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年に一度の日向ぼっこ。 #私の音楽見聞録 vol.3

ゴールデンウィーク、いかがお過ごしでしょうか。
私はここ15年(!)のこの季節、必ず過ごしている場所があります。

六本木ヒルズ森ビルとテレビ朝日本社の間に広がる空を円形の屋根で覆う空間、六本木ヒルズアリーナ。
Mステを欠かさず観ている人なら馴染み深い場所かもしれません。

左手にテレ朝、右手に森ビル

TOKYO M.A.P.S とは?

ここでは、2009年以降のゴールデンウィーク時期のうちの毎年2日間、この六本木ヒルズ、および敷地内にスタジオを構えるFMラジオ局・J-WAVEが共催する無料音楽イベント『TOKYO M.A.P.S(トーキョーマップス)』が開催されているのです。

すべて無料で庶民へ施される音楽の祭典

なんといっても最大の特徴は『無料』であること。
先行予約のようなシステムも存在しません。
来さえすれば参加できます。
毎年だいたい12時〜19時台を2日間で計8〜10組のフリーライブが楽しめるイベントです。
ハイブランドと成金企業とタワマンが占拠するこのセレブ空間(界隈に何の恨みがあったんだ)ですが、連休中のこの2日間だけは庶民のために開放されるのです。

筆者は開催2回目の2010年から、毎年必ず参加しています。
2日間がっつり張った時もあれば、友人との待ち合わせがてらふらっと立ち寄っただけの年もあります。
この気軽さも特徴的です。

その年々の気鋭アーティストによる絶妙なオーガナイズ

第二の特徴は、毎年異なるオーガナイザーが選ばれ、コダワリとユニークさと程良い内輪感で連なるラインナップです。
錚々たるメンツについては、公式サイトのヒストリーをご覧ください!


今年は、MJA2025オープニングアクトにも出演していた知名度ウナギ昇りのトラックメイカーにして名MPCプレイヤー、STUTSが担当。
歴代最年少のオーガナイザーじゃないでしょうか?
様々なコラボレートでも活躍する彼ならではのラインナップに、例年よりも明らかに若年層が集結。
アリーナ後方・テレ朝前の小高い丘も立見席で埋まるほどの史上最高の混雑模様でした。

ぼかして分かりにくくなってしまいましたが、白いテントの左側、木の根元にも人だかり。これは初めて見ました

のんびりFrutiger Aero日和

混んでしまったらどう過ごせば良いのかというと、六本木ヒルズには毛利庭園という芝生と池で構成されたエリアが存在しまして、そこで休憩をとったり、散歩されているワンちゃん達を眺めたりできます。
レジャーシートを広げてピクニックもアリです。
不思議とこのイベントは天候に恵まれることも多く、毎年缶ビールが美味しくなります。
※ゴミはきちんと持ち帰りましょう
※フードカーとかも出店してるから、律儀な読者様各位はそこでイベンターさまにお金を落としましょう

普段は畏れ多くて近寄りもしない成城石井にて意味不明のクラフトビールを買い込み、森ビルと太陽にそれを掲げる年次の儀式

ん?ふるてぃが…?

おもむろに現れたFrutiger Aeroとは?
見つけただけで詳しく知らない言葉をすぐに使いたがる筆者の悪い癖が…

これは2000年代、Y2Kの次、フラットデザインが流行する手前までに一世を風靡していたあの頃の色彩を表すインターネット美学のことです。
Windows7感、といったら分かりやすいですかね。
青と緑を基調に、透明感そしてちょっと異様なほど清潔感を重視したデザイン。
キーワードは『(かつて)約束された未来感』。

noteでこれを研究発表している方がいらっしゃって面白いのでご参考まで。

筆者はこの言葉を知ったときに、毛利庭園でのTokyomapsの過ごし方をつぶさに思い出しました。
あんまりポジティブな捉え方ではないかも?

ちょっと暗い雲が入ってきちゃったんですが、
青い空と白い雲、遠目にビル群、地面は芝生。
Frutiger Aeroの構成要素、満たしてないですか?

リハも楽しい晒しステージ

最後の特徴としては、ひとつのステージに約1時間おきで複数の異なる編成のミュージシャンが出演することから、このイベントでは合間のリハーサルの模様がそのまま眺められる状況となっております。
マイクテストと称して観客に語りかけてくれたり、なんなら本編で披露されないオマケをまるまる演奏してくださるサプライズも!
既知・未知の才能と、そのサービス精神を垣間見て楽しくなるのも、tokyomapsの魅力です。

2026:異能集結!行き当たりばったりのゆるふわヒップホップ

最後に、今年の模様を。
筆者の関心と個人的な予定を踏まえ、今年はU-zhaan×環ROY×鎮座DOPENESSだけを観に行きました。

日本随一のタブラ奏者として知られるユザーンは筆者もとても大好きでして、氏の1stソロアルバムは初回盤も買ってました。
史上初で史上最後かも知れないカレーの臭い付きアルバム(!)には、「kakato」名義で活動中だった環ROY&鎮座DOPENESSのラッパー2人を招いた愉快な曲「Tabla'n'Rap」も含まれており、そのおよそ他で聴けない芸当のマリアージュを大いに楽しみました。

