「フリーレンは、平和な時代の魔法使いだ」
『葬送のフリーレン』で大魔法使いゼーリエが大陸魔法協会を設立したことによって生まれた権威的な構造は、
現実社会に存在する権威構造と酷似している、
という点については、以前に書いた。
やや乱暴な比較かもしれないが、表にまとめると、ざっくり以下のようになると過程して話を進めようと思う。
【人類が生み出す権威構造 フリーレンの世界vs 現実の世界】

知の権威のトップに君臨し、専制的な思想を持つゼーリエは、魔法について「才あるもの以外に教えるつもりはない」と断言する。
この専制的な思想と、ほぼ正反対とも呼べる考え方を持つ登場人物が、フランメやフリーレンだ。
フランメは、「人類の誰もが魔法を使える時代」を求めた。
そして事実、彼女の計らいにより、人類は国から、魔法を自由に研究できる認可を得た。
つまり、フランメは「知」を広く一般に開くという民主的な思想に基づき、行動した人物だ。
S1E21『魔法の世界』の回想シーンで、
フリーレンがゼーリエの「望む魔法を与えてやる」という申し出を断ったシーンで、フリーレンの背後に映るフランメは嬉しそうに微笑んでいる。
そしてフランメは、ゼーリエに向かって言う。
先生。
この子はいつか、魔法を倒すよ。
きっとこういう魔法使いが、平和な時代を切り開くんだ
これに対し、ゼーリエは「私には無理だとでも?」と問い返すが、
さらにフランメは以下のように答える。
フリーレンは、平和な時代の魔法使いだ。
戦いを追い求めるあなたには、魔王を殺せない。
私たちじゃ無理なんだよ。
だってさ、先生。
平和な時代に生きる自分の姿が、想像できねえだろう?
フリーレンは、平和な時代の魔法使いだ。
このセリフの「平和な時代に生きる自分の姿が、想像できない」
あたりで、ゼーリエが伏し目がちに視線を逸らすのが印象的だ。
「イメージできないものは、実現できない」というフリーレンの世界に通底するメッセージが込められているようにも思う。
そしてフリーレンには、フランメのような民主的な思想が自然に備わっている。
S1E25『致命的な隙』で、魔法が全ての人に開かれた未来に言及しフリーレンは、ゼーリエに対してこのように言う。
楽しみだね、ゼーリエ。
これから先、たくさんの魔法使いと、色々な魔法が見られるんだね。
未来を思い描いた時に笑顔になれるフリーレンに見えているのは、きっと平和な時代だ。
そう。
やはりフリーレンは、平和な時代の魔法使いなのだ。
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