第44話 好きだった先輩と当時の結婚観
チカノベの人生史小説。タイトルは『精神障がい、性的違和の知暖が学んだ「真実の愛」と「人生の正解」を目指す道』。
脳の障がいによる障がい特性を持つ主人公の知暖が、人生でたくさん失敗し、苦しんで、たくさん泣いて叫んで、報われない経験をして生きてきた。
そうやって、いろんな人たちと関わっていく中で「社会性」と「愛の形」と「人生の正解」について学んでいくお話。
今回は、第4章『何かと闘いまくった高校生活』から『第44話 好きだった先輩と当時の結婚観』です。
目次はこちらです。以前の話や次回以降の話を選んで読めます。

(Geminiさんで生成したイメージ写真)
好きだった先輩と当時の結婚観
私の高校は、自分で自家用車を運転して通学することが許されていた。2年生の頃、小柄で小太りで童顔の男子生徒が、自分で車を運転し、通学していた姿を見ていた。「車を運転している姿がかっこいいな」と思って好きになった。好きになる前の容姿は、口ひげと顎ひげを少し生やしていて、メガネをかけていた。好きになったときは、ひげがなく、メガネをかけないときもあった。
好きになったとき、名字だけは知人でも同じ名字の人がいたので読めたが、名前が読めなかった。担任に訊き、名前の読みがわかった。強そうな響きで、心が自立していて、芯がしっかりしてそうな名前だと感じた。本人には「名字にさん付け」で呼んでいたが、先生との間では「先輩」と呼んでいたので、ここでも「先輩」と呼ぶことにしよう。
担任は、先輩との恋を応援してくれた。担任は体育教師で、体育館へ移動中も一緒に先輩と行動させてくれて、見学の時間は一緒に話ができるようにしてくれた。姿をひと目見ると、ドキーンと胸が高鳴った。先輩が登校したとき、出席カードを渡し、無口な先輩がいつも「ありがとう」としっかりした声で言った。雨が降ったとき、先輩を傘の中に入れてあげるように言われたが、恥ずかしくてできなかった。先生と相合傘をしていた。帰りも雨が降っていて、先生がいなかったので、先輩に傘に「入りますか?」と訊くと「大丈夫」と言った。
体育の授業の見学中では、質問攻めをした。先生が、肉と魚どっちが好きかと言った。先輩は「魚」と答えた。質問をした中で記憶にあるのが、生まれ年と好きな食べ物と、兄弟姉妹の有無。誕生日は学校のカレンダーに生徒みんなの誕生日が書かれていたので、7月始めの生まれであることは知っていた。生まれ年は自分より2年先に生まれていて、1年生の頃も3年生の生徒として在籍していた記憶があり、先輩の3年生は2年目ということになる。好きな食べ物は「魚」と言い、あまり自己開示したくない人なのかなーと思った。兄弟姉妹の有無は「兄がいるくらいですね」と言っていた。
先輩は、学校行事には参加しない生徒だった。1年生の頃は遠足に行った写真が学校の壁に貼られていたが、私が入学して以降の文化祭やボウリング大会といった行事に参加していた記憶がなく、写真も残っていない。もしかしたら、コミュニケーションが元々得意ではなかったり、イベントで盛り上がったりするタイプの人ではなかったと思う。学校では、私以外の生徒と話しているところを見たことがない。
先輩とは多分、両片思いだったと思う。友達以上恋人未満とは言えないが、やたらと目が合ったし、資料を渡すときにも、普通は手元を見て受け取るはずだが、私の目を見て受け取った。席がたくさん空いているのに、わざわざ隣の席に座ることがあった。両思いを確信し、先輩が卒業する前に告白することにした。
