[海外大学院]#3 現地国の公的奨学金で大学院に行った話
前回の記事では、海外大学院に来てよかったことと、それでもしんどかったことについて書きました。
今回は奨学金について書いていきます。
まず簡単に自己紹介すると、自分は日本の大学を卒業した後、ヨーロッパのとある大学院に進学し、そのまま現地でソフトウェアエンジニアとして就職しました。 現在もヨーロッパに住んでおり、アメリカ発の企業でソフトウェアエンジニアとして働いています。この note では、海外大学院や海外就職を考えている方や関連する情報を集めている方に役立つ情報を発信しています。この記事がいいなと思ったら他の記事も読んでもらえると嬉しいです。
自分の場合、海外大学院に来たことはその後の現地就職につながりました。
ただ、その選択は最初からきれいに決められたわけではありません。
海外大学院に行きたい気持ちはありました。海外で学び、その先でできれば現地就職につなげたいという気持ちもありました。
でも、「行きたい」だけで決められるほど簡単ではありませんでした。一番大きかったのは、お金の不安です。
海外大学院は、場所によっては学費も生活費も大きな負担になります。日本の大学を卒業したばかりの自分にとって、それはかなり現実的な問題でした。
もうひとつ怖かったのは、周りと違う道を選ぶことでした。
自分の大学では、国内の大学院に進む人も多く、それが自然な進路でした。日本で就職する選択肢もありました。その中で海外大学院に進むことは、少し違う道を選ぶ感覚がありました。
自分の場合、不安をかなり現実的に変えてくれたのが、現地国の公的奨学金でした。
国名や奨学金名は伏せますが、自分はヨーロッパの現地国が提供している公的な奨学金を受けて、海外大学院に進みました。
これは「奨学金を取れた成功談」というより、お金の不安がある中で、海外大学院という選択肢をどう現実に近づけていったかという話です。
奨学金がなければ、進学時期を遅らせていたと思う
正直に言うと、その奨学金が取れなかったら、自分はそのタイミングで海外大学院に行くことを諦めていたと思います。
完全に海外を諦めたわけではありません。おそらく日本で2〜3年ほど経験を積んでから、改めて海外大学院を目指していたと思います。もしくは、大学院を経由せずに、直接海外企業に応募する道を探していたかもしれません。
でも、少なくともその時点で海外大学院に進む決断はかなり難しかったと思います。それくらい、学費と生活費の不安は大きかったです。
海外大学院に行くこと自体がゴールではなく、その先で現地就職まで見据えていたからこそ、余計に慎重になっていました。
奨学金は、自分で検索して見つけた
その奨学金探しには、だいぶ時間をかました
自分が調べていたのは、主に3つでした。
日本の団体が提供している奨学金
進学先の大学院が提供している奨学金や授業料減免
留学先の国や地域が留学生向けに出している奨学金
自分が最終的に受けたのは、留学先の国が提供していた公的奨学金でした。一方で、大学院が提供する奨学金には落ちてしまいました。
奨学金はひとつに絞って考えるより、複数の可能性を並行して見ておく方がいいと感じました。制度によって、求められるものも、締切も、書くべき内容も違います。
50:50と思えたのは、素材集めをしてきたから
奨学金に応募するとき、自分の中では完全なダメ元ではありませんでした。
もちろん、絶対に取れると思っていたわけではありません。感覚としては、50:50くらいでした。
そう思えたのは、単に文章を頑張って書いたからだけではありません。それまでに、自分なりに素材集めをしてきた感覚があったからです。
日本の大学で学んできたこと。インターンや開発経験。海外で学びたい理由。将来的にどういうキャリアを作りたいのか。なぜその国で学ぶのか。なぜその大学院なのか。
そうした材料を並べたときに、「うまくストーリーにできれば、戦えるかもしれない」と思っていました。
ただし、素材があるだけでは足りませんでした。
自分の場合、1ヶ月以上はほぼ毎日30分から1時間くらい応募書類の文章を磨いていました。少し書いては直す。翌日に読み返して、また直す。弱い表現を削る。自分の経験と将来の話がつながっているかを確認する。その繰り返しでした。
特に意識していたのは、相手が何を求めているのかを徹底的に調べることです。
その国が力を入れていること。大学が力を入れていること。自分がこれまでやってきたこと。自分がこれからやりたいこと。
その重なりを探すような作業でした。
自分の経験だけを押し出すのでもなく、相手の求めていることに無理やり合わせるのでもない。国・大学・自分の経験が交わるところを探して、そこに自分のストーリーを作っていく。
この作業をかなり丁寧にやりました。
このあたりは、今後別の記事で、実際に自分がどのように応募書類のストーリーを組み立てたのか、もう少し具体的に書いてみたいと思います。
奨学金が決まったときは、本当に嬉しかった
奨学金が決まったときは本当に嬉しかったです。
「ああ、留学が現実になるんだ」と思いました。
もちろん、そこからも準備は続きました。でも、お金の悩みは圧倒的に減りました。
それまでは、「行きたいけれど、本当に行けるのかわからない」でした。奨学金が決まってからは、「リスクはあるけれど、挑戦できるかもしれない」に変わりました。
また、奨学金を受けたことは、その後のCVにも書けました。もちろん、それだけで就職が決まるわけではありません。ただ、公的奨学金を受けて海外大学院に進んだことは、自分が何を目指してきたのかを説明する材料のひとつになりました。
お金の不安がある人ほど、早めに調べていい
海外大学院に興味があっても、お金の不安で立ち止まる人は多いと思います。自分もそうでした。
学費も生活費も高いです。為替もあります。現地就職できる保証もありません。周りと違う道を選ぶ怖さもあります。
だから、「お金が不安だ」と感じるのは、かなり自然なことだと思います。
でも、自分の経験から言えるのは、奨学金を調べることは、進路を現実的にする第一歩だったということです。
お金の不安があるなら、まずは調べてみる。
どんな奨学金があるのか、条件は何か、必要な書類は何かを確認する。
そのうえで、自分に足りないものが見えてきたら、インターンや今いる環境で経験を積み、応募書類に書ける素材を少しずつ増やしていく。
そして、奨学金や大学院が求めているものと、自分がやってきたことの重なりを考え、時間をかけて文章にしていく。
その積み重ねで、海外大学院という選択肢は少しずつ現実に近づいていくと思います。
次回は、日本の大学から海外キャリアを作るまでに、自分が実際にやったことを書いてみます。
