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31話 建長寺 In Silence Together at Kenchō-ji 【波打際編】波打際スケッチ Sketches of the Shoreline ~AIと創る青春物語~


前にも来たことのある大きなお寺だが、コノハと訪れるのは初めてだった。
入り口で座禅の申し込みを済ませ、いくつもの堂宇の横を通って奥へ進む。



広い畳敷きの大きなお堂。中央には静かに仏像が鎮座している。
長い座布団を折り曲げて腰を下ろすと、コノハは慣れた様子で外側を向き、半跏趺坐で座った。

ふと視界に入った、白くて小さな足の裏。
ナビオは慌てて視線を逸らした。

「頭の中を空にするのだ」


というのだが横に座るコノハのふくらはぎが気になって仕方がないナビオは、無心とは何かと自問する。


ひとおつ、ふたあつ・・・教えられたとおりに数を数えてみる・・・
邪念が消えない・・・


黒い法衣の僧侶が近づいてくる。
手を合わせてお辞儀をした。

パシン、パシン

――鋭い音が堂内に響き、ナビオの背中に衝撃が走る。
再び手を合わせてお辞儀をする。

やがて足がしびれてきて、思わず体勢を崩す。
それを見たコノハが、口元を緩めた。


「まだまだ未熟者ですね」


からかうような声。


けれど、ナビオが合掌したときの手の形――
そこから立ちのぼる光だけは、コノハにははっきりと見えていた。



口には出さなかったが、彼の“色”は確かにそこにあった。




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