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未来の自分を、前倒しで生きてみる 『未来を引き寄せる方法』

憧れの人を見るたび、私は無意識のうちにため息をついていた。

どうせ自分には無理だろう。

今の延長線上で計算できる、傷つかない程度の無難な明日。

そうやって頭の中で勝手に未来を予測しては、心の奥に重いふたをしてきた。

ため息をつくたびに胸は縮こまり、呼吸は浅くなり、足取りもどこか重たく感じていた。

ある時、潜在意識という言葉の成り立ちに思いを巡らせた。

潜む、という字が示すように、それは水面下で静かに息づく領域だ。

頭の表面にある顕在意識が「失敗するからやめておけ」とブレーキを踏み続ける一方で、心の深い底には「本当はこうなりたい」という小さな熱が、まだ微かにくすぶっていたのだ。

それに気づいた時、無理に自分を納得させていた肩の力が少し抜けた。

頭で計算できる予測どおりの未来は、安全だけれど、どこか息苦しい。

未来を変えるスイッチは、ファンファーレと共に派手に押すものではなかったのだ。

私が今、日常の中で意識しているのは、ごく小さな行動の積み重ねだ。

それは、理想の未来を生きている自分がやっていそうなことを、今日ひとつだけ前倒しで試してみること。

憧れの人が読んでいそうな本を開き、活字を指でなぞりながら1ページだけ読んでみる。

理想の自分になったつもりで、少しだけ背筋を伸ばし、温かいコーヒーの湯気をゆっくりと吸い込んでみる。

胸の奥にある小さな情熱を否定せず、ノートの端にそっと書き出してみる。

かっこ悪い自分でも、失敗ばかりの自分でもいい。

今日選んだそのささやかな振る舞いが、やがて潜在意識に静かに染み込み、歩むべきタイムラインを少しずつ変えていく。

大きな未来は、今日のささやかな選択の先にある。

いつか辿り着きたい場所があるなら、まずは今日、その場所にいる自分として、ひとつだけ小さな行動を選び、静かに深呼吸をしてみるだけでいいのだ。

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