する
3. 免責(自己負担)の設定額が、請求の生死を分ける

3番目が本丸です。後で数字で殴ります。

約款の文言は、正直に言ってしんどい代物です。読み慣れていないと、どこが免責でどこが対象かの境目が掴めない。火災保険で損しない本1,500円前後で、保険法の骨格と請求実務がひと通り頭に入ります。私も開業当初、これで約款の読み方を一通り叩き込みました。

💸 私が280万円を取った台風の翌朝

ここは失敗と成功が半々の話です。

2023年9月、台風13号。千葉に持っている築30年・鉄骨造2階建て6戸。翌朝に管理会社から電話が来ました。「2階の入居者さんから、天井にシミが出てると」。

私はその日、外来の当直明けでした。行きたくなかった。正直、疲れていました。

でも行きました。理由は単純で、私は2019年に一度、ここで泣くほど悔しい思いをしているからです。

その2019年の話をします。埼玉の木造アパートで、台風15号のあと屋根の一部がめくれた。私は「まあ古いし、経年でしょう」と自己判断して、業者に頼んで68万円で直しました。保険には出しもしなかった。

半年後、同じ棟の別の箇所で雨漏りが出て、そのとき初めて保険屋を入れたんです。鑑定人が屋根に上がって、こう言いました。

「これ、めくれの跡が風向きと一致してますね。前の分も出せましたよ」

——絶句しました。68万円、私が捨てた金です。すでに直してしまっていたから、被害の証明ができなかった。写真も撮っていなかった。

だから2023年の台風13号のときは、当直明けの体で現地に行きました。そして『直す前に』全部撮った。

結果、認定された保険金は280万円。内訳はこうです。

認定率89.7%。悪くない数字でした、私の場合は。

自己負担は32万円。あの日、当直明けで千葉に行ったことの時給を計算したら、とんでもない額になります。

現場に走ったあの日、スマホの充電は途中で半分を切っていました。写真を47枚撮って、鑑定人と電話をして、管理会社ともやり取りして——バッテリーは想像以上に減ります。モバイルバッテリー 小型なら3,000円ほどで手のひらサイズ、カバンに入れっぱなしにできます。撮影の途中で電源が落ちたら、それこそ証拠ごと消えます。

⚠️ここが最大の教訓:『修理してからでは、金は戻らない』。順序が全てなんですよ。


🏢 申請サポート業者という商売の中身

ここから、少し口調が変わります。

「火災保険で無料修繕」「保険金がおりなければ費用は0円」——このチラシ、あなたのポストにも入っているはずです。彼らのビジネスモデルを、数字で開示します。

申請サポート業者の手数料相場は『受取保険金の30〜40%』です。相場の中心は35%

私の280万円で計算しましょう。

35%の業者に頼んだ場合:手数料98万円、手残り182万円
・自力+提携業者で申請:手数料0円、修繕見積の実費のみ、手残り280万円

98万円の差です。

ただし、公平に言います。この業者たちが全員悪ではない。屋根に上がるという行為には、実際に死亡リスクがある。私は医師なので、転落事故の患者を診てきました。2階建ての屋根から落ちて、脊髄損傷。あれを自分で背負う覚悟がないなら、外注は合理的です。

問題は別のところにあります。

━━ 業者が言わない3つのこと ━━
1. 契約書に『解約時に保険金の50%を違約金として支払う』条項が入っている例がある
2. 「工事を弊社でやること」が条件になっており、工事単価が相場の1.4倍になっている例
3. 保険金が出ても『使途は自由』なのに、あたかも工事必須のように説明される

3番目、業界の内側の話をします。

保険金は、原則として使途自由なんですよ。屋根を直さずに、他の物件の頭金にしてもいい。これは違法でも規約違反でもない。ただし、『次に同じ箇所で事故が起きたとき、未修理を理由に支払われない』というリスクを背負う。私はこれを「借金」だと思っています。

そして、業者はこれを絶対に言いません。言ったら、工事の受注が消えるからです。

——ああ、それは"契約を取るための説明"です。あなたの物件を診てはいない。

💡今日できる1アクション:ポストのチラシを1枚拾って、手数料の%が書いてあるか探してください。書いていなければ、その時点で怪しい。

⏳ 3年の時効で、いくら消えかかっているか

保険法第95条。保険給付を請求する権利は、3年間行使しないときは時効によって消滅する。

これ、めちゃくちゃ大きい話なんですよ。

つまり、2023年8月以降に起きた風災・雪災・水濡れは、いまも請求できる。あなたが自費で直したものも含めて、です。

領収書、といえばです。台風のあとに払った修繕費の紙は、だいたい財布かレジ袋の中でしわくちゃになっています。レシート・領収書 整理ケース800円くらいの安いポーチですが、日付順に放り込んでおくだけで、3年後の自分を助けます。

