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手に乗らならないデグー|そして、私が忘れていた答え


嫌われてはいない…。
──でも、どうしても手に乗らない。


そんな悩みを抱えているあなたへ。

今回は、我が家の初代デグーぴっちゃん♀、
そして二代目ポコタ♂との暮らしの中で私が学んだ、──「手乗りについてのお話」 です。

デグーが手に乗らない原因、それは必ずしも警戒心の強さだけではない。それが今回の経験を通して、
私が改めて気付かされたこと。

もしかしたら、その子なりの不安や環境が関係していることもあるのかもしれない。

──そんな話をしていきます。



──初代 ぴっちゃん♀──


◇ はじめに──


私は7年間、初代デグーのぴっちゃん♀と暮らしてきました。その時の経験から、

・安心してもらうこと
・信頼関係を育てること
・少しずつ手に慣れてもらうこと

こうしたデグーが懐いてくれるまでの流れについては、ひとつの経験を経ていました。

だからこそ、ポコタ♂をお迎えした時も、
きっと同じように手に乗ってくれる

そう自信に満ちていたんです。

ですが──、
現実は少し違いました。


──ポコタ──


◇ 信頼関係は順調だった


生後2ヶ月でお迎えしたポコタ。
お迎え直後はとてもデリケート、そんな時期も
無事に乗り越え、

回し車も元気に走る。
ケージ越しに近づいてきてくれる。
マッサージも嫌がらない。
手渡しおやつも食べてくれる。

一見すると、とても順調です。

少なくとも、
この人は嫌だ…
この人は怖い…

そんな風に思われているような様子は、
ポコタからは感じませんでした。

そこで私は、
次のステップへ進もうと思ったんです。


◇ 手が怖くないことを知って貰う


まず行ったのは、"ケージの中への腕入れ" です。
それは一体どういうことかと言うと、

"ケージに腕を入れ、ただじっとしている"
それだけです。

動かさない。
触らない。
追いかけない。

──力を抜いて、そこに腕を置いておくだけ

最初は腕に警戒していたポコタも、何も起こらないとわかると、興味を持ってチョコチョコと自分から腕に近づいてきます。

そして、

匂いを嗅ぐ。
腕を軽くカミカミ。
離れては様子を見る。
そしてまた来る。
腕に手を置いてカミカミ。

この繰り返しです。


ポコタにとって、
知らない人の手は未知の存在

私という人間に対し、まだまだ半信半疑です。

だからまずは、
この手は何もしない
この人は安全だ

そう、覚えてもらうことから始めました。

これは7年暮らした"ぴっちゃん♀"の時にも行っていた方法です。

──ぴっちゃん──


◇ 後ろ足だけは、絶対に乗せない


いよいよポコタも手乗り練習です。

以前に書いた記事でもお話したように、
手乗りにはステップがあります。

その記事がこちら


簡単に説明すると、まず手の平におやつを置き、
段階的に手の上に誘導。最終的には左手を添え、
右手に持ったおやつで誘導し、手に乗って貰う。

──そんなイメージです。


ところが、ポコタはというと…。

とても頑固でした。笑
本当に頑固。

ちょこんと前足だけは乗せるんです。
でも、後ろ足だけは絶対に乗せない。笑

オヤツまであと一歩。
──もう数センチ…。

ポコたん…手に乗れば届くんだよ??

……でも乗らない。笑


じゃあ、届かないならどうするか??

──諦めるんです。笑

大好きなおやつを目の前にしても、
「フン、それならいいです」と言わんばかりに
回し車へ Let's Go。

「そこまでして手に乗りたくないのね……」
と、思わず笑ってしまうほどでした。

練習は毎日少しずつ、無理なく継続。

可哀想なので、手に乗れなくてもオヤツだけはちゃんとあげます 笑。

この練習を繰り返すうちに、気まぐれに時々は手に
乗ってくれる、そんなことはありました。

ですが本当に一瞬。
ササッとおやつを奪って即離脱です。笑

デグーのこの感じ、意外と共感してくれる飼い主さんも多いのではないでしょうか?

正直に言うと、この頃の私は、
ポコタは意外にも警戒心が強い子なんだな…
そう思っていました。

というのも、CHocottoさんでのお迎え当時、
店内でのポコタは元気で活発、実際に手を怖がる
様子もなくふれあえていたからです。

ポコタのお迎え当時のエピソードはこちら


◇ 第2STEP、部屋んぽ解禁


私は一つ気になっていることがありました。

それは、ケージ越しのコミュニケーションには、
"ある一定のところを境に限界があるのでは?
ということ。

もちろん個体にもよるとは思いますが、
例えばケージ越しだと、正面から手でふれあうことはできても、身体全身でふれあうことはできません。信頼してくれてはいても、あくまでケージという安全地帯に守られている中でのふれあい。

個体によっては、それ以上に心の壁を越えるには、ちょっとだけ時間が掛かるということです。

ぴっちゃん♀の場合、数ヶ月は掛かりましたが、ケージ越しのコミュニケーションのみでも手乗りはできてました。

これは私の肌感ですが、ポコタの場合このまま
ケージ越しのふれあいだけでは手乗りになるというイメージが沸かなかったんです。

だとしたら、もっと広い場所で、身体全身を使って一緒に過ごした方が、安心の壁を越えるのは早いのではないか?

