[海外大学院]#2 来てよかった。でも、仕事が決まるまではずっと不安だった
前回は、留学中の英語の苦労について書きました。
今回は、海外大学院在学中の不安について書きたいと思います。
まず簡単に自己紹介すると、自分は日本の大学を卒業した後、ヨーロッパのとある大学院に進学し、そのまま現地でソフトウェアエンジニアとして就職しました。 現在もヨーロッパに住んでおり、アメリカ発の企業でソフトウェアエンジニアとして働いています。この note では、海外大学院や海外就職を考えている方や関連する情報を集めている方に役立つ情報を発信しています。この記事がいいなと思ったら他の記事も読んでもらえると嬉しいです。
海外大学院に来てよかったか。
今聞かれたら、かなりはっきり「来てよかった」と答えます。
海外大学院に進んだことで、結果的に現地就職につながりました。さらに、自分が当初目標にしていたよりも良い企業からオファーをもらうことができました。今はヨーロッパで、バックエンドエンジニアとして働いています。
ただ、だからといって、海外大学院生活がキラキラしていたかというと、まったくそんなことはありませんでした。
むしろ、仕事が決まるまではずっと不安でした。
海外大学院に来たからといって、英語力が急に伸びるわけではありません。エンジニアリングスキルが勝手に上がるわけでもありません。現地企業から自然に声がかかるわけでもありません。
自分の場合、海外大学院は「人生を自動的に変えてくれる場所」ではありませんでした。
海外就職に近づくために、かなり戦略的に選んだ
海外大学院を選ぶとき、自分は大学ランキングだけを見ていたわけではありませんでした。
むしろ一番重視していたのは、卒業後に現地で仕事を見つけられる可能性があるかどうかでした。
テック企業や外資系企業の求人が多そうか。英語で働ける環境があるか。卒業後にソフトウェアエンジニアとして応募できる会社が周辺にありそうか。
そういうことをかなり現実的に見ていました。
もちろん、大学院で何を学べるかも大事でした。自分は、できるだけ実践的な内容を学べる大学院に行きたいと思っていました。
ただ、実際に入ってみて思ったのは、どれだけ実践的な大学院を選んでも、結局手を動かすのは自分だということです。
授業がある。課題がある。グループワークがある。周りには意欲的な人がいる。
でも、それだけで自分が勝手に成長するわけではありませんでした。
自分で調べる。自分で作る。自分で質問する。自分で足りないところを埋める。
そういう地道な作業は、日本にいたときと変わりませんでした。
お金の不安は、銀行残高を見るたびに現実になった
英海外大学院でしんどかったことの一つは、お金の不安です。
自分は現地国の公的奨学金を受けていました。これは本当に大きかったです。この奨学金がなければ、海外大学院という選択肢はかなり難しかったと思います。
ただ、奨学金があったからといって、お金の不安が完全になくなったわけではありませんでした。
自分の場合、奨学金だけでは足りず、途中から貯金を使う必要がありました。しかも、その時期は収入がありませんでした。
銀行残高を見るたびに、少しずつ減っていく。
これは思っていた以上に精神的にきつかったです。
特に円安の影響もあり、日本円ベースで考えていた貯金が、現地通貨では思ったより早く減っていく感覚がありました。
生活費を払う。家賃を払う。食費がかかる。授業も課題もある。就活もしなければいけない。
旅行やエンタメも、せっかく海外にいるなら楽しみたい気持ちはあります。でも、現地で仕事を取ることを前提に留学していると、単純に楽しむだけではいられませんでした。
お金を使うたびに、「このまま仕事が決まらなかったらどうするんだろう」と考えていました。
公的奨学金についての詳しい話は、また別の記事で書きたいと思います。
一番不安だったのは、仕事が決まるかどうかだった
英語もお金も大きな不安でしたが、海外大学院生活で一番大きかった不安は、仕事が決まるかどうかでした。
自分は、卒業までに現地でオファーをもらえなければ、費用の関係ですぐに帰るつもりでした。卒業後に無職のまま長く海外に残る選択肢は、自分には取りづらかったです。
だからこそ、入学してすぐに就活を始めました。
インターンにも応募しました。週に少なくとも1社以上は応募するようにしていました。LeetCodeも、1日1問くらいは解くようにしていました。自分でデータ構造を実装したりもしていました。
授業がある。課題がある。グループワークがある。せっかく海外にいるのだから、留学生活も充実させたい。友人とも過ごしたい。旅行にも行きたい。
でも同時に、仕事を探さなければいけない。
この両立はかなりしんどかったです。
しかも、応募してもなかなか返信が来ませんでした(合計100社以上には応募しました)。
面接で落ちるなら、まだ改善点が見えるかもしれません。でも、面接にすら辿り着けないと、何が悪いのかわかりません。
自分の実力が足りないのか。CVが悪いのか。ビザや就労許可の問題なのか。タイミングが悪いのか。そもそも外国人である自分は、現地の学生やヨーロッパの学生より不利なのではないか。
今振り返ると、少し被害妄想に近い部分もあったと思います。
でも当時は、本当にそう感じていました。
海外大学院に行けば、現地就職に近づくことはできます。
でも、自費で高額な学費や生活費をかけて留学しても、確実に仕事がもらえるわけではありません。
少なくとも自分は、「海外大学院に行けばなんとかなる」とはまったく思えませんでした。
面接に受かっても、終わりではなかった
一度、エンタープライズ向けの技術で知られる外資系テック企業から、インターンのオファーをもらったことがありました。
これはかなり嬉しかったです。
やっとチャンスが来たと思いました。自分の準備が少し報われた気がしました。
でも最終的には、ビザ・就労許可の関係で、そのインターンは実現しませんでした。
このときに強く思ったのは、海外就活は面接に受かっても終わりではないということです。
この話も、詳しくは別の記事で書きたいと思っています。
それでも、海外大学院に来てよかった
それでも、海外大学院に来てよかったと思っています。
一番大きいのは、現地就職につながったことです。最終的には、LinkedInで声をかけてくれた企業からオファーをもらいました。自分が当初目標にしていたよりも良い企業でした。
このとき、LinkedInを整えておいてよかったと思いました。
また、リクルーターとの会話では、日本にいたときの大規模サービスでのインターン経験が目に留まったと言われました。
海外大学院に来たから、すべてが変わったわけではありません。
むしろ、日本にいるときにやっていたこと、入学後に地道に続けていたこと、LinkedInを整えていたこと、LeetCodeを解いていたこと、応募し続けていたこと。
そういうものが、あとから少しずつつながっていきました。
就活は努力量だけで決まるものではありません。タイミングもあります。見え方もあります。運もあります。
でも、準備していなければ、タイミングが来たときに掴むこともできません。
海外大学院は、海外就職を保証してくれる場所ではありませんでした。
でも、自分にとっては、海外就職に挑戦するための土台を作ってくれた場所でした。
過去の自分に言うなら、
「しんどいけど、今やっている準備はあとでちゃんと効いてくる」
と言いたいです。
今すぐ結果が出なくても、応募しても返事が来なくても、英語でうまく話せなくても、銀行残高を見るたびに不安になっても。
それでも、地道に準備していたことが、あとになってつながることがあります。
その意味で、しんどかったけれど、海外大学院に来てよかったと思っています。
今後は、今回少しだけ触れた公的奨学金の話、ビザの関係でインターンがなくなった話、LinkedIn経由でオファーにつながった話、海外就活で実際に準備していたことについても、もう少し詳しく書いていきたいと思います。
