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アトピーは「これがダメ」じゃない。同じものを食べても、日によって違う理由

たとえばチョコレートを食べても、なんともない日と、夜中に掻きむしって目が覚める日がある。冷蔵庫の同じ容器から、同じ量を、同じように食べている。それなのに、体の反応だけが違う。 ずっと、これが不思議でした。

こんな人へ:同じものを食べても、日によって出たり出なかったりして、何が悪いのか分からない人

この記事でわかること:なぜ「○×のリスト」ではうまくいかないのか/アトピーを「その日の合計」で捉える"浴槽モデル"

この記事は、医療従事者ではない一個人の体験をまとめたものです。診断・治療を目的とせず、効果を保証するものでもありません。症状が気になる方は必ず医師にご相談ください。

わたしはアトピー歴が二十年あって、長いあいだ「これを食べたら痒くなる」「あれはダメ」という、○か×かのリストで自分の体を管理しようとしていました。 スマホのメモに食材名を並べて、痒くなるたびに「犯人」を一つずつ消し込んでいく。でも、チョコレートのように"日によって違う"ものにぶつかるたびに、せっかく作ったリストが崩れていくんですよね。昨日OKだったものが今日はNGになって、結局、何が正解なのか分からなくなる。あの、リストとにらめっこしても答えが出ない感覚。同じところで足踏みしている人、けっこう多いんじゃないかと思います。

二十年かけてわたしがたどり着いたのは、この○×とはぜんぜん別の考え方でした。「総負荷」という見方です。図にすると、こんな感じになります。

体を「浴槽」だと思ってみる

体を、ひとつの浴槽だと思ってください。チョコレートは、その浴槽に注ぎ込む水の一部です。

チョコレートだけが水を入れているわけじゃない。その日に食べた他のもの、着ていた服や使った洗剤やタオル、そういうものも一緒に浴槽へ流れ込んでいます。負荷を運び込む蛇口は、ざっくり二本。口から入るものと、肌から入るものです。

一方で、浴槽の底には排水口があって、水を抜いてくれています。これが体の処理能力です。腸や肝臓が余計なものを片づけたり、傷んだ皮膚を直したり、睡眠で回復したり。注がれた水を、こうやって減らしている。

そして、水位がある一定のラインを超えてあふれた瞬間に、痒みや湿疹になる。このあふれるラインが「閾値」です。

ここまで来ると、さっきのチョコレートの謎が解けます。よく寝て体調がいい日は、排水がしっかり効いていて水位が低いので、チョコレートくらいなら入ってきてもあふれません。でも、寝不足で、外食が続いて、ほかの負荷で水位がもう高い日は、同じチョコレートが「あふれの最後の一押し」になってしまう。チョコレートが「OK」でも「NG」でもなくて、その日の合計で決まっていた。犯人はチョコレートじゃなくて、水位だったんです。

やることは2つ。蛇口を細く、排水を太く

だから、やることは大きく言って二つです。蛇口を細くするか、排水を太くするか。 このどちらか、あるいは両方。「これは食べていい、これはダメ」と一個ずつ白黒つけるのではなくて、合計した蛇口を、排水が追いつく範囲に収めてあげる。 わたしの場合は、考えることがこれだけになって、ずいぶん肩の力が抜けました。

この見方を手に入れてから、チョコレートを前にして身構えるのをやめました。食べる前に「今日は水位が高いか、低いか」とだけ考える。 高そうな日は少し控えるし、低い日は気にせず食べる。食事のたびに犯人探しをしなくてよくなった、というのがいちばん楽になったところかもしれません。

具体的に蛇口をどう細くするか(何が火元になるのか)、排水をどう太くするか(睡眠や腸をどう整えるのか)は、それぞれ一本の記事になるくらいの長さがあります。蛇口=食べ物の火元の話はこちらに、排水=回復力の話はアトピーは「夜」で決まるにまとめました。

「日によって出たり出なかったりする食べ物」に心当たりのある人は、けっこう多いと思います。それは記録が下手だったからでも、自分の管理が甘かったからでもありません。○×で測れないものを、○×で測ろうとしていただけなんです。

今日の一歩

①食べ物を「OK/NG」で裁くのを、いったんやめる②食べる前に、今日の"水位"だけ意識する(寝不足・外食続き・他の負荷で高くなる)③水位が高い日は、「最後の一押し」になりそうなものを少し控える

浴槽モデルは、あくまで「地図」です。実際に蛇口をどう細くするか(引き算から再導入までの順番と間隔)、排水をどう太くするか(睡眠と回復力の上げ方)、保湿や薬が浴槽のどこに効くか。その全部を、わたしが二十年かけて試した順番でまとめたのが本編です。どこから手をつければいいか分からない人は、ここから読むのが近道だと思います。

アトピーに振り回されなくなるまで(本編・有料)

もう少し無料で読むなら:水位を測る最初の一歩は記録から → アトピーの原因は「食事記録」で見つかる

※この記事は一般的な情報と個人の体験に基づくものであり、すべての方に当てはまるものではありません。治療については必ず医師の指導に従ってください。

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