そう考えました。


私がケージに近寄れば
「ピルピルピルッ」 と、ご機嫌になるポコタ。

ぴっちゃんの時には滅多に聞くことがなかった
ご機嫌鳴き。ポコタは私の顔を見るなり毎日のようにこの声を聞かせてくれるんです。

手には乗らない…。だからといって、
──懐いていない訳じゃない。


私は以前に、
部屋んぽデビューは手乗りを覚えてから
という内容の記事を書きました。
これは本来、デグーの安全を最優先に考えるなら
この順番だと、私なりに出した結論です。

ですが、今回のポコタの様子を見て、ケージ内での手乗り練習にこだわらず、体全身でふれあえる部屋んぽデビューを優先させる考えに行き着きました。

この判断自体は、今振り返っても間違っていなかったと思っています。


──ですが、

ポコタの部屋んぽデビューで、
私が予想すらしていなかった "まさかの光景"
目の当たりにすることになります…。


◇ ポコタが繰り返す、謎の行動


初めての部屋ん歩デビュー。
ケージの外に出て自由を得たデグーであれば、

いつもとは違う広い空間。
興味津々で徘徊。
走って逃げて。
匂いを嗅いではカジカジカジ。

デグー飼育経験のある方なら、そんな興味津々で
部屋を散策するデグーの姿を想像しますよね。

実際、ポコタも最初のうちはそうでした。
ちょっとだけ探検はするんです。

──ですが、その後すぐに、

突然部屋んぽフェンスの壁に向かってジャンプを
開始するポコタ。

何度も。何度も。何度も…。

上を見上げてジャンプ。
場所を変えてはジャンプ。

壁に向かってジャンプ、ジャンプ、ジャンプ。


ハッキリ言って、
ふれあって遊ぶどころではありません。

サークルに使用していたのは、スケルトンタイプのパネルフェンス。

外が透けて見えるため私は最初、

壁の外へ行きたいのかな?
そう思っていました。

でも、その様子にどこか違和感があったんです。


遊びたい。
あの壁の外へ。
外の広い場所へ行きたい。

そんな好奇心に満ちたジャンプというより、
どこか焦っているような、不安にかられているような姿に見えたんです。


そして私は、後になって気付くことになります。

──ポコタが行きたかった場所
その思いは、まったく別の所にありました。


◇ ポコタが本当に行きたかった場所


それはフェンスの外ではありませんでした。
もちろん、私のところでもありません。


──ポコタが本当に行きたかった場所

それは、
安心の詰まった "大好きな自分のケージ" です。


慣れ親しんだ回し車があり、ぬくぬくと居心地の
良いベッドもある、隠したペレットも齧り途中の
りんごの枝だってあそこに隠してある。

そんな、自分の安心できる空間、
ポコタの中にある "心休まる安心部屋" です。

後から振り返ると、
答えはとてもシンプルでした。

部屋んぽスペースに連れ出されたポコタは、
とても不安だったんです。

そう、それはまるで、

ペットショップから突然連れ出された、
お迎え当初のように……。


だから、安心できる場所へ帰りたかった

──たったそれだけのこと。




実は、お迎え初期に私が設置したケージ環境は
少し特殊でした。

ぴっちゃんの時の失敗の経験もあり、
脱走ができないような作りにしていたんです。

それはどんな設計かというと、収納ケースを2段に重ね、その上にケージを設置。台とケージの幅はピッタシサイズ、ケージの外に出られる余白スペースはありません。

お迎え初期、懐いていないポコタの安全を考え、脱走対策として作った環境でした。


イメージするなら、
ケージ扉を開けた先は、高さ70cmほどの崖下。

言うなれば、"塔の上のラプンツェル"。