日本を襲った主な風災を、時効カレンダーにします。

そして、2023年8月に起きた被害は、いまこの瞬間に時効を迎えつつある。

若先生の87万円は、去年の被害だと言っていました。まだ2年ある。

あなたはどうですか。この3年のあいだに、屋根を直した記憶はありませんか。雨樋を交換した領収書は、まだ手元にありませんか。

💎 この続き(有料パート)で手に入るもの
✅ 私が280万円を取った『申請の順序5手』ー どの順番で誰に何を言うかの全手順
✅ 免責金額の設定別・請求可否の早見表(あなたの証券がどのタイプか3秒で判別)
✅ 過去被害を掘り起こす「時効前チェックリスト」14項目
✅ 鑑定人が来る日に、絶対に言ってはいけない言葉と、言うべき言葉
✅ 申請サポート業者を使うべき人・使ってはいけない人の判定式
あなたの物件は、この3年で何回の風に晒されましたか。屋根に上がったことは、一度でもありますか。コメントで教えてください。同じ症例の相談が多ければ、次の講義で取り上げます。

ここから先で、その「申請の順序」を、私が実際に踏んだ順番のまま全部出します。

📋 申請の順序5手(このとおりに動いてください)

先に順序だけ書きます。順番を間違えると、金額が落ちます。

━━ 5手 ━━
第1手:撮る(修理より先。絶対に先)
第2手:保険会社に「事故連絡」だけ入れる(見積は出さない)
第3手:修繕見積を『事故起因』の書式で取る
第4手:鑑定人立会いに、あなたが同席する
第5手:認定額に納得できなければ、根拠を添えて再査定を求める

以下、1手ずつ実弾で解説します。

第1手:撮る(これが280万円の8割を決めた)

台風の翌朝、私が千葉で撮った写真は『47枚』です。

撮り方に決まりがあります。

・遠景1枚(建物全体が入る。日付が写り込む設定に)
・中景(損傷箇所を含む面全体。他の面との比較用に、無傷の面も撮る)
・近景(損傷部のアップ。メジャーやスケールを添えると強い)
・室内(雨漏りのシミ、床の水濡れ)
・周辺(近隣の飛来物、倒れた自転車、折れた枝ー『風があった証拠』になる)

メジャーは、100均のもので構いません。ただコンベックスメジャー 5.5mのような伸びるタイプが1本あると、屋根の上でも片手で扱えて、破損の幅をそのまま写真に写し込めます。500円台のものが、査定の説得力を底上げします。

★最重要★ 「近隣の被害」を撮ってください。隣家の屋根が同様にめくれている写真は、経年劣化ではなく風災であることの状況証拠になります。私はこの写真を3枚添付しました。

スマホで撮れば位置情報と日時が記録されます。これを消さないでください。鑑定人にとって、これほど強い証拠はない。

⚠️やってはいけない:ブルーシートを掛ける前に撮る。応急処置は撮影後です。ただし、二次被害の拡大を防ぐ義務(損害防止義務)はあるので、撮影は5分で終えて、すぐ養生してください。

第2手:事故連絡だけ入れる(見積を先に出すな)

多くの家主が、ここで損をします。

修繕業者に見積を取ってから保険会社に電話する。これ、順序が逆なんですよ。

理由を言います。先に見積を出すと、その金額が『上限』になる。逆に事故連絡を先に入れると、保険会社は「どんな損害ですか」と聞いてくる。そこで損傷箇所を全部列挙できる。

私が2023年に電話で伝えた項目は、この5つでした。

1. 屋根の板金が浮いている(2階から目視で確認)
2. 屋上に水たまりができている(防水層の可能性)
3. 外壁の目地に裂けがある
4. 雨樋が1本外れている
5. 2階居室の天井にシミ(入居者から報告)

この5つが、そのまま280万円の内訳になりました。

★言い方のテンプレ★
「9月◯日の台風により、建物に複数箇所の損害が発生しました。損傷箇所は現時点で5箇所を確認しています。写真は撮影済みです。事故受付をお願いします」

これだけ。金額の話は一切しない。「いくらぐらいですか」と聞かれたら、「これから見積を取ります」で通します。

第3手:見積は『事故起因』の書式で取る

ここが職人技です。

修繕業者に見積を頼むと、多くの業者は「屋根改修工事一式 148万円」と書いてきます。これでは通りません。

必要なのは、こう書かれた見積です。

「令和◯年◯月◯日の台風による棟板金の浮き・飛散に伴う復旧工事」

『事故名』『日付』『因果関係』を1行目に入れてもらう。これがあるかないかで、認定率が変わります。

私は業者にこう頼みました。

「保険申請用なので、事故日と原因を明記した書式でお願いします。あと、経年劣化部分と事故部分が混在する箇所は、分けて記載してください」

分けてもらうのが肝心です。混ざっていると、保険会社は全体を「経年」と判断する口実にできる。分かれていれば、事故部分だけは通ります。

私の見積書では、屋上防水96万円のうち、経年部分18万円・事故部分78万円と分けてありました。認定は82万円。事故部分より多く出ています。周辺の巻き込み補修が認められたからです。

