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富山・西尾根|三十越えて、じわじわ効いてくる低山の手強さ

ようやく20個目、ピークは続くよどこまでも

三十のピークを、越えていく。
細い西尾根を、ただ越えていく。
低いのに、楽じゃない。

富山の西尾根ルート。
踏み跡は細く、左右に逃げ場はない。
上っては下り、下ってはまた上る。
それを、三十回。

息が切れるほどじゃない。
脚が止まるほどでもない。
けれど、気を抜ける瞬間がない。
一歩一歩が、次の一歩を連れてくる。

尾根は細く、視線は自然と前に絞られる。
進むか戻るか、その二択だけ。
集中が切れた瞬間に、バランスも崩れそうになる。

ふと顔を上げると、視界がひらける。
正面には富山。
双耳峰の輪郭が、はっきりと見える。
低山だということを、
この景色だけが、少し裏切ってくる。

低くても、ちゃんと手強い。
数字じゃ伝わらない手応えが、ここにはある。
三十越えて、ようやくわかる。
積み重なって、じわじわ効いてくる。

大きく攻める必要はなかった。
急ぐ理由も、崩す理由もない。
ただ、同じ調子で、前へ。

この西尾根では、
その歩幅が、最後まで崩れなかった。


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