そんな状態。

──高さ70cmの崖──
──落ちたらマズイでち (汗)──



この高台ケージを取り囲むようにして、部屋んぽ
スペースを準備していました。

つまり、ケージと部屋んぽスペースは完全に分断されている状態。ポコタから見れば自分で下に降りることはもちろん、ケージに戻ることも出来ません。

仮に誤ってケージから落ちてしまっても、サークルに守られている。そんな二段構えの脱走対策でもあります。

──ですが、
私たち人間に置き換えるなら、
勝手に知らない場所へ連れて行かれ、
自分の家に帰る道が塞がれているようなもの…。


安心できる家は見えている。
──でも帰れない。


だから、上を見上げてはジャンプ。
またジャンプ、ジャンプ。

時に、私の足をよじ登って来ては、
とにかく上を目指すポコタ…。

正直、ここでの手乗りは簡単でした。
ケージ戻して貰える、そう理解しているポコタはすんなりと私の手に乗ってきてくれます。

その手乗りは私を信頼しているのではなく、
ただケージに戻りたいがための手乗り…。
それは、私の思い描いていた手乗りとは全くかけはなれたものでした。

そんな姿を見てわかったんです。
ポコタはずっと答えを教えてくれていました。


どんだけケージに帰りたいんだ 笑


◇ 思い返せばそうだった…


そんなポコタの姿を見ているうちに、ふと当時の
ぴっちゃんの時のことを思い返していました。

──7年前のぴっちゃん。
「あの頃ってどうしてたっけ?」

実は、ぴっちゃんの時も同じような高台の環境の
ケージでした。

ですが、今のポコタとは決定的に違う部分が…


その時はというと、
ケージより一回り大きなテーブルを台にし、
その上にケージを設置。

決定的な違い、
それは、ケージの外にも出られる、
ちょっとした広場的スペースがあったこと。

いわば、
"バルコニーのような場所" です。

ぴっちゃんの時はケージの外に呼び掛け、
ご飯やオヤツをあげる時、いつも外の広場である
"バルコニー" でふれあっていました。

少し狭いながらも、ケージ外の空間
そこで、手乗りはできるようになっていました。

最終的には高台に段差を作り、
ケージから部屋んぽスペースへの移動も自由に。

遊びたくなったら降りられる。
戻りたくなったら帰れる。
不安になったら隠れる場所もある。

今思えば、ぴっちゃんは常に自分の意思で安心を
確保できる環境にいました。

私はそのことを、完全に忘れていたんです。

わかっていたのに、忘れていた…。

7年前の経験を…。


ぴっちゃんにとって当たり前だったあの環境を、
ポコタはジャンプという形で、ずっと私に伝えてくれていました。



◇ 改善したことはただ一つ。


私は、ポコタのケージ環境を変えました。

ケージ台の高さを下げ、
部屋んぽスペースとケージを繋ぐ階段を設置。

ポコタが自分の意思で自由に行き来できる、
──そんな環境へ。


変えたことは、たったそれだけ。


帰りたくなったら戻れる。
遊びたくなったら外に出られる。

その選択権を、ポコタへ返してあげました。


◇ ポコタが変わった日


ポコタはジャンプをしなくなりました。
不安そうに周囲を見回すこともなくなりました。

純粋に部屋んぽを楽しむようになったんです。

走る、
探検する、
ケージへ戻って一休み、

その姿には、心の余裕がありました。


──そして、もっと大きな変化が起こります。


あの手に乗ることさえ拒んでいたポコタが、
横に寝転んでいる私の身体を、まるでジャングルジムを使うように遊び始めたんです。

そう、これはまさに前半でお話した
"ケージ腕入れ"部屋んぽ体全身バージョン"

