[海外就職]#6 海外大学(院)から海外就職を目指す人がやるべきこと
前回の記事では、海外インターンの面接に受かったものの、ビザ・就労許可の関係で実際には働けなかった経験について書きました。
今回は、海外就職を目指す学生や社会人が最初にやるべきことについて書いてみます。
まず簡単に自己紹介すると、自分は日本の大学を卒業した後、ヨーロッパのとある大学院に進学し、そのまま現地でソフトウェアエンジニアとして就職しました。 現在もヨーロッパに住んでおり、アメリカ発の企業でソフトウェアエンジニアとして働いています。この note では、海外大学院や海外就職を考えている方や関連する情報を集めている方に役立つ情報を発信しています。この記事がいいなと思ったら他の記事も読んでもらえると嬉しいです。
前提として、この記事は基本的にはソフトウェアエンジニアについて書いています。
ただ、考え方そのものは、ソフトウェアエンジニア以外の職種にもある程度通じると思っています。海外で働きたいと考えたときに、いきなり求人に応募する前に何を整理するべきなのか。国を選ぶ前に何を考えるべきなのか。
今回は、そのあたりを自分の経験ベースで整理してみます。
実現したい仕事とライフスタイルを考える
海外就職を目指すときにまず最初に考えるべきなのは、自分がどのような仕事をしたいのか、そしてどのようなライフスタイルを送りたいのかだと思っています。
たとえばソフトウェアエンジニアに限った話をすると、新しいプロダクトや新規機能の開発に深く関わりたいのであれば、アメリカのシリコンバレーやニューヨークのような場所に行くのが良いですし、すでに成長した企業のサービスを10から100にしていくような仕事をしたいのであれば、ヨーロッパやシンガポールも視野に入ってきます。
これはソフトウェアエンジニアに限った話ではありません。
たとえば会計士であれば、環太平洋エリアで国をまたいで動けるキャリアを作りたいのか。それとも、ヨーロッパに特化して専門性を積みたいのか。どの地域で働くかによって、必要な資格、言語、経験、転職のしやすさは変わるはずです。
仕事だけでなく、生活のイメージも大事です。
猛烈に働きたいのであればアメリカは良い選択肢の可能性が高いし、休暇をしっかり取りながらいろいろな国を旅行して歩きたいのであれば、ヨーロッパも魅力的です。
どちらが正しいという話ではありません。
ただ、ここを曖昧にしたまま「海外で働きたい」だけで進めると、国選びも、大学院選びも、就職活動もかなりぼやけてしまいます。
移住前にできることは、できるだけ積み上げる
目指したい仕事やライフスタイルが少し見えてきたら、次にやるべきなのは、移住前に積み上げられるものを、できるだけ積み上げておくことです。
自分の場合、海外大学院に行く前から、できるだけ実務に近い経験を積むことを意識していました。
アルバイトでも、インターンでも、業務委託でも、形は何でもよいと思います。大事なのは、最初に考えた目標に直結する経験を、少しでも増やしておくことです。
これは9回目の記事でも書いたように、海外で就職するまでの準備は、留学してから急に始まったわけではありません。
実務経験、専門知識、GPA、語学力。こうしたものは、短期間で一気に身につくものではありません。
現地就職を目指していると、どうしても「海外に行ってからが勝負」と考えがちです。
でも実際には、海外に行く前に何を積み上げてきたかも、かなり重要だと思っています。
そのうえで、国を見る
実現したい仕事やライフスタイルを考え、移住前にできるだけ経験を積んだら、そのうえで国を見ていくのがいいと思います。
このとき、最初に確認した方がいいのは、自分がその国で働ける条件です。
学生ビザでインターンができるのか。
卒業後に就職活動をするための滞在許可があるのか。
企業側が外国人を採用しやすい国なのか。
英語だけで働ける会社はどれくらいあるのか。
現地語がどの程度必要なのか。
こういう条件は、国によってかなり違います。
前回の記事でも書いた通り、自分は海外インターンの面接に受かりましたが、最終的にはビザ・就労許可の関係で働くことができませんでした。
