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ダンジョン第53階層【実録】『絶望の遠隔詠唱で掴む反撃の糸口!金貨180枚をドブに捨てる中小ギルドへの宣戦布告』

前回の物語はこちら👇️👇️👇️

01:コールド・コーリング・イグニッション〈新規開拓の着火〉



俺は防音結界(電話ブース)の中。

通信魔導具(携帯電話)を強く握りしめていた。

静寂的………………………………!!

平野さんたちと構築した「生還の道筋構築(就職支援の提案)」を具現化するため、中小ギルド(中小企業)へのアプローチを開始した。


ターゲットは田中産業。


情報の巻物(求人誌)に魔導錬成(作図)の実務経験者募集を出し続けているギルド(企業)である。

コール音が鳴り響く。


俺は極度の緊張から、失敗を笑いに変えようとする痛々しいルーティンに走った。

緊張のあまり、通信魔導具(携帯電話)の代わりに自分の革靴を耳に当てて「もしもし!」と大声を出す。

靴底の泥が顔面に付着。

周囲の視線をごまかすため「これは大地の精霊との交信だ!」と笑いを取ろうとするが完全にスベる。

羞恥心で噴き出す魔力(脂汗)が止まらなくなる。


『おい、おっさん!』

『革靴を耳に当てて顔面を泥だらけにするとか、ただの奇行だ ワン!』

『一人で勝手にスベって脂汗を撒き散らし、空気を腐敗させてる ワン!』

魔犬ツンの冷酷な言語刃が心臓を抉(えぐ)る!


痛恨的…!


俺は顔の泥を拭い、一つ目の物理刃(自分軸)を心の中で強く詠唱した!


「発動せよ……! 」


コールド・コーリング・イグニッション〈新規開拓の着火(遠隔詠唱の開始)〉
ッ!!


「田中産業さんですか」


「情報の巻物(求人誌)を拝見しました」

{私、魔導指導学校(資格学校)で魔導師(講師)をしております」

「異次元おじさんと申します」

俺は熱量を込めて紡ぐ。

「御社の募集に興味を持ち、採用担当の方とお話したいのですが」

保留音の後。


低い声が響いた。


「ギルドマスター(社長)の田中です」


「ご用件は」

運良くトップに繋がった。

ここからが勝負である。



02:ソリューション・プロポーザル・スペル〈解決策の提示術式〉



俺は慎重に言葉を選ぶ。


「実は私ども、魔導錬成(作図)を教育するギルド(学校)でございます」

「御社の求人が、私どもの信徒(生徒)に適用できる内容かどうか」

「お伺いしたいのです」

ギルドマスターも現状を隠すことなく、話してきた。

「確かにうちは、情報の巻物(求人誌)に広告を出しています」

「しかし、それは実務経験者としての求人です」


世の中が人材不足の最中で一種の仮説をギルドマスター(社長)にぶつける。


「過去に遡って求人を出されてはいませんか?」


ギルドマスターも諦め気味な口調で答える。

「そうだね」

「経験者が集まらなくて困ってるんだよ」

俺も同調しながら、内容を聞き出す。

「なぜ、経験者だけの募集なのですか?」

田中の声に焦燥感が混じる。

「教育する余裕がないからだよ」

「うちみたいな中小ギルド(中小企業)は手一杯なんだ」


戦慄的………………………………!!


即戦力を求めるが、育てる余裕など一切ない。


俺は一つ一つ紐解くように尋ねていく。

「どんなことができれば、人手不足を解消できる人材と認めることができるでしょうか」

「建築の知識があって、1から説明しなくても図面が書ければ問題がない」

「特に御社だけで扱う知識などはありますか」

「ある企業からの請負が多いので、そこの専門的な知識は必要だね」


俺の脳内で全てのピースが繋がった。


俺は二つ目の物理刃(自分軸)を心の中で高らかに詠唱した!


「いでよ……! 」


ソリューション・プロポーザル・スペル〈解決策の提示術式(無料教育と外注の提案)〉
ッ!!


「社長…………」

「もし、その知識を無料でうちの信徒(生徒)に教えられたら、使いますか?」

「え?」

「情報の巻物(求人誌)に払っているお金も必要なくなります」


田中は鼻で笑う。


「そんなうまい話があれば、いいよね」

「私どものベテラン魔導師(講師)がお伺いしてアドバイスをいただければ、修練の道筋(カリキュラム)に反映させます」


俺は畳み掛ける。


圧倒的……………………………!!


「社長は信徒(生徒)の様子を私どもの魂の臨床録(カルテ)で把握できす」

「ジャッジメント・ルーム(採用面接)のミスマッチも防げます」

「外注であれば魔導指導学校(資格学校)が責任を持って最終確認し納品します」

「こんな仕組みがあれば、やってみたいと思いませんか?」


通信魔導具(携帯電話)の向こうで、深い沈黙が落ちた。



03:プレップレッシャー・クロージング・タクティクス〈重圧の終幕戦術〉



田中の沈黙。



パラドクス・デザイアー(背反の天秤)が激しく揺れ動いている証拠だ。

この隙を逃してはならない。


俺は三つ目の物理刃(自分軸)を心の中で強く詠唱した!


