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『エイリアン』 栄光と崩壊のシリーズ一気通貫今更レビュー①

宇宙では、あなたの悲鳴は誰にも聞こえない。無限に広がる大宇宙を舞台に、こんなにも閉所恐怖症になりそうで、しかも恐ろしいSF映画が撮れるのかと、公開当時衝撃を受けたのを思い出す。

リドリー・スコット監督を一躍ヒットメーカーに押し上げた一作目からじきに50年になろうというのに、いまだにシリーズが続いているような様子も窺える。

才能なる監督たちが入れ替わりで続編を撮っていた時代には迷走もあったが、どうにか軌道修正も果たせたか。そんなエイリアンシリーズを今更ながら一気通貫レビュー(このページはAmazonアソシエイトの広告を含みます)。

『エイリアン』
 Alien

公開:1979 年 監督:リドリー・スコット
時間:116分 製作国:アメリカ
勝手に評点:★★★★★5.0

©1979 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

巨匠リドリー・スコット監督の名を世界中に轟かせた、SFホラーというか閉鎖空間系ホラーの金字塔。何度観ても、怖い。未知の生物というのは、ネバネバとウェット系になるだけでこんなにキモさマシマシになるものなのかと感心する。

1979年の作品だけあって、さすがに宇宙船のクルーが使うコンピュータの画面インタフェースや文字の荒さには時代を感じるものの、むしろ気になったのはそれくらい。あとは宇宙船の造形から物語の展開までどれも色褪せていない。

クラシックな名作は大抵「(当時にしては)素晴らしい」という感想になるものだが、本作は今なお現役で素晴らしいのだ。

冒頭、宇宙空間に一本ずつ増えていく謎の棒がやがて『A L I E N』のタイトルになっていく洗練。薄暗く無人と思われた宇宙船ノストロモ号で、人口冬眠から目覚める乗組員たち。

採掘された鉱石を積んで地球に帰還途中で、謎の信号を傍受し、その正体を探る任務遂行中に、仲間を救うためにエイリアンを船内に入れてしまう。そこから惨劇が始まっていく。

宇宙船ノストロモ号の乗組員はある惑星で異星人の宇宙船を調査する。だがその時、卵の中の生き物が乗組員に寄生。やがてそれは腹を食い破り、ノストロモ号内に潜伏する。

©1979 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

その後、宇宙生物は人間をひとりずつ抹殺。生き残った航海士リプリー(シガニー・ウィーバ―)はたった独りで戦いを繰り広げることになる。

今更ストーリーの説明は不要だろう。登場人物は七人の乗組員とエイリアン、あと猫一匹のみという潔さ。その七人のメンバーも、ちゃんとキャラが立っており、一人も無駄死にしていない。

はじめにサソリのような敵を顔に貼り付けて帰還したケイン(ジョン・ハート)が腹を食い破られ、それから次々と餌食になっていく。くるぞ、やばいぞと盛り上げておいて、ホントにそうなる。なのに怖い。

©1979 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

この手のホラーは、怖い雰囲気だけ作って、一旦「なあんだ」と安心させ、次に襲わせるのが常套手段だが、本作はそんな姑息なチェンジアップは使わず、豪速球でバンバン投げ込む(あ、捕まえたら猫でした、があったか)。

最初にケインの腹から飛び出すヘビ状の怪物、白い汗をかいて頭をもがれ人間でないと分かるアッシュ(イアン・ホルム)、最後までチラ見せだけでなかなか全貌をみせないからこそ不気味なエイリアン。

これ、作り手は絶対面白がって撮ってるだろうな。マジで怖いけど、なぜか楽しく思えて二やついてしまう。そんな映画だ。H・R・ギーガーならではの天才的なクリーチャーデザイン。昔、白金にあったギーガーズ・バー、行ったなあ。

そして、主人公は毅然とした女性乗組員リプリー(シガニー・ウィーバー)。もはや女性主人公のみが最後まで生き残り、敵と渡り合うなんてことは珍しくなくなったが、本作の公開当時はまだ、そのような役割を女性にアサインするのは珍しかったように思う。

本作の脚本家ダン・オバノンが学生時代に『ダーク・スター』を共同制作した友人がジョン・カーペンター。

南極基地と宇宙船の違いはあるが、本作と同じように閉鎖空間の恐怖を描いたジョン・カーペンターの『遊星からの物体X』は、メンバー全員が男性だったな。あの作品は怪物の造形で遊び過ぎたので、本作よりもコミカルなホラーになってしまった。ま、そこが彼の魅力なのだが。

これだけの作品をヒットさせれば、当然同じ監督で続編が作られそうなものだが、面白いことにエイリアンのシリーズは次々と監督を替える。しかも、このシリーズを手掛けた後には、いずれ劣らぬ名監督になっていく。

まるで出世コースになっているようなシリーズだが、面白いことに、他の監督たちが手掛けた続編は、必ずしも出来が良くない。だから、このシリーズで名声を得る訳ではないのだ。

リドリー・スコットが、続編から手を離れたおかげで、我々は『ブレード・ランナー』(1982)という、本作に負けないカルトムービーに出会うことができた。

だが、生みの親としてはこのシリーズを放置しておけなかったのだろう。2012年には、リドリー・スコット監督が再びメガホンを取り、本作の前日譚である『プロメテウス』から再び陣頭指揮をとるようになる。

エイリアン(1979、スコット)
エイリアン2(1986、キャメロン)
エイリアン3(1992、フィンチャー)
エイリアン4(1997、ジュネ)
プロメテウス(2012、スコット)
エイリアン:コヴェナント(2017、同上)
エイリアン:ロムルス(2024、アルバレス)


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