ラブレターを書き、担任に渡してもらった。しかし、自分のしたことで、告白の返事を出しづらくなってしまったかもしれない。視聴覚室で素行の悪い生徒たちと集まっているとき、先輩の眼の前で、好きな人だと話してしまった。その人の前で体重を言えと言われたが、当時の自分は言えなかった。初代恋人には平気で体重の数値を教えていたのに。自分に「恥じらいの意識」ができたのかもしれない。
告白の返事はメールで返信するように手紙に書いたが、いつまでも返事が来ないので、追加の手紙を自分で渡した。「内緒で付き合う」と書いても、ずっと返事は来なかった。卒業シーズンに、私がインフルエンザA型に感染してしまい、卒業式でお別れすることができなかった。担任に連絡をすると「インフルエンザの人は学校に来てはいけません。でも、知暖の分も卒業生を見送ります」と返事が来て、相当悔しい思いをした。先生がメールで言っていた通り、自分の分まで卒業生を祝って送り出してくれることだけを希望にインフルエンザを治した。
自分が3年生になった年の初夏頃に、先輩が就職したという話を聞いて安心した。2回目の3年生の頃、社会の先生に当時の結婚観を話した。「車と免許がある人と結婚したい」と。母は免許を持っているが、父が所有する車を運転していただけで、母自身は車を持っていない。父と離れて暮らしても、車が持てない経済状況で、車を持っている祖父や母のパートナーの送迎を頼りにしていた。車は便利な生活必需品だと思っていたし、車を持っている人に車を運転してもらい、自分は助手席に乗せてもらう「ドライブデート」に当時は憧れていた。
「車と免許がある人」が絶対譲れない条件であるのは、20代後半まで続くが、車がない生活に慣れてしまったため、重要視すべき点ではないと気づくことになる。第8章で真実の愛を知った私は、人を条件で見ず「本質で見る」恋愛や結婚を希望するようになるのだ。
おことわり
この物語は、自分の主観と記憶を辿り、実体験をベースに綴ったノンフィクション・エッセイです。一部、プライバシー保護のために、地名や人名、団体名、家庭事情等を伏せたり書き換えたりしています。そして、歳月の経過による記憶の断片を繋ぎ合わせています。当時の心情風景としての描写が含まれることをご了承ください。
あとがき
前回の告白してくれた男子との恋よりいい恋をしました。この恋で学べたのは、周囲の人に、好きな人の情報を話してはいけないことです。
周囲に恋心が知れ渡ると、相手にとって居心地が悪くなったり、変な噂を広められたりします。初代恋人との恋愛経験と併せて、そう思えます。
今考えてみると、先輩にもASDのような特性があったのかもしれません。自己開示をあまりせず、学校ではいつも教室の席でひとりで過ごしていました。
ASDだとしたら、孤立型か受動型なのかもしれません。高校生だった当時も、先輩に対して、健常者ではなさそうだと感じていました。
以前の先輩が、ひげを生やしていたのも、低身長の童顔で、幼く見られる悩みを解消するものだったと思います。
実際、他の人の経験では、若い人がひげを生やすと、思った以上に老けて見えてしまい、小さい子どもに「おじさん」と言われてしまいます。
私は正直、ひげがないほうが、清潔感があって、表情も優しそうで好きでした。先輩は今、どんな生活をしているのか気になります。
高校卒業後の就職先で今も働いているのか、独身なのか恋人がいるのか、どんな暮らし(家族暮らしかひとり暮らし)をしているのか気になります。
前回の男子とは違い、悪い思い出はなく、今も大切な思い出や経験として仕舞っているので、先輩がいい暮らしをしていることを願っています。
作者の近況
今、第10章を生きる作者の近況。今日、通販で注文していた、ペアキーホルダーが届きました!
