89話 龍眼 When the Dragon’s Eye Awakens 【波打際編】波打際スケッチ Sketches of the Shoreline ~AIと創る青春物語~
ヨウイチロウ先輩は、彫刻刀を選び出すと折れたひげを削り始めた。
ひげの両側に彫り込みを入れている。
しばらくすると、
「この角度で大丈夫か?」
と顔を上げた。
ひげが――つながっている。

先輩はほぞ継ぎをしたらしい。
両側に凹凸を作って噛み合わせる方法だ。
「ありがとうございます。」
セオリは嬉しそうに頭を下げた。
「先輩、目を入れてください。」
「え、おれがか?」
一瞬ためらったが、再び彫刻刀を選び直すと、
龍の目の周りの丸い輪郭を、浮き上がるように丁寧に彫り込んだ。
「目玉は自分でやらないとな。」
とナビオに渡す。
ナビオは目玉の模様、虹彩を彫り込んだ。
「瞳はセオリに」と彫刻刀を渡す。
龍の瞳が彫り込まれると、しばらく三人で満足げに見つめていた。

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