#7【脛骨腓骨開放骨折】 骨折の治療期間を短くする秘密兵器 LIPUS
今回は、骨折の治療期間を短縮する秘密兵器について紹介します。
超音波骨折治療
リハビリの方が病室まで来てくださりました。
「こんにちはー、○○くん!」
この前、リハビリは次から自分で来るように聞いてたけどなんだろうと思っていると、台車に乗せた黒っぽい機械が!
リハの方「今から超音波やってみようとおもって」
僕「どんな効果あるんですか?」
リハの方「折れた骨の骨形成を早めてくれる機械!本当かは知らんけどね」
僕「え!本当ですか!!」
「やりたい!!」
ということで、超音波の治療が始まりました。
1日20分折れた部位に充てるだけでいいそうです。
これを骨がくっつくまでずっとするそうです。

痛くもないし、これで骨折早く治るならめっちゃいいじゃん!
しかし、やっている最中は何も感じない...
本当に効果があるのかなと疑問に思いながらも続けることにしました。
そして、気になったので少し調べてみました。
超音波治療とは?
低出力パルス超音波(LIPUS)と呼ばれる弱い音の振動を患部に当て、骨の再生を促す方法のこと。
超音波の微細な刺激が細胞に力学的な信号として伝わり、骨芽細胞の働きを活性化させます。
その結果、仮骨形成(折れた骨をつなぐ新しい骨の生成)が促進され、骨癒合までの期間短縮が期待されます。
そして、なんといっても
骨折の治癒時間を約4割短縮する効果が証明されています。
という研究結果も出ているんです。
実際の研究結果
論文名(訳)
Improved healing response in delayed unions of the tibia with low-intensity pulsed ultrasound: results of a randomized sham-controlled trial
(低出力パルス超音波による脛骨遅延癒合の治癒反応の改善)
著者
Markus D Schofer, Jon E Block, Julia Aigner, Andreas Schmelz
出典
BMC Musculoskeletal Disorders 2010, 11:229
目的
脛骨の骨折治療で、骨癒合が遅れている患者に対して、低出力パルス超音波(LIPUS)を実施しその効果を評価する。
方法
・成人の脛骨遅延癒合患者101例を対象
・対象患者は、低出力パルス超音波(LIPUS)治療群(n=51)と見かけだけの偽装装置群(n=50)
・1日20分の超音波を16週間継続
・骨癒合の指標として、CTによる骨密度(BMD)変化と骨折ギャップ面積を測定
補足:骨折ギャップ面積とは骨折部で折れた骨どうしのあいだにできているすき間の広さを面積で表したもの
結果
・LIPUS群は骨密度(BMD)の改善が1.34倍と有意に良好(p=0.002)
・骨折ギャップ面積もLIPUS群で有意に縮小(p=0.014)
・有害事象は特になし
結論
LIPUSの使用が脛骨癒合遅延患者の治癒過程を促進し、癒合達成の可能性を高める
要約すると、
骨折した部分に僅かな刺激を与えることで、骨形成が活発になるということです!
実際の効果は?
僕は、手術が終わってから約4ヶ月後までこの超音波治療を行っていました。
通院しながら週3回ほどです。
結論から言うと、正直効果はよく分かりませんでした。
というのも、
身体はひとつしかないので比較できずよく分かりません。
超音波をしてない場合との差を比べられないからです。
本来は、骨の形成が遅い場合に偽関節にならないよう予防するのが本来の目的です。
それを踏まえると、僕は受傷後数ヶ月の間、順調に仮骨形成が進み、骨同士の隙間がしっかり埋まりました。
それだけでも十分効果が見られたと言えるのかもしれません。
次は術後2週目以降のリハビリについて紹介しようと思います。