🔍 鑑定人が来る日の立ち回り

鑑定人(損害鑑定人)は、保険会社が委託した外部の専門家です。彼らの判断が、金額を決めます。

ここでの立ち回りが、最も差が出ます。

━━ 絶対に言ってはいけない言葉 ━━
・「まあ、古い建物なので」← 自分で経年劣化を認めている
・「前から少し傷んでたんですけど」← 事故との因果が切れる
・「いくら出ますかね」← 交渉の主導権を渡す
「業者に◯◯万円って言われてまして」← 上限を自分で設定する

━━ 言うべき言葉 ━━
・「台風の翌朝に確認したところ、この状態でした。前日は問題ありませんでした」
・「近隣でも同様の被害が出ています。写真があります」
・「入居者から◯月◯日に報告を受けています。記録があります」
「他に見落としがないか、一緒に確認していただけますか」

最後の一言が効きます。鑑定人は職業上、見落としを指摘されるのを嫌う。だから「一緒に見てほしい」と言うと、彼のほうから箇所を増やしてくれることがある。

私の280万円のうち、外壁シーリング28万円は、鑑定人が見つけてくれた分です。私の見積には入っていませんでした。

⚠️必ず同席してください。管理会社に任せると、この会話が発生しません。

📊 免責金額別・請求可否の早見表

ここが、記事の核心です。

あなたの保険証券には「免責金額」または「自己負担額」という欄があります。ここの設定で、請求できる被害の下限が決まる。

最下段の「フランチャイズ方式」に注意してください。

これは古い契約(概ね2015年以前)に多い方式で、『損害額が20万円以上なら全額、19万円なら1円も出ない』という設計です。

私が保有する物件のうち、2013年に承継した1棟がこれでした。雨樋の被害18万円1円も出なかった。

このとき私は学びました。フランチャイズ型なら、『損害を積み上げて20万円を超えさせる』のが正解だと。

つまり、雨樋だけで申請せず、同じ台風で起きた外壁・アンテナ・カーポートを全部まとめて1事故として申請する。18万+7万+4万で29万円20万円を超えるので、29万円が全額出ます。

━━ あなたの証券の判別法(3秒) ━━
1. 「免責金額」の欄に金額が書いてある → 控除方式(その額を引かれる)
2. 「20万円以上の損害の場合」と書いてある → フランチャイズ方式
3. どちらも書いていない → 免責なし。最強です

✅ 時効前チェックリスト14項目

過去3年を掘り起こします。ひとつでも✓が付いたら、請求できる可能性があります。

コピーして使ってください。

━━ 屋根まわり ━━
□ 屋根の一部が浮いた・剥がれたことがある
□ 棟板金・鬼瓦がずれた
□ アンテナが傾いた・倒れた
□ 屋上防水にふくれ・破断が出た

━━ 外まわり ━━
□ 雨樋が外れた・割れた・詰まった
□ 外壁にひび・シーリング裂けが出た
□ カーポート・物置・フェンスが壊れた
□ 看板・照明が落ちた

━━ 室内・設備 ━━
□ 天井や壁にシミが出た
□ 給排水管から水漏れした(水濡れ補償)
□ 給湯器が故障した(破損・汚損で通る例あり)
□ 窓ガラスが割れた

━━ その他 ━━
□ 雪で何かが壊れた(雪災)
□ 入居者が壁を破損した(破損・汚損)

私の経験では、この14項目のうち平均で3〜4個は✓が付きます。1件平均は前掲の表のとおり、風災66万円・水濡れ41万円でした。

3項目で、100万円を超える計算になります。

⚖️ 業者を使うべき人・使ってはいけない人

判定式を出します。

━━ 使ったほうがいい人 ━━
・自分で屋根に上がれない、上がる気がない(★安全上、正しい判断です★)
・保有が1〜2棟で、年に1回あるかないかの頻度
・本業が忙しく、平日昼の電話・立会いに出られない
・手数料35%を払っても、自力申請ゼロよりマシと割り切れる

━━ 使わないほうがいい人 ━━
・3棟以上を保有し、今後も申請機会が続く(★ノウハウが資産になる★)
・提携の修繕業者がすでにいる
・保険代理店と直接の関係がある
・過去に自力申請の経験が1回でもある

私は3棟目を持った時点で自力に切り替えました。理由は単純で、この8年で24件申請しているからです。24件×35%の手数料を払っていたら、400万円以上が消えていた計算になります。