「発動せよ……! 」


プレッシャー・クロージング・タクティクス〈重圧の終幕戦術(コストの可視化と決断の強制)〉 ッ!!


そして、ギルドマスターに核心的な一言をぶつける。

「社長………」


「この求人………」


「何ヶ月前から掲載しているんですか?」

ため息をつきながら、ギルドマスターも答える。

「……6ヶ月かな」

俺も少し同情気味に問いかける。

「1ヶ月、いくらですか?」

トドメを刺すような鋭い一言に意気消沈した声で小さく答えてきた。


「約金貨30枚(30万円)」

俺は魂の血(本音)を真っ直ぐにぶつける。


衝撃的…………………………………!!


「御社のような中小ギルド(中小企業)に優秀な経験者が興味を持つ確率は極めて低いんです」

「うちの学校には実務経験がなくてもやる気があり、人物も分かっている生徒がいます」 

「納品の責任を魔導指導学校(資格学校)が持つという話があるんです」


「6ヶ月であれば、すでに金貨180枚(180万円)をドブに捨てているのと同じゃないですか」



悪魔的……………………………!!



「社長の勇気があれば、お金をかけずとも前に進むんです」

「一緒に進めてみませんか」

「……分かった。少し時間をくれないか」

「突然ご連絡し申し訳ございません」

「状況は理解しました」

俺はあえて冷たく引く。

「この話は他のギルド(企業)にもお伝えします」

「人数の関係上、入れ違いになった場合はお断りすることもございますのでご了承ください」


そう言って、俺は通信魔導具(携帯電話)を静かに置いた。



策略的………………………!!


同じ状況で苦しむ中小ギルド(中小企業)は山ほどある。

迷っていれば、情報の巻物(求人誌)にお金を払い続けるだけだ。


不可視重力(プレッシャー)を明確にし決断を促す。

田中はすでに決断している。

明日には必ず返事をしてくる。


その日、同じ遠隔詠唱(電話営業)を20社ほど行った。

人材不足や受注単価の安さに苦しむ魔境(ビジネス社会全体)のリアルに、明確なニーズが存在すると気付けた。

このリサーチによって、俺は完全な確信を持つことができたのだ。



04:アブソリュート・テリトリー・インベージョン〈絶対領域への侵攻〉



俺はそのリサーチ結果とビジネスモデルの全容をレポートにまとめ上げた。


組織の矛盾を突く、強力な魔導設計書(企画書)だ。


俺はその魔導設計書を手に、大魔女(現場責任者)の待つ執務の間(執務室)へと向かった。

重い扉を開け、席の前に立つ。


高揚的……………………………!!



彼女の周囲には、冷たく張り詰めたアブソリュート・テリトリー(絶対不可侵領域)が形成されている。



だが、日頃から共に泥水をすすってきた成果か、俺の耐性も高まっていた。

俺は四つ目の物理刃(自分軸)を心の中で強く詠唱した!


「発動せよ……! 」



アブソリュート・テリトリー・インベージョン〈絶対領域への侵攻(大魔女への直訴)〉
ッ!!


「諸領域の総督(統括部長)」


「よろしいでしょうか」

俺は真っ直ぐに彼女の目を見据えて言った。

「戦術評議の間(応接室)でお話ししたいのですが」

大魔女(現場責任者)は魔導鍵盤(キーボード)から手を離し、氷のような視線を向けた。

「……分かったわ」

「10分だけならいいわ」

黙って応接の間(応接室)の方を指差す。



狂気的………………………………!!


二人は応接の間(応接室)に入り深く腰を下ろす。

密室に息の詰まる沈黙が落ちた。

東都校の未来と俺の生存戦略を懸けた大魔女(現場責任者)に対する命がけの真剣勝負が始まる。


いざ、次なる階層へ。



【次回予告:ダンジョン第54階層】


密室の応接室で繰り広げられる、大魔女とのヒリヒリする真剣勝負!

俺が提示した魔導設計書は、彼女の氷の刃を砕くことができるのか!?

論理と感情が激しく交錯する中、大魔女が放つ予想外の言葉とは!

そして、田中のギルドから届く運命の返答が、すべての戦局を覆す!

止まっていた時間が再び動き出す、怒涛の急展開!

絶対絶命のクソゲーで、おじさんの泥臭い反撃が臨界点に達する!

次なる死闘が今、幕を開ける! 次階層を見逃すな!

最後までお付き合いありがとうございます。

一気にこれまでの概要を知りたい方はこちら👇️👇️


【迷宮の深淵へようこそ】


この 「クソゲー(社会)」 から強制ログアウトさせられた、時給1,100円スタートの男の生存戦略。

覚悟がある奴だけ、次のページをめくれ。

まさにこのダンジョンへの現在の最下層までの探索が一気にしたい冒険者はこちら👇️👇️

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