[海外大学院]#6 現地国の返済不要奨学金に通った申請書の考え方
前回の記事では、ヨーロッパで働いてみて、想定内だったこと・少し驚いたことについて書きました。
休暇、給与、転職、旅行、生活のしんどさなど、海外大学院のその先にある「海外で働く日常」について、自分の経験をもとにまとめました。
前回の最後では、次回はもう少し仕事の中身について書く予定だと書きました。
ただ、今回は少し話を戻して、海外大学院の奨学金申請について書いてみます。
まず簡単に自己紹介すると、自分は日本の大学を卒業した後、ヨーロッパのとある大学院に進学し、そのまま現地でソフトウェアエンジニアとして就職しました。 現在もヨーロッパに住んでおり、アメリカ発の企業でソフトウェアエンジニアとして働いています。この note では、海外大学院や海外就職を考えている方や関連する情報を集めている方に役立つ情報を発信しています。この記事がいいなと思ったら他の記事も読んでもらえると嬉しいです。
これまでの記事の中でも、自分が現地国の公的奨学金を受けて海外大学院に進学したことには何度か触れてきました。ただ、その申請のときに何を考えていたのか、申請書にどのようなことを書いたのかについては、まだあまり詳しく書いていませんでした。
自分は運良く現地国から返済不要の奨学金を受けて、授業料全額と生活費の一部を自分で負担することなく海外大学院に進学することができました。
お金の不安が大きかった自分にとって、この奨学金があったことは、海外大学院という選択肢を現実的にするうえでかなり大きかったです。
今回の記事では奨学金の申請書を書く際にどのようなことに気を付けていたのかを書いていきたいと思います。
ただし、最初に断っておくと、これは「こう書けば奨学金に通る」という話ではありません。
審査側が実際に何を見ていたのか、どこを評価したのかは自分には分かりません。また、奨学金の制度や見られるポイントは、国や年度、プログラムによっても大きく変わると思います。
この記事で書くのは、自分が申請書を書くときに、何を整理し、どう言語化しようとしていたのかという話です。
目標・留学理由・積み上げを一本の線にする
奨学金申請というと、特別な実績や、完璧な志望理由が必要なように感じる人もいると思います。
実際、返済不要の奨学金に申請するとなると、「何を書けばいいのか」「どれくらい立派なことを書かなければいけないのか」と考えてしまう人も多いのではないでしょうか。
ただ、自分の経験から言うと、奨学金申請のために急に新しいストーリーを作る必要はないと思います。というか、説得力があるだけの経験を短期間で積むことはあまり現実的ではないと考えています。
もし申請期限が迫っているのであれば、まずやるべきなのは、それまでに考えてきたことと実績を整理し、申請書の形式に合わせて言語化していくことだと思います。
以前、有料記事で「海外大学院を目指す人が最初に整理すべきこと」について書きました。
その中で、自分は海外留学の準備をするときに、いきなり大学名や国だけを見るのではなく、まずは以下のようなことを整理していました。
将来何をしたいのか。
なぜ、そのために海外大学院に行くのか。
これまで何を積み上げてきたのか。
奨学金の申請書を書く際には、これらの内容をもとに、「将来何をしたいのか」「そのためにこれまで何を積み上げてきたのか」「海外大学院で何を学びたいのか」「どうして海外大学院での学びが目標の達成に役立つのか」という流れで整理しました。
募集団体が求めている人物像を考える
奨学金の申請書を書くときは、自分が書きたいことだけではなく、募集団体がどのような人を支援したいのかも見るようにしていました。
もちろん、審査側が実際に何をどこまで重視していたのかは分かりません。
ただ、募集要項や公式ページを読むと、その奨学金がどのような目的で作られているのか、どのような学生を歓迎しているのかが、ある程度見えてくることがあります。
国際性や多様性を重視している奨学金なのか。
特定の分野で学ぶ人を支援したいのか。
将来、その国や社会に何らかの形で貢献する人を支援したいのか。
リーダーシップや将来性を重視しているのか。
研究や専門性を重視しているのか。
こうした部分を見ずに、自分が書きたいことだけを書くと、申請書全体が少し独りよがりになってしまうことがあります。これは、CVや志望理由を書くときにも通じる基本的な考え方だと思います。
たとえば、国際性や多様性を重視している奨学金であれば、自分のバックグラウンドや専攻が、その奨学金の目的と合っているかを考えます。日本からの応募者であることや、自分の専攻・経験の組み合わせも、伝え方によっては一つの要素になり得ます。
募集団体がどのような人を支援したいのかを理解したうえで、自分の経験や将来像との接点を探していくことが大切です。
この作業は簡単ではありません。自分の場合は数ヶ月程度書き直し作業をしました。
締切から逆算して準備する
これは申請書を書く以前のお話になります。大学院の申請まである程度時間がある方には特に重要な話だと考えています。
首尾一貫した申請書を書くためには、「海外大学院に行きたい」と思った理由を支える経験が必要になります。自分の場合は、大学での学び、授業外での勉強、研究室での経験、開発のアルバイトなどが、後から申請書の中で一本の線としてつながりました。
もちろん、最初から完璧な計画があったわけではありません。ただ、海外大学院や海外就職を意識し始めてからは、自分に足りないものを少しずつ埋めるように動いていました。
語学試験も、大学の成績も、実務経験も、締切の数週間前に急に作れるものではありません。だからこそ、奨学金申請を考えている人ほど、早い段階から逆算して準備しておいた方がいいと思います。
また、実際の申請時期には、推薦状や証明書の準備も重なります。推薦状をお願いするには相手の時間も必要ですし、証明書の発行にも時間がかかります。申請書自体も、一度書いて終わりではなく、何度も読み直して直す必要がありました。
奨学金申請は、締切前に一気に頑張るものというより、数年前からの経験作りと、数ヶ月前からの書類準備の両方が必要になるものだと思います。
自分の場合は、海外大学院を目指す前に整理していた「将来の目標」「留学する理由」「これまでの積み上げ」があったからこそ、申請書を書くときに話を組み立てやすくなりました。
このあたりの考え方は、有料記事の「海外大学院を目指す人が最初に整理すべきこと」で詳しくまとめています。
奨学金申請を考えている人は、申請書の書き方だけを見る前に、まずは自分の経験と目標がどうつながっているのかを整理してみると良いと思います。
まとめ
今回は、返済不要の奨学金を受けるために必要な準備を自分なりにまとめてみました。
繰り返しになりますが、これは「こう書けば奨学金に通る」という話ではありません。審査側が実際に何を見ていたのかは分かりませんし、制度や評価されるポイントは、国や年度、奨学金によって変わると思います。
今回の記事が海外大学院留学でお金の悩みを減らしたいと考えている人の役立てたら嬉しいです。
次回以降は、前回予告していた通り、海外で働く仕事の中身について書きたいと思います。