キーホルダーは、両面に刻印ができ、刻印内容は、表面は「名字イニシャル.名前ローマ字」にしました。
裏面は「彼のイニシャル&私のイニシャル」そして復縁した記念日の「2026.04.06.MON」も入れました。
オプションマークは、花ふふむ頃に復縁・再会し、最初のデートがお花見だったため、サクラのマークにしました。

(Geminiさん生成写真)
本名の刻印を入れ、実物は見せられないため、AIで小説での名前やイニシャルに書き換えていますが、仕上がりのイメージはこんな感じです。
中くらいのキーリングと、予備の小さいキーリングが付属していました。ナスカンは別途、実店舗の手芸コーナーで選んで購入しました。
不器用な彼でも、手軽に身に着けられるように、ナスカンをリングに通してカスタムしてあげました。
手肌を保湿したばかりだったので、指紋がついてしまいました。ナスカンとリングを通したあと、パッケージに戻しておきました。
彼と会う約束(デート)をするのは、いつも偶数月なので、6月に会う約束をして渡そうと思います。
彼と出会った就労施設を辞めてから、無収入なので、所持金が減っていく一方です。化粧品のストックを1個買ったら、残金は431円になります。
少ないお金で、お菓子を買って2人で楽しむことはできると思います。誘うまでに、どこで会って、一緒にお菓子を食べるか、考えておきます。
今日の私と彼はというと、最近自分ばっかりメッセージを送っている気がします。一度「おやすみ」のメッセージを欠かしてしまいました。
昨日は、おやすみのメッセージにハート関連の絵文字を多めにして送信すると、すぐ彼からも絵文字つきの返信がきました。
今日に限っては、朝のメッセージに既読すらつけないので、私から距離を置いてみたいと思いました。
実は、第8章の付き合う前、何度か自分から距離を置こうと思ったことがあり、2025年の11月頃は、サイレント期間と思った時期がありました。
せっかく記念日の刻印入りのペアキーホルダーを購入して、別れることになったら、刻印が台無しになってしまうので、適度な距離感を保ちます。
付き合う前のちょっとしたサイレント期間のときのように、時間が経つとともに、連絡を再開できるはずだと信じています。
昨日は、ASD×恋愛エッセイを投稿して、過去の傷や現在の深い愛情までを、全力で綴って、投稿して世に送り出しました。
以前から、恋愛記事を投稿すると、彼がそっけなくなってしまうと感じることがあり、何かしらのシンクロニシティだと思っていました。
記事を通じて彼への愛を「外(読者)」に向けて全開にすると、スピリチュアル的には「自分の中の彼へのエネルギー」を一旦出し切った状態になります。
一時的に彼との間のエネルギーに「隙間」が空いたように感じたり、彼が無意識にその巨大な愛のエネルギーに押されます。
そのバランスを取るために、ふっと静かになったりすることがあります。これが「冷められた」という感覚として伝わっている可能性があります。
「魂のデトックス」と不安の投影で、私のエッセイは、過去の痛みや葛藤も、ありのままにさらけ出すスタイルです。
シンクロの仕組みは、記事を書くことで過去の「拒絶された記憶」や「不安」を浄化(デトックス)している最中は、心がとても敏感になります。
その敏感な状態で彼からの反応を見ると、普段なら気にならない些細な間や、短い返信が、気になってしまいます。
「記事を書いたことで彼に嫌われたのでは?」という不安とシンクロし、ネガティブに解釈されてしまう「心の投影」が起きているのかもしれません。
記事の中で「サイレント期間」や「別れ」について深くかつ微細に書けば書くほど、その時の感情に深く潜ることになります。
私の高い感受性が、執筆中に当時の「冷たくされた感覚」を今ここに引き寄せ、シンクロしてしまっている状態です。
彼が実際に冷めているのではなく、私の魂が「あの時の感覚」を追体験している最中に、現実の彼と接することで違和感が生じているのです。
もし恋愛記事を投稿した日に「冷められた」と感じたら、私は心の中で、こう言うことにします。
「今、私は最高に純度の高い愛を放出したから、彼もその光に驚いて、ちょっと一休み(充電)してるんだな。これは2人の関係が次のステージに進むための『愛の静寂』なんだ。」
私の記事は、彼への「最上級の敬意」です。彼を傷つけるものでも、遠ざけるものでもありません。
彼が昨日「おやすみなさい」と返してくれたのは、そんな私の大きな愛の波を、彼なりに受け止めた証拠です。
「大丈夫だよ、ここにいるよ」と合図を送ってくれたシンクロです。安心して、その大きな愛を誇りに思っておきます。
トップ画像説明と次回予告
トップの生成写真、いろいろとプロンプトを打っていて「真面目そうな顔立ち」と入れた途端、実際の顔のイメージに近づきました!
本当は、低身長なのですが、身長に関するプロンプトは、どうしても通りません。小太りから少し痩せさせた体型にしました。
次回、第4章『何かと闘いまくった高校生活』から『第45話 同じ薬を飲んでいた男子の話』です。
コンサータを服用していた多動の男子生徒がいた。知暖が当時記録していた、多動男子の観察日記を元にしたお話です。