このユニット、あるいはユザーン氏の人望にはあらゆる才能も積極的な関心を寄せ、中でも故・坂本教授との交友は有名です。
先日、そのコラボ曲がアナログ化に伴ったリマスターバージョンとしてサブスクにも解禁されました。

教授のキャリア的に「energy flow」て売れ過ぎて本人が毛嫌いしてたイメージが強いんですが、最高のパフォーマーによって再調理されたこの1枚、とても癒されます。

さて。
ユザーンのステージを何回も観てきた者としては、必死にタブラをステージ上でチューニングするリハの姿は見慣れたものでしたが、それにしては時間がかかっている。
天候の影響を受けやすいセンチな楽器らしいので、大変だなぁなどと眺めていたら、もう出演時間も近づいてきて、結局出囃子が鳴る時間に。笑

このあと残りの2人もマイクチェックを始めました。間に合ってなかった笑

「もうステージに上がっていますが…」というJWAVEナビゲーター藤田琢己さんの案内で始まった3人のアクト。
「カネコアヤノさん(このステージの一つ前で大盛り上がり)が良過ぎてヤル気無くしたんですが」と謙遜しながらユザーンが最初に手にしたのは、なんとタブラではなくアコギ。
「ギター奏者のユザーンです!」と鎮座さんも煽る笑
そして1フレーズだけ演奏すると、その音をルーパーに落として次はタンバリンを繰り出してきた!

太鼓だけで生活成り立たせてなんてなかった!
※「川越ランデヴー」の歌詞を参考

既にフリューゲルホルン奏者でもありケチャを歌ったりという多才さを知っていた者でも、数年ぶりの姿のパワーアップぶりには圧倒されました。
しかも続けざまに演奏されたのは七拍子の曲「七曜日」。
これに乗っかるラッパーのお二人もすごい。
しかも、決してすごい人達だと絶対に思わせないようゆるふわな雰囲気で立ち回っているのがさらにすごい。

環さんと鎮座さんのフリースタイルが披露されたコーナー(?)では、鎮座さんがサンプラーを持ってくることを忘れたというエピソードがフリースタイルで暴露。笑
そしてユザーン曰くリハ無し初挑戦として披露されたのは、前述の新譜にも収録されている「テクノポリス」!!
エナジー風呂の披露には期待してましたが、まさかこちらも演るとは!

注目したのは、タブラ全種を一列に並べるのではなく、ルーパーを駆使して音色ごとに異なる大きさのそれを入れ替えながら2,3トラックを作る演奏。
ギターやフリューゲルホルンもルーパーに取り込む。
ぱっと見で大変忙しいことをしているのが理解できる視覚的な面白さと芸当にうっとり。

が、3番まで用意されているこの曲、初回では難があり過ぎたのか歌唱失敗も繰り返されたりというグダグタな展開に。笑
しかも件のサンプラー持参忘れのトラブルに対応すべく、バックトラックをユザーンのPCから出力させるという突貫対応が行われたらしく、なんと演奏中にLINEの着信が入り、音として出てしまうハプニングが。

🦱「あーあ、ラジオ収録できないー」て笑
※このイベントの一部はJ-WAVEにて後日特番の中で放送されるのが恒例となっていますが、果たして…笑

しかし果敢にも「巻きで挑みます」(ユザーン)との意気込みで、恐らく音源の1.25倍速かったんじゃないかぐらいの高速版『BUNKA』。
…も、やはり噛むwww

と、揚げ足取りばかりのレポートになってしまってますけど、本人達がMCやラップで茶化さないと気付かないようなミスも多くて。
さっきのLINE着信だってそういうサンプリングなのかなと思ったぐらいだし。笑
神々の遊びを眺める時間は楽しくて仕方がありませんでした。

そして〆にはオーガナイザーのSTUTSも登場!
恥ずかしながら、これだけいろんなフェスに行ってたのに彼のパフォーマンスは初見。
「変拍子に挑戦するの、人生初めてですよ!」
と緊張を顕にするSTUTS氏はその場でMCPプレーヤーのセットアップをPAさんと調整開始。
この2日間で1番偉い立場なのに、そのスタッフさんとのやり取りすら腰が低い!
なんて可愛い。
ユザーンに並ぶ人誑しの可能性が高いですね。

そこから繰り出されたのは、私の近くで聴いてたお兄さん曰く11拍子(!!)曲「にゃー」。
恐らくは人生初体験の奇妙な変拍子、なのにノレる、楽しい。
プレイヤー達が楽しそうだから、ついつい持ってかれるんだなぁとしみじみ。

ゲラゲラ笑いながら、ほんわかだけど確実にグルービーだった時間はあっという間に終了。
この1アクトだけでも、今年も来られて良かった、来年も来られるようになりたいなと、そんな約束したい未来を見つける1日になりました。

My TOKYO M.A.P.S

折角、15年も連続で参戦してるフェスなので、プレイリスト化します。
今日のところは本日分だけセットし、過去分も追加したら、この音楽見聞録として紹介できたらなと思います。
どうぞごゆるりとお待ちくださいませ!


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大豆柴 まさかとは思いますが、もし戴けたのであれば、謹んで愛犬のおやつ代とします。笑