「魔法は、探し求めている時がいちばん楽しいんだよ」|葬送のフリーレン
魔法とは:知識・研鑽を積んだ後に、人が身に付けることができる「実現する力」
魔導書とは:知識を得るために必要な本
フリーレンの世界の魔法をこのように理解すると、
非常にわかりやすく、現実の世界と接続される。
魔導書とは現実世界における
教科書や本、その他の書物であり、
「知」そのものを象徴する。
知識を手に入れ、「実現する力(=魔法)」を身に付ける、
という構造は、現実世界のそれと同じように見える。
象徴的な場面は、いくつも思い浮かぶ。
その一つは、大陸魔法協会のトップに君臨し、
「彼女を超える魔法使いは存在しない」と称される
大魔法使いゼーリエが、
訪問者を受け入れる場所だ。
そこは、荘厳な図書館を彷彿とさせる。
S1E21『魔法の世界』の回想シーンで
フランメと共にゼーリエを訪れたフリーレン。
ゼーリエの背後には、壁いっぱいに
魔導書が高く積み上げられ
彼女の「知」の高さを物語っている。
その中央に、ゼーリエは座っている。
人類の「知」の真ん中に位置するのが彼女であると
明確に示唆する場面だ。
ゼーリエは、フリーレンに言う。
私は、今までの歴史で書かれた
ほぼすべての魔導書の知識を持っている。
そしてゼーリエはフリーレンに、
望む魔法を一つ、なんでも授けてやる、と言う。
ゼーリエは「知」を与える側であり、
与える相手を選べる立場にある、という
人社会における専制的な構造を印象付けるシーンだ。
しかしフリーレンは、その申し出を断る。
そして理由を、こう語る。
魔法は、探し求めている時が
いちばん楽しいんだよ。
私はこの、フリーレンの「知」に対する姿勢が、
とても好きだ。
知の探究、学ぶことの楽しさを
フリーレンは決して捨てない。
近道をして「力」だけを手に入れようとしない
誠実さがあり、
与えられたものだけで満足しない、
知への欲求がある。
このフリーレンのまっすぐな好奇心が、
彼女を魔法収集へと駆り立て
魔王を倒すほどに強い魔法使いへと
育てた一因なのではないかと、と私は思う。
教育の重要性と、知の探究の楽しさ、
そしてその先にある「強さ」が
常に隣り合わせで描かれるフリーレンの世界が
私は好きだ。
🪄
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