#夏の1コマ『飛んで鳥居をくぐるとバチあたりなのか』
フォトコン「#夏の1コマ」に参加します。
宮崎市・青島神社の鳥居。誰もいない波状岩の浜で、三脚を立ててセルフタイマーを押し、よいしょっと跳んだ。バチが当たるかどうかは、跳んでから考えることにした。AIでもなんでもない、汗と勢いの一枚である。

宮崎市の青島神社である。
海側に立つ大きな朱色の鳥居。
その向こうに広がるのは、あの「鬼の洗濯板」と呼ばれる波状岩だ。
潮風が吹きつける中、わしは三脚をひとつ、砂の上に立てた。
誰もいない。
観光客もいなければ、地元のじいさんもいない。
青い空と白い雲と、赤い鳥居と、わしだけである。
セルフタイマーをセットし、走って戻り、よいしょっと跳んだ。
それだけの話だ。
ただそれだけなのに、なぜかカメラのシャッターを切る前の数秒間、わしは妙に緊張したのを覚えている。
神社の鳥居をくぐって飛ぶというのは、考えてみればなかなかに罰当たりな行為ではないか。
参道の真ん中で両手を広げてジャンプする男。
氏神様がどこかで舌打ちしているかもしれない。
しかし宮崎の海と空はそんな些末なことを気にしないくらい広かった。
だいたい青島という土地は、わしにとって単なる観光地ではない。
宮崎市生まれのわしにとっては、幼い頃から何度も通った、いわば庭のような場所である。
泳ぎもサーフィンもここで覚えた。
故郷の海で、故郷の鳥居で、いい歳をした男が本気で跳ぶ。
それだけの理由で、この写真には妙な重みがある。
三脚を立てて、誰の手も借りずに撮ったというのがまたいい。
AIで生成した画像でもなければ、誰かに撮ってもらったわけでもない。
よいしょ、と自分の足で跳んで、自分でシャッターのタイミングを合わせただけの、まったく原始的な一枚なのであった。
写真を見返すたび、あの日の潮の匂いと、着地したときの岩の硬さを思い出す。
バチが当たったかどうかは、まだわからない。
まあ、当たっていたとしても、それはそれで面白い夏の1コマではないか。
受講生さまのnoteです。