そして、もうひとつ。★申請サポートを使わない最大の理由★を言います。

保険代理店との関係が壊れるんですよ。

サポート業者経由の申請が続くと、代理店から「この契約者は請求が多い」というフラグが立つ。次の更新で保険料が上がる、あるいは引受を断られることがある。これは業界の内側の話です。

代理店に直接電話して、「毎年ちゃんと払ってます。今回の被害、相談させてください」と言うほうが、長期では圧倒的に有利です。私は千葉の1棟を担当している代理店の担当者と、8年の付き合いがある。彼は事故のたびに、こちらが気づいていない補償項目を教えてくれます。

これが、35%では買えない関係です。

💊 予後ー請求後に何が起きるか

ここまでのまとめを、先に置きます。

・火災保険の主戦場は風災。私の8年で火災0円・風災731万円
・順序は5手。撮る→事故連絡→事故起因の見積→立会い同席→再査定
・免責の型で請求の生死が決まる。フランチャイズ型は積み上げて20万超えを狙う
・時効は3年2023年8月以降の被害は、いま請求できる

そのうえで、リスクを開示します。医師が予後を語らないのは誤診と同じですから。

━━ 起こりうること ━━
1. 保険料の上昇:請求の多い契約は、更新時に料率が上がる例があります。私の千葉の1棟は、2023年280万円請求の後、更新で年間保険料が18万円から23万円になりました。5万円増。280万円との比較で、私は受け入れました。

2. 引受拒否:築古かつ請求頻発の場合、更新を断られることがあります。私は2020年に1棟で経験しました。別の保険会社に切り替えて解決しましたが、条件は悪くなりました。

3. 認定額が見積を大幅に下回る:これが最も多い。312万円申請で280万円は良いほうです。半分以下になる例も普通にあります。

4. 未修理のまま次の事故が起きたとき:同一箇所は支払われません。保険金を修繕に使わない選択は、この借金を背負うことです。

若先生、焦らないでください。焦った家主から、業者の餌食になります。

まず、証券を出す。免責の型を確認する。過去3年を思い出す。それだけを今週やってください。

🔚 まとめー数字で締めます

私が8年で回収した保険金は1,155万円でした。うち風災が731万円。火災は0円

そして2019年に、私は68万円を捨てています。写真を撮らずに直したからです。

あなたが今週やることは、たった3つです。

1. 保険証券を出して、免責金額と補償範囲を確認する(所要10分)
2. 14項目のチェックリストに✓を付ける(所要5分)
3. ✓が付いたら、修繕業者ではなく『保険代理店』に先に電話する(所要3分)

順序を間違えないでください。修繕業者に先に電話すると、直されてしまう。直されたら、証拠が消える。証拠が消えたら、金は戻らない。

これが2019年の私の68万円が教えてくれたことです。

━━━ 損失警告 ━━━
2023年8月の台風被害は、今月で時効を迎えます。9月に入ったら、その分は0円です。あなたが去年・一昨年に払った修繕費の領収書、今夜のうちに探してください。手元にある領収書の日付が2023年8月なら、今週が最後の週です。来週では遅い。

あなたの物件は、この3年でいくつの風に晒されましたか。チェックリストで何個✓が付いたか、コメントで教えてください。

──

本日の診察は以上です。この記事が判断の助けになったなら、「スキ」を押していってください。
フォローしていただくと、月に数本の症例と処方箋をお届けします。
質問はコメント欄へ。すべてには返せませんが、多い質問は次の講義で取り上げます。

──

※本記事は筆者の投資記録と見解の共有であり、投資勧誘・助言ではありません。保険金の支払可否は個別の契約内容および査定によって決まります。投資判断・保険請求の判断はご自身の責任で。

【出典一覧】
・保険法(平成20年法律第56号)第95条 消滅時効
・損害保険料率算出機構「火災保険・地震保険の概況」
・一般社団法人日本損害保険協会「住宅の火災保険 補償の範囲について」
・国民生活センター「『保険金が使える』とすすめる住宅修理サービスのトラブル」
・気象庁「災害をもたらした気象事例」

📚 関連記事 (Dr.蒼の他の記事)
【売却査定の前に】新築ワンルームで手残りゼロの人へ 保有継続で黒字化する5手と地銀への打診順
【症例報告】サブリース家賃30%減額、新人大家だった私の全記録
【地銀は黙ってる】固定金利4%超えより家主が焦るべき数字
【誤解されています】フラット35は賃貸禁止ではない、貸せる3条件
開業のご挨拶。投資総額55.8億の医師が「不動産の診察室」をはじめます

#お金について考える #不動産投資 #火災保険 #大家さん #築古アパート #賃貸経営 #風災 #保険金請求 #収益物件 #台風対策

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集