私は部屋んぽスペースで横たわり、
スマホを弄りながら、じっとしているだけ。
時にリラックスしながら仰向けになって一眠り。


するとどうてしょう。
ポコタが私の足の上を走り、膝へ乗り、
肩へよじ登り、また降りてくる。

お腹に乗ってきてはマッサージを催促。

その姿を見ながら、
「あれ……?」と私は思いました。

気付けば心の距離はとっくに縮まっていました。


ポコタにとって大切だったのは、
無理に手乗り練習をすることではなく、

自分の意思で外に出て、いつでも戻れる。
そんな安心を抱き、私の近くで過ごせること。

その環境が整ったことで、
ポコタの中に心の余裕が生まれたのだと思います。

思い返せば、本当の意味で信頼関係が深まったのは、この頃だったのかもしれません。


◇ 手乗りは、あっけないほど簡単だった


そこまで来ると、
手に乗るのはあっという間でした。

膝に乗って遊んでいるポコタ、
オヤツ瓶を手に取り、そっと左手を差し出せば、
ポコタは自然と手の上に。

足、膝、肩。その場所が、
──ただ手の上に変わっただけのこと。

ケージ内では、頑なに後ろ足を乗せることを拒み、
手に乗ろうとはしなかったポコタ…。

大好きなオヤツでさえも諦めていた。

そんなポコタが、私の手に身を任せ、

えん麦を一口。
続けて、二口。

──まだ降りずにいる…。

その瞬間に思いました。
「ちゃんと、できるようになったね。」

本当に嬉しかったです。


後になって振り返ると、
あの日の感動は "初めて手に乗ったこと" だけ
ではありませんでした。


──その少し前。

ポコタが私の身体で遊び、安心した様子で近寄ってきてくれた。その時点で、答えはもう出ていたんだと思います。

今では、おやつ瓶を手に取れば、
蓋を開ける前から腕に飛び乗ってきます。

「ねぇ、おやつだよね?」
「ボクは準備OKだよ!」

──そう言わんばかりに。

あの頃、後ろ足を絶対に乗せなかったポコタが、
今では自分から手に飛び乗ってくる。

そう思うと、
手乗りの前にやるべきことがある

デグー自身が安心できたその先に、
──手乗りは自然とついてくるもの。

ポコタはそれを、
あらためて教えてくれました。


◇ スペースが作れない─ そんな人へ


ここで一つだけ、お伝えしたいことがあります。

今回の話は、
「広い部屋んぽスペースを作りましょう」
という話しではありません。

実際、安心して遊べる広いスペースがあるに越したことはありませんし、部屋んぽでのふれあいが 、"心の距離"を縮めるのにとても利にかなっているとは思います。

ですが、部屋んぽにもリスクもあるため、
それ相応の準備も必要です。

また、住宅事情やお部屋の作りによっては、
部屋んぽスペースを確保するのが難しいという方もいるでしょう。


そんな場合は、
ケージの外に少しだけ滞在できる
──開放的な空間を作ること。

狭くても外でふれあえる、
"ちょっとしたバルコニースペース"。

そんな環境を作ってあげるだけでも、
デグーにとっては意味があるかもしれません。


デグーにとって、ケージの中は安心できる場所

その一方で、密閉感のあるケージ内だけでは、
ふれあい自体のハードルが少し高いと感じる、
実際そんな子もいると思います。

だからこそ、

ケージの外に出て、デグーが周囲を見渡せる。
そんな開放感のある場所。

それがあるだけで、デグーにも少し心の余裕が
生まれるのかもしれません。

実のところ、ポコタよりも大人しく警戒心が強かったのはぴっちゃんの方。

ですが、ぴっちゃんはバルコニーでのふれあいの時点で、もう手乗りを習得していました。


当初のポコタのような、崖上のケージ環境は、
脱走できないと安心できる反面、ふれあう環境としては向いていなかったんだと思います。

最初は安全のために作った環境。

でも、次のステップに進むには、ポコタが安心して動ける環境に変えてあげる必要があった。

私が今回、ポコタから学んだとても大きな気付きでした。

※ 部屋んぽ準備、これについて初心者さんにはとてもハードルが高いので、また別で記事を書こうと思ってます



 ◇ 手乗りに必要なもの


私はずっと、手乗りを拒むポコタにどうやって
手に乗ってもらおうか、教えることばかり考えて
いました。

今振り返ると、ぴっちゃんとの7年間の暮らしがなければ、私はこの答えにたどり着くことさえ出来ず、今でも悩み続けていたかもしれません。

ポコタの為に、本当に考えるべきだったのは、

──安心できる環境になっているか
その一点でした。

手乗りは教えるものではなく、信頼と安心が揃ったことで、結果として付いてくるもの

そして部屋んぽは、単なるストレス解消の時間ではなく、デグーと飼い主の信頼関係を育てる時間でもあるということ。

ポコタは、ジャンプという形でずっと答えを教えてくれていました。ただ、私がその意味を理解するのに少し時間が掛かっただけ。

もし今、デグーが懐かない、手乗りにならないと
悩んでいる人がいるなら。

私も最初は同じでした。
だから、焦らなくても大丈夫です。

その子は警戒心が強いのではなく、もしかすると、まだ安心できる環境が整っていないだけなのかも
しれません。

信頼は奪うものではなく時間を掛けて育てるもの。

そして安心もまた、デグー自身が感じられる環境の中で育っていくものなのだと思っています。


◇ 最後に──


デグーは言葉を話せません。
でも、ちゃんと伝えてくれています。

ポコタはジャンプという形で、
ずっと私に伝えてくれていました。

「帰りたい」「不安だよ」「安心したい」

もしあなたの子も、何かを上手くできずにいるのなら。その子の行動に、まだ気付いていないメッセージが隠れているのかもしれません。

デグーと暮らしてもう8年、私も同じように悩み、時間を掛けて学んできました。

このnoteでは、デグー飼育で悩んでいる人がつまずかないよう、私の経験のすべてを伝えていこうと思っています。

どうしたらいいんだろう…

そんな風に悩んだ時は、“でぐるく”を思い出してもらえたら嬉しいです。

この記事に少しでも共感していただけたなら、
同じように悩んでいる飼い主さんへ届くよう
🧡で教えてもらえると励みになります。

これからも穏やかなデグーライフを。

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