46話 決戦 急 Decisive Battle — Climax: Samurai and Knight 【波打際編】波打際スケッチ Sketches of the Shoreline ~AIと創る青春物語~
「危ない・・・」
ナビオは思わず手を合わせ、祈るように合掌した。
その瞬間、掌の間に光が生まれた。
驚いて手を緩めると、掌は自然と宝珠印の形をつくる。
米粒のような形の内側に、まぶしい光が集まっていく。

光に気づいたユリアが振り向いた。
その瞳に光が映り込むと、彼女の竹刀が淡く輝き始める。

武士が驚いて後ずさる。


ユリアは、光に包まれ、姿が見えなくなる。
次の瞬間、ユリアの姿が変わった。

銀の西洋鎧、風をはらむマント、細身の西洋剣
――まるで異国の騎士のような姿だ。

ナビオが呆然と見ていると、隣の老人も口を開けて固まっていた。
ナビオ自身もまた、三日月のような顔に大きな目をした、ピカソのタイル画のような姿へと変わっていた。
「これは私なのか・・?」と息をのむ。

騎士となったユリアは武士と激しく打ち合った。
剣が日本刀とぶつかり合い鋭い金属音で火花を散らす。

剣だけではなく足の動きも激しく、お互いの位置が変わりながら戦いが続いている。
息が上がってくる。呼吸が肩を上下させる。



シンゴは目を見開いて、驚いた顔でユリアを見ていたが、我に返ったように武士の前から後ろに位置を移す。
武士もシンゴの動きに合わせて少しずつ体の向きを変えていく。
汗が背中を伝う。
ナビオも手にした西洋剣を構えると、武士の横に近づいていった。
三方を囲まれた武士が、荒い息をしながらじりじりと後ずさる。
シンゴは武士に飛びかかる。
刀を振る武士の後ろに回り込む。

が、シンゴは武士に突き倒される。
危ない!

ユリアが切り込んだ。剣先は武士に完全に止められる。
火花を散らす剣が音を立てる。

ユリアと武士は同時に後ろに飛び去るとユリアが素早く打ち込むが、武士は向きを変えた勢いを使って下から刀を振り上げてくる。
その刀の切っ先を目線に入れながらよけるように立ち位置を入れ替えながら回るようにして場所を動かしていく。


膠着し、しばらく睨み合いが続く中で、
ナビオはピカソのタイルのような顔のまま、光っていた西洋剣をしまうと武士に近づきながら問いかける。

「教えてくれないか。私たちはそもそも敵ではない。なにゆえに戦うのか。」
「・・源氏の者ではないというのか!」
荒い息の中で武士が叫んだ。
「そうだ。私たちはあなたのいる時代より800年以上後の時代の者だ。
その時代には源氏も平家も関係がない。」
「六代御前様をとらえているのではないのか!」
「私たちはとらえたりしてはいない」
「む・・」

「私たちが来たのは大切な人を助けたかっただけだ。あなたと戦うためでではない。」
「・・・大切な方をお助けしたい・・・だと・・・」

武士はしばし沈黙し、刀を握る手がわずかに震えた。
その目に迷いが生まれる。
ユリアが構えていた剣を元にもどし、シンゴも構えを解いた。


「負け申した……わしの命、貴殿にお預けいたす……六代御前様を、どうかお助けくだされ」
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