この経験から思うのは、海外就職では「実力があれば何とかなる」とは限らないということです。
技術力も、英語力も、CVも、面接対策も大事です。
でも、それ以前に、自分がその国で働けるのかを見ておく必要があります。
海外就職は、努力だけでなく制度にもかなり左右されます。
だからこそ、国を選ぶときには、憧れだけでなく、働ける条件を現実的に見る必要があると思っています。
国が見えてきたら、大学院を決める
国の候補が見えてきたら、次に大学院を見ていきます。
自分の場合、大学院選びでもかなり意識していたのは、卒業後の就職につながるかどうかと奨学金の有無でした。
もちろん、ランキングや大学名も気になると思います。
ただ、自分の場合は、ランキングだけで決めるよりも、その大学院に行くことで現地就職に近づけるのかを重視していました。
特に、予算はかなり重要です。
海外大学院は、学費だけでなく生活費もかかります。どれだけ良いプログラムでも、金銭的に無理があると、在学中の余裕がなくなります。
以前、現地国の公的奨学金で海外大学院に行った話も書きました。
奨学金があるかどうかで、選べる国や大学院はかなり変わります。
現地に来たら、最初に条件とタイミングを見る
国を選ぶ段階ですでにある程度制度を調べたり現地の求人を見たりしていればあとは適切なタイミングで大量に応募するだけです。
日本の就活のように、全員が同じ時期に一斉に動くとは限りません。また、同じクラスの人全員が同じように就活するとも限りません(修士や博士ならなおさら)。人気企業のインターンや新卒枠は、かなり早い段階で募集が出ることもあります。
周りの様子を伺うのではなく、自分が計画した通りのことを実践していくことが重要です。
LinkedInとCVは、早めに最低限整える
海外就職を目指すなら、LinkedInとCVは早めに整えておいた方がいいです。
ただし、最初から完璧にする必要はありません。
ただ、自分の学歴、職歴、インターン経験、プロジェクト、使える技術などが、自分が入りたい企業に刺さるような状態にしておくのは最低限やっておきたいです。
LinkedInは、ただの履歴書置き場ではありません。
海外就活では、求人を探す場所でもあり、リクルーターとつながる場所でもあり、会社や働いている人を調べる場所でもあります。
実際に、自分の場合はLinkedIn経由でリクルーターから連絡をもらいました。
最初から完璧にやろうとしなくていい
ここまで書くと、やることが多すぎるように見えるかもしれません。
実際、多いです。
ただ、最初から全部を完璧にやる必要はありません。
自分も最初からすべて分かっていたわけではありません。国選びや移住前の準備は戦略的に行いましたが、移住後の動きの解像度が低かったのでインターンの面接に受かった後にビザや就労許可の問題にぶつかりました。
それでも、早めに動いておくと、失敗したときに修正できます。
海外就職は、一発で正解を引くというより、調べながら、応募しながら、話を聞きながら、少しずつ解像度を上げていくものだと思います。
海外就職は、求人応募から始まるわけではない
海外就職を目指すと聞くと、まず求人に応募することを想像するかもしれません。
でも、自分の経験から言うと、その前にやるべきことがありました。
どんな仕事をしたいのか。
どんな生活をしたいのか。
どの国ならそれを実現しやすいのか。
その国で働けるのか。
移住前にどんな経験を積んでおくべきなのか。
現地に来た後、どのタイミングで何に応募できるのか。
こうしたことを整理しないまま動くと、努力の方向がずれてしまうことがあります。
もちろん、すべてを事前に調べ切ることはできません。
実際には、現地に来てから分かることも多いです。応募してみないと分からないこともあります。
それでも、最初に大きな方向性を考えておくことは大事です。
自分が実現したい仕事やライフスタイルを考える。
そのうえで国を見る。
移住前に積み上げられるものを積み上げる。
どれも派手な話ではありません。
でも、こういう地味な準備が、後でかなり効いてきます。
次回は、海外大学院や現地就職を目指す人が、最初に整理しておくとよさそうなことを、チェックリスト形式でまとめてみようと思います。
